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9 死んだあの子はお姉ちゃんで生徒になったんです2

 鷹音から話を聞いたアトラはリサーチャーという名前に反応した


「リサーチャー...」

「いや、でも彼女は」


「知っているのですか?学長」


「美汐、あなたが生まれるよりも前、この学園ができたばかりの頃ですから」

「今から40年ほど前のことになります」

「一人の研究者がいました」

「名前を古賀祢寧々子こがねねねこ

「魔生物の研究をしていた彼女は実験中の事故でとらえていた魔生物とともに亡くなりました」

「彼女の研究は魔生物の弱点や生態を知るのに大いに役にたっていました」

「そんな彼女を周りは親しみを込めリサーチャーと呼んでいたのです」


「学長、その方は本当に死んでいたのですか?」


「えぇ、死体は確認されていますから間違いありません」

「爆発による悲惨な事故だったため魔生物と彼女の死体が混ざり合いひどいありさまだったらしいですが」


「そうですか...」

「もし姉さんが聞いた声の主というのが彼女だとしたら」

「一体どうやって蘇ったのでしょうか?」


「わかりません」

「ですが、私でも認識できない何か大きな力が働いている気がしてなりません」

「このところの魔生物の活性化もその影響なのかもしれない」


 ふぅとため息をついて思い出したかのように美汐に聞いた


「ところで、あなたのお姉さん、鷹音の様子はどうですか?」


「あ、はい、姉さんはこの後私のクラスで転校生として紹介する予定です」

「私の姉であることは伏せ、私の親戚ということにしました」

「顔が似ているのはこれでごまかせるかと」

「苗字も私と同じでは疑われるので日野ではなく日比野ということにしています」


「そうですね、余計な混乱を招くのは得策ではありません」

「しばらくはそれで様子を見ましょう」


「はい」



 その日、ホームルームで鷹音の紹介が行われた


「どうも、大阪から転校してきました美汐先生のいとこの日比野鷹音です」

「能力は亜空間」

「攻撃用と移動用二つの亜空間を生み出すことができます」

「攻撃用を出したときは近づかないでくださいね」

「吸い込んで分子レベルで分解しちゃいますから」


 ニコリと笑うその笑顔に一同は恐ろしさを感じたものの

美汐先生の親戚ということで納得できた


「あの二人、すごく似てるね、詩季ちゃん」


詩季アキナ「そうだね、同じ年なら双子って言われても気づかないかも」


「亜空間だって、すごいね」

「移動ってことはテレポートみたいなものかな?」

「司ちゃんみたいな」


「たぶん違うよ」

「扉みたいなもんじゃないかな?」

「僕のは自分一人しか移動できないしね」


「そっかー」

「一回見てみたいね~」


詩季フユノ「そのうち見ることもあるんじゃないですの?」

  「同じクラスなんですから」


「そうだね~」

「楽しみだね~」


「それじゃぁ鷹音くんは詩季の班に入ってもらおう」

「詩季と私は長い付き合いだ」

「わからないことがあれば何でも聞くといい」


詩季ナツキ「ちょ、先生、無茶振り」


「ハハハ、大丈夫だろ、お前なら」


 嬉しそうに笑う美汐を見ていたら詩季もまんざらではないと思えてきた


詩季アキナ「よろしくね、鷹音ちゃん」


「はい、よろしくお願いします」

「...」


 ジーッと詩季を見つめる鷹音


詩季アキナ「どうしたの?鷹音ちゃん」


「いえ、貴方の姿や口調がコロコロ変わるので不思議で」


「あぁ、詩季はね」

「魂が三つあるんだ」

「一人の体に三人の意識があるんだよ」


「三人!?ですか?」


詩季ナツキ「うん、それぞれ能力も違うよ」

「いっしょの班になったんだから今度見せるね!」


「楽しみです」


 美汐と違ったおとなしくもかわいい笑みに女の子である詩季たちも一瞬ドキッとした

そして、親戚なのにこうも違うのかとも思った


やっと主人公たちと絡ませれました

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