8 大阪の異変は相当やばかったんです3
10分後、千里たちとすぐに合流できた
行方不明者を二人見つけたこと
美汐の名前は伏せたが人型の何かに空が連れ去られたことを話した
「そうですか、それがこの先にいるということですね?」
「そこに、恐らくは雨宮さんも」
「急ぎましょう、彼の身が心配です」
「要先生、もう一度透明化をお願いします」
「了解しました」
透の能力がもう一度全員にかけなおされる
「ここから先は私と阿部さんだけで行きましょう」
「阿部さん、探知をしつつ進みます」
「つねに能力の展開をお願いします」
「残りの方はここで待機を」
「もしもの時は戦闘できるものだけ救援に来てください」
「阿部さんの能力は貴重です」
「彼女を何としても守り切ってください」
「「はい!」」
指示された調査班たちは敬礼した
榊と千里はゆっくりと奥へ進み始めた
「ぐ、まがまがしい気配がしますね」
「大丈夫ですか?阿部さん」
「はい、なんとか」
「私の能力から視てもかなりやばいものが潜んでいるのがわかります」
「これが、女王なのでしょうか?」
「それは、わかりません」
「人型の何か、それが女王なのか、それとも、女王すら操る何かなのか」
「いずれにせよ、進めばわかるでしょう」
「はい...」
二人は警戒しつつ先へと進んだ
兵隊らしき大型魔生物も全く姿を消していた
おそらく、進む先にいるのは、自分を守るものすら必要のない強さを持つものだろう
榊は思った
(もしものときは、私の命に代えても、雨宮君と彼女を守り切らねば)
(二人の能力は、私と比べ物にならないほど貴重だ)
(果たして、これから出会うモノに私の力がどれほど通じるのか...)
二人はだんだんと濃くなる強大な気配を恐れた
今までに何度も大型に遭遇した二人だが、これほどの力を発するものはいなかった
やがて、気配の最も強い場所にたどり着いた
「ここのようですね...」
「阿部さん、何か視えますか?」
「は、はい」
「...あれは!?」
「人?」
「人です!」
「!」
「あの顔は!雨宮さん!?」
「雨宮さんが立っています」
その雨宮らしき人影に近寄る千里
「だめです!近寄っては!」
「え?」
雨宮の周りに水滴の弾丸が現れた
「え?あれ?」
あっけにとられる千里に雨のように降り注ぐ水滴の弾丸
「危ない!」
千里に当たる寸前のところで榊は間に入った
テレポート能力、ありふれた能力だが彼はそのスピードに秀でていた
突き刺さる水の弾丸に榊は倒れた
「千里!さん!...」
「逃げ...」
そこにまたも弾丸が撃ち込まれる
瞬間、榊と千里は消えた
榊がテレポートで千里とともに飛んだからだ
「榊さん!」
突如テレポートで現れた榊の惨状に透はうろたえた
「慌てないでください、要先生」
「致命傷は、避けています」
「いまから、皆さんを学園へ、飛ばします」
「すぐに、ハンターたちを、向かわせて、ください」
「理由は、あとで、ハァハァ、話します...」
「榊先生!しゃべらないでください!」
「傷が!」
「いいから、とびますよ!」
榊が能力を発動し、全員が大阪へと帰還した。外で待機していた七海達も含めてだ
すぐに救護班に運ばれる榊
治療能力を持つ救護班によって傷は癒えた
榊は通信で学長に報告すると七海や調査隊達を休ませ
ハンターたちとともに現地へと戻った
女王って響き、なんかいいですよね~




