8 大阪の異変は相当やばかったんです1
大阪に到着した榊は現地の学園、ハンターとともに行方不明の空たちの捜索と調査に出た
「榊さん、お久しぶりです」
「学長はお元気でしょうか?」
「あぁ、紀野先生、お久しぶりです」
「不老不死の彼女に元気、というのもおかしな話だが、元気ですよ」
紀野と呼ばれた彼女は紀野楓、大阪の学園の管理を任されている女性だ
榊の後輩で、ハンターをしていたが、けがが元で引退し、教師となった
「早速ですが、状況報告をお願いします」
「はい」
「事態は、あまり芳しくありません」
「周辺での大型の発生数は異常です」
「それに加え新種の大量発生」
「正直食い止めるだけでやっとです
「中国地方は壊滅状態」
「九州は福岡で進行をくいとめてはいますが、長くはもちそうにありません」
「現在撤退を開始しています」
「行方不明のハンターの捜索状況ですが」
「死体を発見した地点より西に5キロほどの地点でこれを発見しました」
楓が取り出したのは空が使用していた水銃だった
銃にはちと思しきものがこびりついている
「これは、確かに雨宮さんのものですね」
「えぇ、じつは、これが発見された場所からそう遠くないところでコロニーらしきものが」
「地面にできた空洞から大型の魔生物がぞろぞろと出てきたと報告がありました」
「まるでアリの巣のようだったと」
「なるほど、彼らはそこに運ばれた可能性がありますね」
「それにしても、コロニーですか」
「女王を中心としたアリのようなコロニー形態、という形もあるのですね」
「はい、今回初めて確認された繁殖形態です」
「それだけ魔生物たちも多様性が増しているようですね」
「ところで、以前調査依頼を出していたことについてですが」
「ああ、岡山を襲撃した大型魔生物」
「それを率いていたものについてでしたね?」
「崩壊した街を調べてみましたが、それらしき痕跡は全くつかめませんでした」
「しかし、目撃症例は多く、まるで狐狸妖怪に騙されている気分ですよ」
「そうですか...」
「それに関しては引き続き調査をお願いします」
「了解しました」
「では榊さん、調査隊に加わっていただけますか?」
「まもなく彼らも準備が整うと思いますので」
「ええ、一人、連れていきたいものがいるのですが、いいですか?」
「連れていきたい者?」
「新任の教師なのですが、彼の能力は調査に非常に役に立つでしょう」
「能力、ですか?」
「透明化です」
「なるほど、敵にばれずに行動できるのは心強いですね」
「彼の透明化は複数名にかけることができます」
「最大人数は10人、制限時間は1時間ほどですね」
「では、その方とともに調査をお願いします」
「場合によっては行方不明者の救出を最優先で」
「女王の確認もできればお願いします」
「了解しました」
「では、1時間後に出立するとしましょう」
「よろしくお願いします」
それからきっかり1時間後、榊率いる調査隊はコロニーへと向かった
大阪より西はほぼ壊滅しています
現在日本でだけ話を展開させていますが
いずれ海外も出す予定です




