ある程度どのくらい貧困か
私小説…では無いです
『嫌です』
私は大体の事には“yes ”と言ってやるがこれだけは流石に首を縦に振れない事だってある。
朝ごはんは食べない日のが多い
晩ご飯はパンの耳をがじったり
昼ご飯は友達の弁当をたかります。
言わいる私は貧困少女なのだ、家の食べ物は腐る程あるわけでは無いくせに私の性格は腐ってしまった。
4時間目の終了を告げる鐘が鳴った。
そして私は今日も友達から弁当をたかるのだ。
「お願いします、朝食べてないんです」
今丁度昼ご飯をたかるため友達を説得しているのだが…
「1日ぐらい我慢してよ…」
__嫌です。
「嫌です。」
口に出す事も考える事も嘘はついていない真の信念で訴える私。
「少しだけだよ?」
そんな私にすぐ自分の弁当を差し出すチョロい奴。
「はい、あーん…っ」
▼コイツ あーんをしてきやがった.
何というあざとさだ…私が男だったら“ ちょろイン”とか呼ばれてたんだろうか。
「しおりん、一口では私のお腹は膨れてはくれないようです」
しおりんとは栞という名前に良く付けられるあだ名ではないだろうか?
そういう訳で私のチョロあざとい友人は向井 栞という名前なのである。
「そう言って昨日私のお弁当全部たべたじゃない」
そんな事は知らん。
「過去の事は忘れましょう、モテませんよ」
「んん…ッッ」
しおりんは私と違って色恋にも余裕があるのでこの手の話には弱い。
「と、言うわけでその美味しそうな肉の塊をください」
唐揚げをわざと肉の塊と言う事で私の貧困さをアピーール。
「肉の塊じゃない!!唐揚げっていう…ん?美味しそうに見える???!!」
きっとしおりんは自分でお弁当を作ったのだろう、少し褒めただけでこの調子だ。
「沢里さん、少し来てもらえる?」
動くとお腹が減るので行きたくないのだが…
沢里は私の苗字でしおりんと同じような感じで“さわりん ”になったのだ。
「さわり、呼ばれてるよ?」
しおりんは何故か私をさわりんと呼んでくれない、まぁあまり好いてないあだ名なので良いんですが。
「行ってきますね」
しおりんの弁当からひょいっと肉の塊を拾い上げる。
しおりんの悲痛な声が聞こえるが無視して私は強く歩く、そう、強く。
呼ばれた先へ行くとそこには委員長が立っていた。
「私は今から怒られるのだろうか…」
「心の声が盛れてるわよ!!」
え?漏れてる?案外淫乱なんですね委員長。
なんて事は言わず私はささっと弁当を食べたいので
「それはそうと私何かしましたか?」
「そういうわけじゃないんだけど…少し来て欲しいの」
告白…!?こらりゃあまいったな、私が男だったのならそういう展開も望めるのだろうが…
___残念、私は女だ。
私は引かれるまま委員長に連れてかれた場所へ行くとそこには先生が居た。
「修学旅行、どうするんだ」
畜生…そろそろそんな時期か、私達の学年はもうすぐ修学旅行というお金の無駄遣いをしに行くのだ。
「どうすると言われてもお金ないです」
正直に答えるが吉だろう。
「お金はあるだろう」
「ないです」
「親御さんはもう積み立てし終わってるんだ」
正確には叔母である、あの叔母…もう支払ってくれてたのですか。
「ですが修学旅行行くお金があれば朝ごはんが食べれます」
「何言ってるか先生には理解出来ないんだが」
即決に言うと修学旅行には行けるがその分食費が無くなる、修学旅行に行かなければご飯をまともに食えるのだ。むしろ行かない方が有用ではないか。
あぁ、もう誰か…この貧困少女を養ってください。
私小説です、お金ください。