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飴、ここに置いとくね。

作者: 琴春

すっごい暗いです。

放課後、私はひとつのお墓の前で手を合わせる。


「今日はね、委員会があったんだよ。だから遅くなっちゃった。ごめんね」


今日の出来事をここで話すのが日課だ。


ちゃんと聞いてくれるかなあ?



「でね、古典の先生が…」


♪~♪~


もう5時か


「じゃあ、今日はここまでね」


また明日来るから。


「飴、ここに置いとくね。ばいばい」


私は飴を置いて、墓地を後にする。




次の日の放課後、私はひとつのお墓の前で手を合わせる。


「今日はね、良輔の彼女だって子とお話したよ。私、あの子苦手かも」


今日も、一日の出来事を話す。


「トイレに呼び出されたんだよ、お前が殺したんだろって、本当に怖かったのー」


♪~♪~


もう5時か


「続きはまた明日」


昨日と同じ場所に、


「飴、ここに置いとくね。ばいばい」


また明日ね。




次の日の放課後は雨だった。


「今日ね、全校集会があったの、良輔の彼女さん死んじゃったんだって。良輔を追っかけていったのかなあ。それとも、良輔が連れてっちゃった?」


いつも通り、その日の出来事を話す。


「今日のお弁当にね、私の好きなエリンギが入ってたの。おいしかった~」


♪~♪~


もう5時か


「今日はこれで終わりね~」


いつもの場所に飴を置いて、


「飴、ここに置いとくね」


墓地を出た。





その日、一人の女子高生が公園の階段から落ちて死んだ。


警察は、雨のために足をすべらせたのだろうと、事故と断定した。





読んでいただきありがとうございました!


誤字脱字、おかしな表現など発見されましたら教えてくださると嬉しいです。

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