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おしまいの町に灯りが灯る  作者: 川名真季
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噴水広場の広告塔の四日目

その次の日、学の朝霞台探偵事務所のアルバイトは休みになっていた。午後までの講義とその後のゼミの集まりの予定を聞いたときにすぐさま休みを取ったのだ。三戸里市で怪事件が起こっている今休みを取りたくなかったが、今日は勉強に集中すると決め、できるだけニュースを見ないことにした。





同じ日の午前九時半、三戸里市北部にあるショッピングセンター、トリカモール北三戸里店では店員たちが開店の準備に大忙しだった。定年退職後警備員になった厳つい顔の警備員、長野も既に見回りを始めていた。この店は駅から離れているため、駐車場の面積を多く作っていた。また、店の前には子どもが遊べるように作られた芝生の広場と、コンクリートの床で出来た噴水広場がある。噴水広場には浅いくぼみがいくつかあり、噴水から出た水がそこにたまりミニプールのようになる。そのためその場所ではよく小さな子どもたちが靴を脱いで水遊びをしている光景が見られる。このように広い施設であるため外を全部見回るには結構時間がかかる。


「んっ、なんだあれは」


いつものように駐車場を全部見回り最後に店の前の広場を見回っていた長野は声をあげた。噴水広場を照らす数本の外灯の中の一柱の柱の下に、見慣れぬ物が置いてあったからだ。長野が近づいてみると、外灯にピンクのカーテンが巻き付けてかたまりのようになっている。その上にこの近くに出来るマンションの広告が印刷されたのぼり旗がロープで固定されている。


「ちっ」


どうやらマンションの販売会社に雇われたアルバイトの仕業らしいと考えた長野は舌打ちした。販売会社に苦情を言うのはとりあえず後回しにして、今はこのカーテンとのぼり旗を片付けようと、警備員の牧田に電話した。


牧田と二人で開店前にこの宣伝物を片付けようと、急いで旗をロープから引き抜きロープを切って、ピンクのカーテンのかたまりを剥いでいく。


「うわっ!」


長野と牧田は慌てて後ろに飛び退くと恐る恐るピンクのカーテンから出て来た物を見た。それは目をかっと見開いた顔の男の姿だった。









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