6話
ぼんやりとした意識が暗闇に飲まれたと意識した瞬間ぼんやりと意識が戻った
目を開けて見ると洞窟だと思っていた場所が一変して王宮?の謁見の間?らしき場所に変わっていた
らしきってのは王宮も謁見の間も見たことがないから。
「ん、夢か」
明晰夢はたまに見るけど王宮ははじめてだなぁ
「おい、小僧」
ん?なんか変なおっさんが玉座に座ってんな
「小僧!」
うるさいおっさんだな
「聞こえんのか小僧!」
「あ、はいなんですか」
おっさんは真紅の袈裟懸けと王冠を身につけ真鍮と鉄かニッケルでできたような指輪をしている
年齢はまぁじいさんとおっさんの中間ぐらいで厳しい(いかめしい)顔をしている
「やる」
「……?」
だから、やる!」
「は、はぁ」
おっさんは厳しい顔のまま指にはめていた指輪を差し出す
「ありがとうございます?」
夢の中でこんなものもらってもなぁと思いながらも受け取らないとうるさそうなので受け取って自分の人差し指にはめる
あ、はい。
「あの、サイズあわないんですk・・・・」
指を見ながらそこまで言うと指輪のサイズが自然に自分の人差し指にあうように調整された
「………。」
まぁ夢ですしおすし。
「後は好きにせぃ」
そう言っておっさんは霧のように消えていったと思ったけど消えたのはおっさんだけじゃなくて空間ごと消えていくようだった
目が覚めるのか。
「ん、やっぱり夢だったな」
目を開けると元いた洞窟の中だった
狼さんもいる
そしてふと指を見ると人差し指に見慣れない真鍮とニッケルでできたような指輪が
「え?」
もう一度見る
「なんでやねん」
指輪は消えていない
昔子供の頃にやったゲームのイベントの銀の手は消えない!ってやつのようだなーと思いながら指輪をなでていると
『どうした?』
ん?辺りを見回す
『どうしたと言っているのだ小童』
また見回す
『ええい!』
カプ
何故か狼さんに頭を甘噛みされた
・・・・・・・・・・・・・・・
狼さんと目が合う
『何かあったのか?小童』
「!?」
「えっと、おおかみさんがしゃべってんのかな?」
『我以外にはおらぬであろう』
「ひとのことばしゃべれたの?」
『む、小童、ヌシは我の言葉がわかるのか?我は人の言葉など喋っておらぬぞ』
「え・・・・。」
そして考える事を放棄した。
たぶん指輪のおかげだろ(適当)
「とりあえず、いしそつうできるようになってたすかった」
「おおかみさん、たすけてくれてありがとう」
『んむ、我も小童と意思疎通できるようになったのは僥倖と言えよう、人の子とすごした事などないからな、だがまだ夜も遅い人の子は寝る事によって育つという朝まで今しばらく時間があるそれまで寝るがよかろう』
そだねまだ眠いや
「おおかみさんおやすみ」
『あぁおやすみ小童』