プロローグ
初の連載系。カスでナスでバスな話
20:21
空港は楽しそうにしている家族でうめつくされていた。
そのうちに私の家族も含まれていたが、今では笑顔一つ見当たらない。
「お前に頼むことは一つ。刑務所にぶち込められたフィルって奴を引っ張り出してこい。嫌がった場合はピザを一切れもしくは鉛をプレゼントしてやれば自分からでも出てくるはずだ」
何の話だろうか。
「ところで、さっきから後ろで心配そうにしている奴らは誰だ?兄弟か?多いな」
「いやあれは家族で…そもそもあなた誰ですか」
「おいおい冗談キツイな。極度のアルツハイマーか?とにかく、頼んだぜ」
…話を聞こうとしない。誰なんだよ?私は家族と旅行に行きたいんだ。
「オイ。さっさと行きやがれ。でなきゃケツに弾丸突っ込むぞ?ケビン」
ハァ?ケビン?私はジョンだっての。死なすぞコイツ(本音
「人違いと思うんですけど」
「ハ?オレ様が間違う訳ないだろ。二桁の足し算なんか暗算でできるんだぞ?」
うっわ。相当頭悪いなこれ(本音
「私はジョンです。ケビンじゃな…」
ががががががが!
うわっ銃声!?
「撃つなんてあんまりドゥ!」
「ワリぃ電話だ。ちょっと待ってろ」
なんだ、携帯の着信音か…
赤いスーツを着た男は赤い携帯を懐から取り出すと小声で会話を始めた。
「…あぁ、アラン。ちゃんとケビンを捕まえたぞ。逃げそうだったが鉄の筒を向けたら着いて来たぜ。……あぁ。間違いない。約束どおり赤いシャツだったし、でっかいバッグも持ってた。……あぁまてよ、何故か家族も同行だった。きっとサツを欺く為だろう。キレたやつだな、イカすぜ」
あぁ…長引きそうだな…家族には悪いが、先に日本に行っててもらおうか。離陸まで近い。
23:50
「…マズった…」
ようやく理解してくれたようだ。説明に時間がかかった…
「しかし聞いた以上、協力してもらおうか」
…オイオイ、勝手に喋ったのはアンタだろ?
「それは勘弁してくれ。家族を待たせてるんだ。日本にいる」
「…嫌か」
「悪いが」
「…なら」
男は赤い斧を取り出した。
「これは消化用斧だ。意味がわかるか?」
「あ、あぁ…」
斧は鋭く、蛍光灯の光が反射していた。
場所が待合室だった為、助けも呼べない。
「お前は今からオレが満足する言葉を口にしないとならない。…協力するかい?」
「わかったわかった。わかったから私を解放してくれないか」
男は目をゆっくり閉じ、首を横に振った。
「それは無理だ。今から協力してもらうんだからな」
Hahaha。最高の休日になりそうだ。