暗い希望
これは...メモ?
本から落ちた紙はメモ帳サイズの小さい紙。
裏にはインクが滲んでいる。
どうであろうと、拾わない理由は特に無い。
拾って本に戻して、おわり。
けれど、腰を屈め、指で摘むだけ。たったそれだけ。それだけの事が、出来ない。
どのくらい経っただろう。
しばらく呆然としていた。
本を閉じ、床に落ちたメモを見ながら彫刻のように固まる私は、酷く滑稽だったろう。
お姉ちゃんの虚ろな目がこちらを見つめている。
お姉ちゃんの苦しそうな喘ぎ声が耳に残る。
"解放"
...お姉ちゃんを救わなきゃ。
お姉ちゃんをこんな事にした社会から。
お姉ちゃんをあんな状態で放置する奴らから。
狂ってしまった肉塊から。
私は、メモを拾いあげる。
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蘇遺会 藤有ビル B2F 8/12 19:00〜
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メモには、短く、簡潔に、場所と日時が書かれていた。
蘇遺会...
分かっている。
こんなの、ろくでもない組織である可能性の方が高い。
しかも、何があるか分からない。私の思ってるような組織では無いかもしれない。
それでも、こんな図書館にある本には載っていない何かが、そこにはあるかもしれない。
行く価値はある。
私は、スマホを取り出し写真に撮ると、メモを見ていないフリをしながら本に挟んだ。
震えた手で本を棚に戻す。
胸は暗い希望に包まれ穏やかだった。
短くなりましたが3話目です!
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処女作でまだまだ初心者なので、暖かく見守ってくだされば嬉しいです( * ॑꒳ ॑*)




