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第283卷 これは男女が協力しなければ生き残れない異世界です
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その後、イギリス総督が「一つの国を借りるのではなく、一人の宦官を借りたい」と言い出しました。そして、その借りたい宦官というのが、なんとお腹の中にいる私だったのです。まさか自分がそんな状況になるなんて思いもしませんでした。私は今、お腹の中にいるのに、一体いつになったら借りられるのでしょうか?
さらに総督は、「できれば今すぐにでもその宦官を借りたい」と言い出しました。これには本当に困ってしまいました。そこで私はこう言いました。「借りるなんてやめて、いっそのこと、領土を割譲するみたいにその宦官を割譲してしまえばどうですか?」と。どうせ私は宦官としてすでに器官を“割譲”されているのだから、と冗談半分に言ったのです。
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