第四話
ルナちゃんとのデートが終わり、翌日が来た。今日は午前中学校があり、その後アルバイトとなっている。朝一で出て、家に帰るのは夜の11時ぐらいか。そうなると、ルナちゃんと連絡も取れないだろうなぁ・・・
「おは~」
「おはよ」
「うぃ~」
学校につくと、すでに教室に入っていた友人数名がパソコンを開いていた。軽くゲームをしている彼らは、俺の挨拶を適当に流しているが、ちらりとこっちを見ているのでまあいつも通りか。それにしても、こいつらめっちゃ集中してんな。
「何やってんの?」
「スト6」
「まじ?今3人でやってんなら俺も参加可能か?」
「いいんじゃね?」
「やろ~ぜ~」
ノートパソコンを開き、ゲームを起動する。軽く練習をして友達の作ったルームに入ると、授業開始時間までひたすらにゲーム!中学、高校ではできなかったがやっぱりこういうことができるのは専門学校のいいところ・・・と言えるだろう。わちゃわちゃとゲームをしていると徐々にクラスに人が増えていく。いつも遊んでいるメンツもだいぶ増えてきたが、まだ何人かいないな。寝坊か?
「あ、教科書忘れた」
「馬鹿っで~」
「おだまり!お前の教科書を貸すんだよ!」
「やめい!」
隣の席の宇城が俺のバックをあさり、勝手に教科書を取ろうとするのでとっさに奪い返す。こいつら、まだ一年ぐらいの仲なのにもう遠慮というものがなくなってきている。まあ、一緒に飯に行ったり、ゲームしに行ったりと結構いろんなことをしているのでお互いある程度距離感がつかめているので気にもしないが。
「普通に見せてやるから勝手にとるな馬鹿垂れ」
「え~。お前別に教科書見なくても成績いいじゃん。なら!成績悪いやつに教科書を貸すべきだと思います!」
「自分で自分のこと馬鹿って言ってるようなもんじゃん。いいの?」
「いいの!」
男のウインクなどダレトクなのだろう。イラっと来たので脳天にそこそこのチョップを落とす。まあ、一応隣の席なので教科書を見せるのだが、まじでこいつ遠慮がない。
「なあ、これってどういうこと?」
「ん?ああ、ここな・・・」
俺は決して不真面目ではない。どちらかと言えばまじめである。成績も結構いい点とれてるし、課題もそこそこいい評価をもらっている。ちなみにこいつは結構ぎりぎり。この前も課題提出前日に内容を教えてくれというバカみたいな連絡が着て呆れていた。
「オオバミ、今日この後夜までみんなでカラオケいかね?」
「わりい、今日アルバイトだわ」
「はぁ・・・つまりオッケーってことね?」
「僕アルバイト!!僕アルバイトあるのぉぉぉ!」
「うるさ」
マジでこいつ・・・
「何?今日オオバミアルバイトなの?」
「残念ながら。カラオケ参加できなくて悪かったな」
「いや、俺もバイトだからいけねぇよ」
近くの席に座っているほかの友人の一人、藤木が声をかけてきていた。こいつは夜勤を入れていたと言っていたな。夜勤か・・・さすがに俺はやる気にならないな。
「あへぇ?藤木もバイト?」
「あのなあ宇城、俺たちはお前みたいに暇じゃねぇんだよ。金稼がなきゃならねぇの」
「俺もまあ、金は稼げるときに稼ぎたいからな。明日はないからそこで行かねぇ?」
「お、いいな。明日なら俺もバイトないから行こうぜ」
「いいねぇ~」
授業がない時間は適当にゲームをするか、コンビニに行っておやつを買ったりするが、今日はどうしようかな~
「オオバミ!スト6開け!てめぇ朝はよくもやってくれたよなぁ!ボコす!」
「うっさい。わかったら、さっさと部屋開けよ」
朝一緒にスト6をやった友人の一人、三宅が大声で俺に挑んできた。俺はそこそこ長い時間プレイしているおかげで経験が多いため、少し後から始めた三宅よりはうまいはずだ。時々負けるけど。それでも、お互い一緒にプレイする時間が長いため手の内を知りすぎて殆ど人読みのプレイをしている。まあ、勝率で言えば俺のほうが高いんだけどね。
「くっそ!投げんなぁ!」
俺のつかみに反応できなかった三宅が大声をあげる。そして、そのまま俺の勝利。
「今の上手いな」
「そう?」
「いや、普通にオオバミの反応速度早くね?インパクト返しとか、俺全然できないんだけど?」
「そりゃ、慣れだろ。何回もランク戦で揉まれたらできるようになった。その代わりめっちゃキツイケド」
「ランク戦ねぇ。やりたくねぇが、強くなるためにゃしかたなし、か」
今のランクはプラチナ。別にガチってるわけではないが、ちょくちょくやってランクを上げている。そんな話をしているうちに、スマホに連絡が来た。なんだ?親か?
『オオバミさん!これ、今日のお昼御飯です!自分で作りました!』
という連絡とともにお弁当の写真が送られてくる。うまそうだなぁと思っていると、少ししてもう一本連絡が入る。
『今度作るので、食べてみてほしいです!』
『ぜひお願いしたいよ!すごくおいしそうだね!』
さて、俺は今、めっちゃスマホを隠しながら連絡をしている。なぜかって?クラスのやつらに彼女ができた。そのうえで実は中学生だってばれたら・・・どんないじられ方するかわからないし、こんな奴らをルナちゃんと引き合わせるわけにはいかない。教育に悪すぎる。
っていうか、今の中学生って学校にスマホ持っていけるのか?それと、給食じゃないの?と思っていると、少しして風景の写真が送られてくる。すごいきれいな山と平原。どこかに出かけているのか?
『今、校外学習中なんです。もう少ししたら先生が来ちゃうので、連絡はまた夜にしてもいいですか?』
『ごめん、夜はバイトなんだ。時間的にルナちゃんが寝ちゃう時間だと思うから、連絡はできないかも。もし何かあったら明日は暇だからその時でも良い?』
『わかりました!バイト頑張ってください!』
良い子だ。ほんと、俺にはもったいないぐらいに。さて、ルナちゃんのお弁当がもらえると確定したおかげか、俺は今気分がいい。三宅をぼこぼこにして昼飯としますか。
「オオバミ、誰と連絡してたの?」
「家族。それより、この一本終わったら昼飯行こう」
「いいぜ!ボコす!」
結果として、俺は一本パーフェクト勝利、もう一本も結構な大差で勝利した。三宅は台パンしていたが、普通に昼飯についてきたのでノリだったんだろう。
もう少ししたら春休みだし、先生曰く今のクラスから変更があるらしい。ほかのクラスを少し見たことがあるが、少し・・・いや、結構頭のおかしそうなやつもいる。なんていうか、人の話聞かなかったりずっと何かをうわ言のように言っていたり。なるべくかかわりたくないやつもいるが、社会に出てそう言ったわがままは通用しない。アルバイトである程度人のいなし方は知ったので、頑張るつもりだがそれでも今のクラスで得た友人と別れるのは少し悲しいな。
「んあ、わりぃ少し電話」
「行ってら」
宇城がスマホ片手に席を外す。さて、俺たちは普段は仲がいい。が、あいつは(隠している俺を除いて)彼女がいる。そして、この前写真を見たらかわいい系の女の子だった。それを知った藤木や三宅は発狂していたが、今は・・・
「よし、あいつの飯食うぞ」
「任せろ!まだ腹が減ってんだ!」
うん、殺意マシマシっぽい。まだ半分ぐらい残っているパスタを二人が取り合っている。マジで醜いな・・・俺はもともと誰がどんな子と付き合おうが気にしないタイプだったのでそこまでだったのだが、二人は嫉妬に飲み込まれてしまったのだろう。今も宇城は彼女との電話だと思われるので、戻ってきた時の反応が楽しみだ。
「わりぃ、ちょっと長話が・・・っておめぇら何やってんだ!八倒すぞ!」
「ごち。おいしかったわ」
「いやぁ、彼女とイチャコラしてるのを見せられた分、返してもらったぜ」
「おまえら・・・俺まだ半分しか食ってないんだぞ!」
「落ち着けって。ほら、俺の少しやるから」
「俺も」
そういって差し出したのは、藤木はステーキプレートのブロッコリー。三宅はセットのサラダの上に載っていたミニトマト二つだった。
「ふざけんな!」
「じょーだんじょーだん。ほれ、ステーキ二切れやるからよ」
「俺も、ほれハンバーグ少し」
なんだかんだ言ってこいつらは口喧嘩までで収める。まあ、これぐらいのほうがありがたい。もしガチ喧嘩が始まったら止めるのは俺の仕事だ。
「ってか、オオバミはなんか言わなかったのかよ」
「いや、お前が彼女作ったって言った時のこいつらの反応覚えてるか?荒れてたろ?さっきのこいつらもそんな感じでねぇ。俺は見守ることしかできなかったよ」
「止めろよ!」
「無理」
わちゃわちゃと時間が過ぎると、会計を済まし教室に戻る。そのまま授業が終わり、アルバイトへと向かう。
さて、午前中はみんなで楽しく授業をしていたが、今からは覚悟を決めなくては。今日は平日。仕事終わりの人たちが晩御飯を買いに来たりするので結構人が多い。閉店間近まで居残るやつもいるし、何かにつけて文句をしてくる奴もいる。
「いらっしゃいませ~」
「・・・・・・」
「○○円になります」
「・・・・・・」
「ありがとうございました~」
笑顔は絶やさない。若干口が引きつりそうになるけど、気にしたら負けだ。さて、そんな感じでレジを打っていると、見覚えのある顔が近づいてくる。
「いら・・・しゃいませ~」
「お願いします!」
ルナちゃんがジュースをもってきていた。時間的にはまあ、大丈夫か。にしても校外学習で疲れただろうに、この子の行動力は見習うべきだな。俺にはないものだ。
「こんな時間に飲んだらダメだからね。虫歯になったらいやでしょ?」
「うん!明日飲むように買うんだ。オオバミさんも頑張ってね!」
「はい。ありがとうございました」
慣れた手つきでジュースにシールを張ると、そのままルナちゃんは店を出て行った。後ろに並んでいたお客さんは若干探るような目つきをしているが、関わりのない人間のことにそこまで首を突っ込もうとする人はあまりいないだろう。この人もそうなのか、すぐに気にしないと言わんばかりにスマホをいじりだす。会計中にスマホをいじるな!電子決済でもないのならなおさらだ!わかりづらい!
これで、俺の一日は終わった。普通に充実しているし、楽しい一日だ。これにルナちゃんという花が加わるのだから、俺って幸せ者なんだなぁ・・・晩飯なんだろう。
本日からここには自分が体験した嫌なお客さんの行動を書いていこうと思います。
最初のお客さんはこちら。「会計中スマホで動画見てる客」
結構いるんですよねぇこれが。上でオオバミ君が対応した客の中にもいますが、イヤホンをつけたまま動画見てる人って一定数いるんですよ。おかげで「ポイントカードお持ちですか?」と聞くとほぼ確定で聞き返されます。そのうえでイヤホン外さないのでイライラしますねぇ。
更に言えば、最近の支払い方法はスマートフォンにまとめられているのが多いです。Suicaやペイペイ、クイックペイなどはスマートフォンに導入されているものが多いです。それなのに、スマートフォンを触っていながら、支払方法を確認すると現金だなんだと・・・こっちはエスパーじゃねぇんだよ!と内心で叫びながら対応しています。
皆さんはこういった面倒な客にならないでくださいね。 以上、作者の体験談その1でした!