表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レジ打ちに現れた天使  作者: Evanp
2/5

第二話

☆の下はルナちゃん視点です。

人の描写や心情は結構リアルに寄せて書いているつもりです。そのため言葉遣いも「大丈夫」が「ダイジョブ」になっていたりするのですが、これは誤字ではないです。

ただ、普通に誤字してることもあるかと思うので気になった方はコメントで指摘してください。

 ルナちゃんに告白された翌日。日曜日なのでゆっくりしていようと思ったが、今のうちに美容室にでも行って髪を整えようと考え、行きつけの店に向かった。俺のメイン移動方法は自転車なので上り下りを乗り越えていくとまだ列のできていない店が見えてきた。人気なので早めに向かわないと行列ができて昼頃まで待つことになるので早めに出たのだが・・・ちょっと早すぎた。


 スマホを開き小説を読んで時間をつぶす。少ししたら客が増え始め、開店時間5分前には相当な列ができていた。少しして店の扉が開く。『カットでお願いします』というとそのままカット用の席に連れられる。この店に通い始めてもう3年になるだろうか。すでに何人かの店員さんとは顔見知りであり、普通に話すことができる。


「オオバミ君、今日はどんな感じにする?」

「ん~、さっぱりさせたいんですけど、そうだなぁ」


 店長さんがカットをしてくれることになった。後ろで色々準備をしているが、その合間で俺の要望を聞いてくれている。


「後ろは刈り上げてもらって、前髪も少し短めにお願いします」

「わかりました。にしてもだいぶ伸びたねぇ」

「前に来たのが2か月ぐらい前ですからね。普通に髪が伸びるのが早いからなるべく早く来たかったんですけど、年末年始忙しくて」

「何かあったの?」


 そんな感じで日常会話を始める。バリカンの音やハサミの音が心地よく、朝早くに起きたため途中で眠気に襲われるが我慢する。少しして会話が途切れるが、俺は少し考えて会話を改めて始めた。


「店長さんって彼女います?」

「え?結婚してるよ?」

「そうだったんですか!?って指輪してるし・・・」


 こういった会話はしたことなかったので知らなかった・・・店長は結構厳ついバイクに乗ってくる厳つい感じの人だ。怖い人ではないが、ぱっと見で一瞬ビビられるぐらいには強面?というか、なんというか。でも結婚してると言われても違和感はない。


「いきなりどうしたの?」

「いや、その・・・ここに来た理由でもあるんですけど、つい昨日告白されまして、お付き合いする人ができたんですよ」

「おお!オオバミ君も隅に置けないねぇ!相手はどんな子?」


 普段の会話以上に声が弾んでいる。楽しそうだなぁと思うが俺もこんな会話振られたら楽しくなるかもしれないししょうがないか。


「それが、めっちゃ可愛い子なんですよ。清楚系?っていうんですかね。」

「へぇ、そんな子に告白されたのか。まあ、オオバミ君優しいしそういう子に好かれるのも不思議じゃねぇな。で?見た目はどうなのよ?」

「可愛いですよ。そこまで身長はないですけど、そこがいいですね。あと、スタイルよさそうでした。」

「よさそうでした?てか、オオバミ君とその彼女さんはどういう関係なの?」

「昨日の夜初めてちゃんと話しましたよ。向こうはバイト先の客としてきてくれていて、そこで俺の事知ってくれてたみたいです。ただ、俺はあんまりその子のこと知らなくて・・・」


 それから少し、店長にルナちゃんのことを話していると、不意に思い出したかのような反応をしてファッション雑誌の置いてある棚のほうに向かっていった。すでにだいぶ神は整えられており、もう少しで終わりかなってところだったのだが、どうしたのだろうか?


「これこれ、ずっと前からオオバミ君に似合いそうだなって思ってたんだよ。どう?この感じにしてみない?」

「これは・・・似合います?正直顔がいいから似合っているって感じですよ?」


 雑誌には有名なモデルが決めたポーズで映っているのだが、その髪型は果たして俺に似合うのだろうか?髪型にもいくつかあるが、物によってはイケメンだから似合うのであって一般人が似合うかどうかと問われると少し不安が募る。


「いやいや、オオバミ君なら似合うって!君は素は結構いいんだから、しっかり整えれば普通に女の子に声かけられるようになるって!」

「いや、彼女出来たのに声かけられたらダメでしょ!でも・・・変わるチャンスではあるのか」

「そうそう!いつもおんなじ髪型に切るのも少し飽きてきてさ!オオバミ君、どうする!」

「そういうことなら・・・わかりました。お願いします!」


 正直に言えば、髪のセットや身だしなみを整えるのは面倒くさい。いつもなら軽く水で濡らしたりするぐらいだが、この髪型にするにはワックスやらなんやらを使うことになるだろう。ワックスは髪がべたつく感覚がするので嫌なのだが、ルナちゃんの隣に立つならそこらへんもしっかり整えるべきなのだろう。あとは髭か。二日に一回剃るぐらいだったが、これからは毎日剃ろう。肌が弱いため剃刀負けしてしまうのであまりやりたくなかったが、そこらへんも薬局に行って肌を傷つけづらい剃刀を買いに行くか。


「はい!なんか悩んでたようだけど、できたよ!どう?」

「お、おお!すげぇ!」


 そこにいたのは普段のもっさりした髪型の俺ではなく、さっぱりしたさわやかな感じの俺だった。髪型一つでここまで印象が変わるのか。だが、これでかっこいいと言われるかと思うと少し疑問が残る。おれ、かっこいいの?確かに髪型は変わったけど・・・


「そうそう、この髪型、明るい色の服装が似合うから。今みたいな暗めな色だと少し映えないかもね」

「そういうのもあるんですね」

「そう。さ、お会計にしようか。彼女との関係、頑張ってね」

「ありがとうございます!」


 そのままお金を払い店を出る。近くに薬局があるので早速向かうと、結構いろんな種類の髭剃りやそれに使うジェルなどが並んでいた。いろいろ見て回ると、そこそこの値段はするが人気ナンバーワンと書かれており、そのセットを買うことにした。家に帰ったらさっそく使ってみよう。



 自転車をこぎ家に帰る。テレビを見ていた母親が俺の髪をみて驚いている。


「あんただいぶカッコよくなったじゃん!どうしたの?」

「ああ、少しね。店長さんと話してたらこんなの似合うんじゃない?って言われて、その流れでやってもらったんだ。」

「店長さんに感謝だね!」


 さて、話をそこそこに俺は買ったばかりの髭剃りセットをもって洗面台に向かう。ジェルを使ってから髭剃りを使うと、いつもより確かに剃りやすかった。が、やはり俺の肌は弱いようで、若干引っ掛かる感覚がした。ここら辺はほかのものも試してみるしかないか。そんな風に考えていると、スマホが鳴った。


『おはようございます!』


 それはルナちゃんからのラインの通知だった。時間はもう昼前だが、ルナちゃんは今起きたのだろうか?


『おはよう。今日はゆっくりだったの?』

『はい。昨日オオバミさんに告白して、オッケーしてもらって、興奮してなかなか眠れなくて・・・』


 かわいいなぁ。こんな子が俺に告白してくれたなんて今でも信じられない。


『今日はこのままお家でゆっくりすることにしたんです!』

『いいね。俺はこの後少しゲームでもしようかなって思ってるよ』

『何のゲームをするんですか?』


 などなど、他愛もない会話を続ける。正直通話をつないでもいいと思うのだが、なんとなく、メッセージのほうが続く気がした。なんというか、女の子と会話する機会が少ないのに、電話なんて言う至近距離で声が聞こえるものを俺が耐えられるかどうか・・・

今通っている学校がほとんど男子ばかりのせいで女子とのかかわりが少ない。中学、高校は共学だが、それでも女子と深くかかわることも少なかった。


『あ、お母さんに呼ばれたので失礼します!また連絡してもいいですか?』

『俺の時間が空いてるときならいつでもいいよ』


 そうして、ルナちゃんとの連絡が終わった。俺と付き合えて喜んでくれてるのはありがたいが、あの子の期待を裏切るようなことはしたくない。頑張ってデートの準備しないとな・・・

 後で本屋でファッション雑誌買ってこよ。





 は~、緊張した!

 昨日の告白もそうだけど、日常会話ちゃんとできてたよね?変なこと送ってないかな?


「ルナ~、何ニヤニヤしてるの?」

「聞いてよ!この前に話してたお兄さんいるでしょ?」

「あそこのスーパーのお兄さんの話?かっこいいとか優しいとか言ってた」

「そう!昨日告白したの!」

「あら、どうだったの?」

「オッケーもらった!今その人と連絡してたんだ!」


 おっとりしたお母さんは料理をしながら私の話を聞いてくれる。告白する前、なんだったら2か月ぐらい前かな?それぐらいにオオバミさんを見つけて以来、オオバミさんがシフトの入っている日を見つけて毎回店に通っていた。ただ、お客さんの多い日もあるため毎回オオバミさんのレジを通ることはできなかった。だから、昨日は幸いだった。まさかあんなにお客さんが少ないとは思わなかったし、心の中の私が『いまだ!』って言っていた。それに従い勢いで告白してしまったが、それがよかった。


「でもあなた、相手の子、名前はなんていうのかしら?」

「オオバミさんだよ!」

「オオバミ君はアルバイトもできるぐらいだし高校生ぐらいかしら?」

「ううん、専門学生で次の誕生日で20歳だって!」


 普通の家だとこういった年齢差は障害になるだろう。親からは反対され、周りからも『え~』みたいな反応を受ける。が、お母さんは違う。


「あら、なら大体6,7歳ぐらいかしら。そこまで離れてないわね。じゃあお母さんからアドバイス。ぐいぐい行きなさい。相手が引いたらこっちが押すの。そうすれば、私たちぐらい毎日仲良くなれるわよ」

「うん!頑張る!」


 お母さんとお父さんは仲がいい。毎朝行ってきますのキスをしたり、帰ってきたらハグをする。私がいることを忘れてイチャイチャしだすのは少し驚きだけど、毎日のことだし慣れちゃった。

 ただ、なぜ年齢差に意見を出さないのか。それは、二人の年齢差にある。私とオオバミさんが誕生日の日にちによるけど大体6、7歳の差がある。ただ、お母さんとお父さんの年齢差は私たちを大きく超えている。その差10歳。確か、お母さんが14歳の時、24歳のお父さんに恋をして猛烈アタックをしたという。だからなのかな、私も年上の人に恋をしてしまった。


「あ、そうだお母さん。あとで服買いに行きたい!デート用の!」

「いいわねぇ。私もお父さんとのデート用の服を買いたかったのよ。この用意終わったら行きましょうか」

「やった~!」


 デートを成功させる!行く先も決まってるし、オオバミさんの好きそうなものも大体予想はついている。さっきのメッセージのやり取りでもゲームやアニメ、マンガの話は出てきている。私も最近の作品については結構知ってるし、ゲームも少しやっている。


「ふっふっふ!オオバミさん!楽しみにしててくださいね!」

「あんまり大きな声は出さないでね~」

「ごめんなさい!」


次はいきなりデート回です。

あと、ブックマークやらなんやらしてくださるとありがたいです

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ