表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鈴音  作者: R a bit
皆が忘れた物語
30/57

番外1、塵埃舞う仁愛

正直自分でも思うんですよ

これ、万人受け絶対しねぇなぁって

自分が書きたい話はまだまだ先なので頑張ります

少し昔の話をしよう。

夏の国国立魔導学園初等部に、100年に一人と言われる程の天才が二人居た。

一人は夏の国でも地位の高い穂叢ほむら家の長女。

もう一人は上名を持たない、一般家系の子供だった。

実技でも座学でも、ことテストとなれば一位と二位には必ず

穂叢円火ほむらまどかと凛の名前が刻まれていた。

しかし、男性は女性より筋肉が付きやすい代わりに、女性より魔力量や魔力構築の効率や出力に劣る。

二人の差は生物学的な壁と血筋による才能の壁によって、徐々に大きくなるのだった。

12歳、中等部に上がる頃には凛は落ちぶれてしまっていた。

これは12歳の潰された青年と新たな師となる人物との馴れ初め

である。


凡そ1kmの帰路に付き、凛は一人夏の国特有の暑さにより蜃気楼だか陽炎だかで揺らめく道を歩いていた。

そんな少年を通りがかる人が見つめては不審な顔で足早に去る。

彼は怒り心頭といった表情で、泣いていた。

涙が溢れると言うより、涙をあえて零すように。

今日は彼ら学生にとって大きな意味を持つ日だった。

夏の国国立魔導学園中等部の一学期末試験の日。

彼は初等部からの因縁の相手であり、ライバルの穂叢円火に初めて手も足も出せず負けたのだった。

「君、大丈夫かい?」

優しそうな男性が声を掛けるも今の彼には聞こえない。

鼻を啜る音やしゃっくり、心臓の音は彼の人生史上最大であった。

一歩一歩、重々しく地面を踏みしめる凛を追いかけるほど、周囲の人間は優しくなかった。

小さな個人経営の店が立ち並ぶ道に入り、凛は彼女に出会った。

時代にそぐわない和服の袖と、長く艶のある髪を靡かせる女性

刀を腰に挿し、歩くたびに金属音とアクセサリーとして付いている鈴の音がする。

泣きっ面に華とでも言おう出来事に、

その美しい女性に、

凛は自分が泣いている事すら忘れる程、彼女に魅せられていた。

ふと目が合う。

しかし、自分より長くこの道を歩く人間として

恐らく彼女がこちらを見る事に大した意味は無かった。

それでも、それでいて余る程

凛はその日の彼女の姿を生涯忘れることは出来ないのだろう。

靴だけは現代的な物を履いているようで、彼女は特に足音も無く凛の横を通る。

下品な話、彼が自分の事を男だと認識したのもまたこの瞬間だった。


制服からラフな格好に着替え、凛はいつもの場所へと向かった。

水面を大量の水が打ち付ける音が近づく。

「おはよう、師匠。今日も五月蝿ぇな。」

いつもの挨拶を済ませ、滝壺へと正確にはそこにある巨大な岩へと進んだ。

自分がいったい何人いれば同じ質量を持つのかわからない程大きな岩で一秒に一回スクワットをする。

初等部の四年生辺りから始めたこのルーティン。

記録は徐々に伸びるも未だ二十回にも至らない。

身体強化アビリティア。」

魔力を体に循環させ、単純な強化を行い、

岩を持ち上げ、そのままスクワットを始める。

岩も勿論だが、その上滝の落下する水の力も侮れない。

始めたては岩を持ち上げる事すらできなかった事を考えれば、

これでも成長したのだろう。

それでも、円火には勝てなかった。

そう思えばきついよりも悔しいが勝ってしまう。

汗と同じくらい涙を流し、全身ビシャビシャになってしまった。

それが災いし、濡れた足下が滑り岩から手を離してしまった。

あ、これ死ぬやつだ。

そう思うときにはもう遅

「随分無茶な事をしているな。自殺希望なのか?」

俺が身体強化を使い、両手で持ち上げる岩を

目の前にいる女性は片手で軽々と持ち上げている。

死の淵を体験し、気が動転仕掛けている中でも、彼の頭にはその女性が誰なのか明確に頭に浮かんだ。

「危なっかしく見え、後を追って良かったよ。」

道には迷ってしまった故、少し遅れかけたがな。

と付け加え、彼女は俺の側に座った。

「何故そんな事をする?君の齢で其れ程までの力が有れば、苦労する事も無いだろう?」

さっきの腕力を見せられては、それも皮肉のように聞こえた。

「答える気が無いのか、或いは未だ意識が鮮明では無いか?」

「勝たなきゃいけないんです…」

振り絞って出した声は何とも情けなかった。

「俺は…あいつに…勝たなきゃ」

「復讐か?」

そんな自分を肯定できる理由があればなんと幸せな事か。

「ただの、()()です。」

そう、只の約束。

契約なんて堅苦しいものではなく、

呪いなんておどろおどろしいものでもなく、

子供がするような、実際に子供同士の幼稚な約束だ。

「君は、其の約束の為に何をしている。」

「何をって言われても…」

大分喉が楽に声を発するようになってきた。

「努力としか。」

「今はそう思えば良い。何時か自分の過ちに気づく時が来る。」

全てを知っているかのように、いや既に知っているかのように

目の前の女性は冷たい目と、これから怪談でも話し出すのではと思うほど冷ややかで、重い声を俺に贈る。

それでも

俺があの約束を過ちだと思うには、この世界の俺は少し頑固者過ぎた。

「そうだな。その時が来るまで、私が手助けしてやっても良い。」

当時の俺は知りもしなかったが、世界最高戦力である夢幻と出会ったとはいえ、それから俺の人生が大きく変わることは無かった。

強いて言うなら時々手合わせをするようになって

その度に気絶をして

中等部ではついに円火と成績が並び始めて

あとは、そうだな夢幻さんが時々家に泊まるようになったり

バーンライト先輩、ウィンド先輩、ナイト先輩と知り合って

氷璃ひょうりと出会った。

成績も円火と俺と氷璃が三位までを独占して

そして、

光璃こうり!光璃!」

雨?

嗚呼違えや、涙だ。

ヌルっとして、なんか温かくて、赤いし、生臭いし

でも血の訳が無い。

俺は怪我なんてしてない。

だって、さっきまで氷璃と光璃と

…なんで氷璃はずっと光璃の名前呼んでんだ?

なんでだっけ?

もう、忘れたな。

こういうの現実逃避って言うんだろうな。

下は見たくない。

前向きに生きるのをここまで正しくないと感じたことは無い。

見たら認めてしまうから。

それが間違ってないって、だから何も聞きたくない見たくない

「凛…ーーーーー。」

涙はもう乾いたみたいだ。

俺がそれを観測してしまったのは、氷璃が立ち上がったからだ

氷璃の弟である光璃のまだ幼い少年の

安らかに目を閉じた生首を

ちこっと小話のコーナー

確か前々回(こっち書くの久しぶりで忘れかけ)で

凛と円火がしりとりしながら詠唱するシーンが有ったと思うんですよ。あれ意味ないんじゃ無い?って読んだら絶対思われるなぁと時々刻々と想起いたしまして

解説すると、見張りがマイク付きのイヤホンで雷同と繋がってるんですけど

当たり前ですがあれ常に繋がってないんですよ。

だからあえて変な行動をして雷同に報告させようとトランシーバー機能を使用させて、「今からそこ行くからな?」っていう意思表示の為と、生徒会に所属してる円火を詠唱に巻き込む事で凛と雷同の契約を突破する為です

ようはこれを説明しようとすると、見張りの視点を書く必要がありまして、漫画なら簡単なんですけど

(なんだあいつら?一応不破に伝えておくか?)

みたいな心の声書いても、それが誰かも分かり難いってことでちょいわかりにくくなりました。

以上ちこっと小話のコーナーでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ