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鈴音  作者: R a bit
皆が忘れた物語
26/57

No.1'熱血漢

もし先にNo.7から見始めた場合、ん?って思ったら読み直すことを推奨します。

No.1から見始めた場合、途中からNo.7に行くことは推奨いたしません。

ただこれが初めて書いたもののため、No.7の方は今のこの文章より酷いのでそこは覚悟して見てください。

「で、あるからして〜」

いくら国が直轄で管理している学校とはいえ、入学式の校長の話はつまらなく、ポツポツと話し声が聞こえる。

「なぁ、いつ終わるんだろうな。これ。」

横から俺に話しかけた人物

「早く実技やりたくてしょうがねぇよ。」

ニッコニコの笑顔で闘争心を髪色と同様に燃やす青年。

灰頭はいのこうべ紅蓮ぐれんは俺の忠告を無視して未だ交流を求めている。

「お前さ、いくら俺が何したか知らなくても、躊躇なく人を燃やせるような奴の事、怖くないのか?」

戦闘狂でもなければ、紅蓮は上名もある。

灰頭という名は聞いたことないが、恐らく春の国の家系だ。

最近は夏の国に引っ張られ実力主義の考えが浮き彫りになっているが、それでも四季国では一番平和な国のはずだ。

「まぁ、最初はびっくりしたけどよ。詠唱も魔法陣も確認せず魔法を使う実力見ちまったら、燃えるだろ?」

「倫理道徳正義がかなり欠如してるな。」

「男は衣食住があれば生きていけるんだぜ?」

「それは皆そうだ。」

本当に不思議な奴だ。突き放すつもりが何故か会話を続けてしまっている。

(いい加減本当のことを言えばいいのに。)

「ん?何か言ったか?」

「何も?」

おかしいな、確かに声が聞こえたのだが。

「技術に惚れたってのもあるけどよ、」

紅蓮は少し照れくさそうにはにかみながら言葉を綴る。

「あれ、魔法で作った幻覚だろ?」

「っ!…」

殆ど当たりだ。確かに俺がりんで燃やしたのは、あいつのナイフだけでそれ以外は基本全て魔術での錯覚だ。

「あぁいや、魔術のがあり得るか。あれだろ?第四階梯魔術の、何だっけ?」

魔酔ますいだ。よく知ってるな。」

魔酔、相手の体内に高濃度の魔力を流し込む事によって脳を麻痺させたり、人工的な信号を送る事ができる。

外気と共に存在するマナ。

それを魔力に変える魔力回路が利き腕にしかなく、それ以外の箇所は魔力に慣れていない人体の構造を利用した術。

難易度の高さ故に知る人も少ない。

「俺は魔法より魔術のが使うからな、名前くらいは知ってる。あと難易度も。」

この魔術の難易度はかなり異常だ。

例えるならランダムに並んだ針の穴に、糸を50cm手前を持ち連続で入れていくような物だ。

「だから気になるんだよ!高難易度の魔術と炎属性の魔法、陰陽両方の特性を持つ魔力に白味掛った水色の髪!全部気になる!!」

正直、こいつは周りの奴らと同じでろくに人のことを見ないと思っていた。もしかしたら、こいつとなら…

「そこ!!!今は入学式の途中だ!私語は控えろ!!!」

全ての単語毎にエクスクラメーションマークが入っているかのような声量で、生徒指導が趣味みたいな強面にサングラスを掛けた男に注意されてしまった。

周りからクスクスと笑い声が聞こえ、目を合わせると途端に前を向き直す。

またこれを三年間か…クラスメイトにあいつがいれば良いんだがな。隔離されるのが妥当だろうな。

そう考えていると、九時間寝たはずなのに不意に逆らいようのない睡魔が襲ってきた。


リーン、リーンと何度も何度もメトロノームのように鳴り響く。

目の前には白髪のどこかで見たことがあるような、中性的な見た目をした人物がいる。

髪が長いし、女性だろうか。

「やぁ、はじめまして。」

白髪の女性は話を続ける。

「唐突で悪いけど、君にやってほしいことがあるんだ。」

鈴のように儚く透き通る声で白髪の女性は佇んでいる。

(君は、だれだ?)

声が音にならず、白く発光する世界に消えていく。

「私の名前は、鈴音。世界の始まり、無の神無音の神体しんたい。」

(無音、世界を創造したとする有の神春と共に発生したとされる神。

概念や願いが神威(しんい)となり、魔法として術式化することで神体となってこの世に存在する。こいつは今、その無音の神体だと言っている。)

「君にやってほしい事、私を追う魔族を代わりに倒してもらいたい。理由は、私の口からでは言えないけど。」

そう言い残して、俺の意識は覚醒した。


「お〜い、大丈夫か?」

近くにいるはずなのに、何故か遠くから聞こえてくるように感じる。

体を動かそうとすると、ガサゴソとシーツが擦れる音がする。どうやらベットに横になってるらしい。

カーテンで隔てられているが木の葉すら貫き、煌煌と光る日光に反射的に目を細めてしまう。

「お、目が覚めたみたいだな。びっくりしたぜ?急にぶっ倒れるんだから。」

うたた寝するくらいかと思っていたが、まさかこんな事になるとは。

「お前が…運んでくれたのか?」

そう尋ねると紅蓮は分かりやすいくらい目を見開いた。

「そうだけど。よくわかったな。」

「俺を運んでくれるような奴なんて、お前含めてあと一人しか思いつかないからな。」

そういえば、今何時だろうか?クラスメイトを確認しておきたいんだが。

「あ!因みに俺とお前、同じクラスだったぜ!やったな。」

「それはまた、因果なもんだ。」

ふと思い出したかのように紅蓮は再度口を開いた。

「なんかよ、俺等と同じクラスの奴らしいんだがよ。」

随分もったいぶった言い方には、何か引っかかるものが有ったのだと容易に想像できた。

「凛の名前を見つけて目茶苦茶喜んでる奴がいたんだよ。赤髪の女だったんだが、知り合いか?」

「ああ、円火まどかの事か。後で紹介するよ。

それと、なんだ?あれだ。」

ありがとう。だなんて前までなら当たり前に言っていたはずのことに、何故か気恥ずかしさを覚えてしまう。

「あれだ、そう!何か礼でもするよ、何が良い?どうせ今日は授業ないだろ?」

「じゃあさ!」

明るすぎる笑顔で紅蓮が言った事は余りにも意外すぎる事だった。


「錬丹!流転!」

ボウッと可視化するほど高濃度の魔力が紅蓮の体から湯気のように漏れ出す。

「があっ!ハァハァ。」

「魔法教えてくれとは言われたが。お前、このレベルでどうやって入学試験合格したんだ?」

保健室で言われた紅蓮の願い、魔法の教授。

正直ここまで重症だとは思わなかった。

紅蓮の魔法技術はそこら辺の初等部の子供より酷い。

「そもそも、こんなHUNTER◯HUNTERみたいなやつで本当に出来るようになるのか?」

バツじゃなくて乗算記号だと思うが、まぁそこは放って置こう。

「全員が通る道だ、そもそも魔術使えるなら基本の魔力操作位できるだろ?」

「俺は名指ししか使ってこなかったんだよ。」

名指し、人が神から貰う名前を魔法にした物。

俺の場合なら条件型設置魔法の燐。対象に触れた物を発火させる魔法だ。魔法陣も自分の名前意外の詠唱も必要なく、細かい魔力操作も基本的には必要としない。

「なぁ、お前なんのためにここに来たんだ?」

「質問ばっかだな。そんなに俺が気になるか?」

無言の圧力に屈したのか何かぼやきながら言葉を紡ぎ始めた。

五騎さつきに入りたいんだ。」

向こうを向いて顔を赤くしている。何度もその夢を笑われてきたのだろう。五騎はたった二年で歴代最強と謳われようになった伝説的な五人組。

この国の騎士団と、魔物の素材を採取することを専門としていた冒険者の混同機関。夏の国防衛団で、否もはや世界であの五人に勝てる人材は今後存在し得ないと言われている。

神に嫌われた剣士。

攻撃魔法しか使えない魔法使い。

補助魔法しか使えない魔法使い。

禁術ばかり使う魔法使い。

なまくらを作り続ける鍛冶師。

まさに奇人変人が集っている。

名指ししか使えないインファイター。たしかに五騎にいそうではあるな。

「なぁ、よかったらちょっとやり合おうぜ!」

「ああ、構わない。」

太陽は南を通過し、砂埃を巻き上げる風には心地よい大地の香りを纏っていた。

因みにここは俺の家の近くだ。

微かに滝の音がする。

ザザッと合唱の前のように二人の右足が地面を擦る。

「シャアッ!行くぞ!」

叫びながら紅蓮が突進してきた、単調な攻撃だ。

これくらいなら。

身体強化アビリティア。」

はつ!」

関節を利用したパンチ、魔術の基本技の一つだ。

ドンッ!と人の肌同士とは思えない重苦しい音が轟く。

なかなかな威力だが、身体強化済みの体にダメージはない。

腹に当てられた腕を掴むと紅蓮が苦笑いを浮かべているのが見えた。

そのままハンマー投げのように回し地面へと叩きつける。

「大車輪。」

途中で肩が外れなかったのは意外だな。

あの魔力操作精度で身体強化ができるとは思えないが。

「ぐがぁっ!あぁ、強えな。」

勢いよく投げ飛ばされたが元が頑丈なんだろう。

ぐるぐると何度も円を描くように走り出す紅蓮の顔は笑っているようだった。

「行くぜ?歯ぁ食いしばれよ!」

よく見ると紅蓮がいたところに炎が残っており、リングを作っていた。

紅連グレン!」

さっきと同じように拳を突き出してくるが、纏っている魔力量が段違いだ。正直喰らいたくない。

右手の親指を立て、人差し指、中指を第一関節と第二関節を曲げ、右腕の肘の裏に手をパーにして当てる。

「夕凪の渚。」

天からバケツをひっくり返したように自分を中心に水が波のように発生する。

「は?」

ジュッと何かが溶けるような音を立て、紅蓮は遠くへふっ飛ばされた。

「ゲホッゲホッ。お前、何でもありかよ。属性多すぎだろ。」

「いつかこれも教えるさ。」

太陽はほぼ動いていなかった。

体感より時間の流れが遅い。

「なぁ、お前は…紅蓮は、俺の友人で居てくれるのか?」

遥か彼方から運んできた冬の国の冷たい風が火照った頬を撫でる。

「当たり前だろ?ようやく照れたかツンデレめ。」

「んな優しくねぇよ、ツンドラだ。」

「そりゃ苔しか生えねぇ。」

くだらない会話で互いに笑い合う。

こんな日常を、当たり前を送る権利が俺にあるのだろうか。

(私のことを忘れなければね。)

どこからかそんな声が聞こえた。

紅蓮「なぁ、気のせいじゃなければメタ発言というか、現代的な言葉とか他作品のパロディーとか多くないか?」

凛「セン…」

紅蓮「え?なんて?」

凛「伏線…」

紅蓮「あ、なんかごめん。」

凛「いいんだよ、こんな変な伏線の入れ方する作者が悪いんだから。」

紅蓮「これ書いてるのも作者だけどn」

凛「次回!No.1第二話(上)、雪原独歩。」

ノート「次回もサービスサービス!」

凛&紅蓮「ノートさん、貴女出番まだです。」

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