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鈴音  作者: R a bit
臨界transcendence
18/57

No.24、変わりゆく日常

前回までのあらすじ




ノリで書いてるフシあるからよく覚えていない。

延々雪林から遠くへと物語の視点は移る。


夏の国を左右に大きく分ける大通り、その終着点付近に佇む大きな城。夏の国防衛団の拠点であり現夏の国国王春間(はるま)輪回(りんね)の住む場所。

その一階テーブルと椅子が何個も置かれる広場。

先程まで延々雪林でギアスと戦闘を繰り広げていた黒髪、それも髪をかきあげると赤に染まっている特徴的な髪をショートに切り、兎の様な人形を持ち歩く女性。

夜叉小路(やしゃのこうじ)遥夏(はるか)は突如としてそこに現れた。

「遥夏?珍しいな、ギルドに来るなんて。」

声をかけてきたのは寝癖を放置した灰色の髪をした男性。

アイシス・ハルマだった。

「アイシス、久しぶりだね。最近お店に来てくれないけど、浮気?」

「お前相手にそんな事するかよ。呪われそうだ。」

アイシスはそう言いながら椅子に座り、遥夏と視線を合わせる。

「というかまた髪切ったんだな。」

「ん。どう?似合ってる?」

「その発言は似合ってないな。」

彼は亜空インベントリの中身を確認しながら話しているため、真意かどうかはわからない。

ふと目を離したかと思いきや、どうやら本当に珍しいお客さんが来ていたようだ。

「知った顔が居ると思ったが、アイシスと遥夏か。

アイシスはまだしも、遥夏は珍しいな。金欠か?」

「アーくんとハルハルじゃん!久しぶり〜!」

話しかけてきたのは灰神楽(はいかぐら)夢幻(むげん)とノート・キーパーだった。

「夢幻、久しぶりだね。」

「あぁ、一年ぶりか?」

ノートには反応せず遥夏は会話を続けた。

「これから任務?」

「そのつもりだ。アイシスと遥夏は何をしていたんだ?」

「私は」

「ちょっと!私を無視しないで」

静寂クワイト。」

即座にアイシスが魔法で声を封じる。

どこかで見たくだりだ。

「で、夢幻に伝えなきゃいけないことなんだけど。」

その静寂を破ったのは遥夏だった。

「凜と延々雪林行ったんだけど、逃げて来ちゃった。」

再び静寂を作ったのもまた、彼女だったが。

「本気で、そう言っているのか?」

「逃げた、というか。まぁほら、私が死ぬとまずいじゃん。凜も連れて行こうとしたんだけど、相手が契約拒否したからさ…」

すぅぅ〜と夢幻の刀が鞘からゆっくり昇り、照明で煌めく。

まだ半分も出ていないというところで映像が粗くなったように夢幻がブレて見えた。

カキンッ!と金属同士がぶつかる高い音がなる。

遥夏の目と鼻の先でアイシスが短剣を取り出し抑えていた。

「夢幻、少し落ち着け。遥夏の性格は知ってるだろ。こういう時は基本大丈夫だ。」

ギリギリと手が震えることによって火花が散りそうなほど強く擦れ合う。

「その通りだよ。凜は敵の攻撃で多分延々雪林から出るくらいには吹っ飛んでた。逃げるように魔術でテレパシー送ったし、そろそろ帰って来るんじゃないかな?」

そう言うやいなや開きっぱなしの城門から一つ新しい人影が入ってきた。

「遥夏さん!無事でしたか。」

「凜!」

遥夏より速く夢幻が反応し飛びついてきた。

「大丈夫か?怪我は?」

怪我してると思うなら抱きつくべきでは無いのではとも思うが心配してくれたのは素直に嬉しい。

「平気です。大体は治療ヒールで治っています。」

続いてノートさんも来て二人で何か話しているがそれが意識から外れるほど奇怪なそんな眼差しでこちらを見ている人が居た。

玩具を壊された子供の様な、悲しそうなようにも怒っているようにも見えるそんな目でアイシス・ハルマがこちらを見ている。

少し笑ったような、そんな気もした。


舞台はまた移り、延々雪林。

一人いや、一体と言うべきか。

黄色が強いクリーム色の短髪に黒いコートの様な服を身にまとう。

黒と白のモノトーンが特徴的な男の体は縦に切断されていた。

血が出ていないのは魔族の体質故だろう。

そんな男に加えまた一体魔族がこの林に入ってきた。

魔族は翼を垂らし地を歩く。

足跡は鳥のようでとても人とは体の造りが違っていた。

「随分酷く殺られたな。」

息をしていない男に魔族は語りかける。

「安心しろ、お前がやられても魔王に支障は無い。

それに、あと少しだ。人の時間で言うと三ヶ月だ。

計画はそこで動く。我々が世界をまた創り直すのだ。」

男の体が少しずつ白く光りながら散り散りに消えていく。

「今は眠れ、無音むおんが復活した暁には我々の時代が来るのだ。そのときにまた、人の生き血で乾杯でもしよう。なぁ、ギアス。」


二つの思惑が動き出した。

凜が最初に当たる大きな壁。

それはまた三ヶ月後の物語。

うつけ物語は幕を閉じ始める。



「ランク昇格の手続き、ですか。」

Cランクパーティー、文殊もんじゅの初期メンバーである三人、ウィンド、ナイト、バーンライトが暮らすシェアハウスで凜は今日の予定を聞かされていた。

「そう、あと一回Bランクの任務を行うか三回Cランクの任務を行うかで遂にこのパーティー、文殊がBランクパーティーになるんだ。」

相変わらず本を読みながら緑のクルクル巻かれた天然パーマの青年?(年齢不詳)のウィンドさんが淡々と答える。

Bランクパーティーに三人(私は最近入ったから除いて)で成るというのはかなり偉業と言える。

「つまり、ウィンドさんとバーンさんのランクがAかBになると言う事でしょうか?」

基本的にパーティーのランクは個人ごとのランクの平均を取ることが多いが、パーティーとして特殊な評価をされることもある。

「いや、僕らはあいも変わらずCランクのままだね。」

今回は後者のようだ。

「いい加減、男二人が女のナイトに守られてるみだなんて陰口はさっさと無くしたいんだけどな。」

「良いじゃない、私一人じゃそこまで強いわけでもないんだから。」

三人よれば文殊の知恵、名前の通りまさに三人で支え合ってきた結果なのだろう。

「と、言うことで。」

ウィンドさんは手をパンッと合わせ話を続ける。

「凜にBランクの任務かCランクの任務か、決めてほしいと思ってるんだけど。どう思う?」

ランクが上がるメリットは受けられる任務の幅が増えること、報酬が上がること、緊急クエストに参加できる事。

「そこまで急ぐ必要も無いと思いますが、因みにBランクの任務は何をやるつもりなんですか?」

正直にまだ私がBランク相当の任務で役に立てるとは思えない。

ウィンドさんは二人と目を配らせた。

二人の顔が少し困った様に見えたのは気の所為だろうか。

「オーガの里の後処理をするつもりなんだけど…」

オーガの里、何だったか。たしか三年前に夢幻さんが行っていたやつだっただろうか。

「実は、その…」

気まずそうな顔をして二人に援護を求めようとしている。

何かやらかしたと見るべきか。

そう考えていると不意に「ドンドンドン!」と扉が叩かれる音がする。

それだけなら良かった、扉を叩く騒音はすぐさま男の叫び声に変わった。

「ウィンド!逃げてんじゃねぇぞこらぁあ!?」 

ビリビリと肌に刺激が走る様な声で一人、いや四〜五人の声がする。

「ウィンドさん…これは?」

何とも答えを聞きたくない質問をすることになってしまった。

「ウィンド、お前が始めた喧嘩だ。行って来い。」

「まぁ、ほら。あんたなら大丈夫よ。」

「えぇぇ…嫌だなぁ。バーン、代わりに行ってきてよ…」

ウィンドさんが喧嘩を売るとは到底思えないが何かあったのは間違いない。

「い、今開けま〜す。」

声を震わせながら、いや足も震わせながらウィンドさんは扉を小さく開く。

「ドンッ!」と大きな音をたて大袈裟に足音を鳴らし五人の男が入ってきた。

その中でも一番背が高くガラが悪そうな顔をした赤髪のセンター分けの男がウィンドさんに近づき顔を擦り付けるように睨む。

「おう、こらてめぇ!?俺に殴りかかってきてそのままトンズラとはどうゆう了見だ、あぁ!?」

「いいいいいい、いやだからそれは…」

こんな状況でも未だに本を読み続けるのはそういう類の呪いか、愛か。どちらにしろ思い感情だ。

プチッと何かが切れる音がする。

「まだ本を読むのかあぁ!?」

男はウィンドさんが読んでいた本を手で払いドサッと埃が舞う。キラキラと窓ガラスから入る陽の光によってゆっくり時が経つのが見える。

視界の隅でバーンさんとナイトさんが手で顔を覆ったのが見えた。

深く息を吸う音がする、心臓がドクンと鳴る音すらも聞こえるほどの沈黙が起こる刹那。

男の体は扉の前に立っていた四人の男を巻き込みながら家の外へ吹き飛んでいく。

ウィンドさんがいた場所には埃が煌めくのみで姿は見えない。それもそのはず、ウィンドさんは既に家の外へ移動し男の首を締めていた。

「グガァアアア、」

「うるせぇよ、このまま殺すぞクソ野郎が。」

男が足をバタバタさせて対抗するも血管の浮き出た腕が怯むことは無かった。

「お前のくだらない人生に俺様を巻き込ましてんじゃねぇぞ、あ?」

男の顔の色が変わり始めようやくウィンドさんは手を離した。

普段からは想像もできない一面を除いてしまった。

「バーン、速く本を渡してきなさい。」

「へいへい。」

バーンさんは2m程歩き拾った本をウィンドさんへ届けに行った。

「「「「「畜生っ!覚えてろよ!」」」」」

口を揃えて全員走り去っていってしまった。

「今のは、一体…」


話を聞くとどうやら朝ギルドからランク昇格の知らせを受けた帰りに、あの男達がウィンドさんにぶつかりトラブルが起きたそうだ。

ウィンドさんが普段から読んでる本は祖父の形見らしくそれを存外に扱われたり、読書の邪魔をされると我を忘れて怒りに溺れて暴れるのだそう。

なんだその厨二設定。

「いやぁ、みっともないところを見せたね。」

当の本人は何もなかったかのように頭をポリポリと書いている。

「で、その。Bランクに昇格するのはあの人たちも同じらしくて、オーガの里の任務をかけて決闘することになるかも、ということを伝えておきたくて。」

とりあえず、今日は解散という事になった。


帰り道についでというわけでもないが、水無月城に寄った。

正確には棘さんの家だ。

コンコンとノックをするが反応がない。

ドアには鍵がかかっているようだ。

刀を鞘に収め少し考えたが、今日は帰ることにしよう。

コツコツと地面を叩き帰路につく。

風が髪を撫で目を瞑るとまつげが揺れる感覚を覚える。

今日は少し潮の香りがする。

髪が傷まないと良いな。

「リン」と風鈴が鳴り周りの人の動きがやけに鮮明に、スローモーションに映る。何度も通った道、そんな道で目を路地裏に配るということは大した意味を持たないはずだった。

そこに居たのは…

「やぁ、久しぶりやな。」

足を止め後ろを振り返るとそこに無則なのり真名まながそこに居た。

「真名さん、まだここに居るつもりなんですね。」

「なんや今まで挨拶してくれたんに、急に冷たいやんか。」白目があり、話し方もいつものだ。

「特に意味はありませんよ、それで何か用ですか?」

「いんや、別に。」

おどけたようにそうとぼける。

見られていたのか。

「いや、見ていたんやなくて、知ってただけやよ。」

「心を読んでも口に出す人はモテ無いですよ。」

「うちには仮名かながおるからええんや、あぁそうやった。話聞いたで、仮名と会って話したんやって?」

そういえば、同じ場所に居るなら何故行動を共にしていないのだろうか。

「あと三ヶ月。それはきちんと理解してはるな?」

「わかってますよ、今日のは魔が差しただけです。」

それに、本当にやるつもりもなかった。

少しこれからの展開に邪魔になるだけで。

「まぁええ。ええか、これだけは覚えとき。

たとえ君を中心に世界が回っていても、君が世界を回しているわけじゃない。自尊心はいつか自損を生むよ。」

そういい残してまた、彼女を認識できなくなった。


「只今戻りました。」

返事がない。出かけているのだろうか。

靴を脱ぎ廊下を歩くと居間に照明が灯っているのが分かった。

脱いだ服が放置されている、どうやら余程急ぎの用事だったらしい。

洗っていこうと服を拾うと甘い香りがした。

スンスンと鼻を鳴らし嗅いでみるが全く汗の匂いがしない。

毛穴とか汗腺が塞がっているのだろうか。

「何やってるんだ?」

ビクッと体がはねた。気づかない間に背後には夢幻さんが立って訝しんだ顔をしている。

「いや、別に。何もしてないです。」

髪も肌も濡れている、お風呂上がりだろうか。

「ああ、すまない。朝洗うのを忘れていた。素振りを始めると夢中になっていかんな。」

もうそろそろ灯ともし頃となるというのに朝から素振りしていたのか、そこまで来ると才能というより中毒かなにかだ。

「私はこれから湯浴みをするつもりなのだが、一緒に入るか?」

これから先は心のなかに閉まって大切に保管することにしよう。


今日も夢を見た。

寒い雪の上に日が立ち上りそこだけに春が訪れていた。

泣いた赤鬼は人の里へ道化していた青鬼は小道を歩く。

夜叉は分かれ道を大股で両方を選んだ。

脚が裂けることが無かったのは柔軟さ故だろうか。

そんな中に私は立っていた。

影は泣くばかりでいつもとは違う。

「大丈夫?君、名前は?」

きちんと言葉になったか怪しいほど声が出しづらい。

「お前のせいだ。」

そうつぶやいたように聞こえた。

何故か初期より最後の方が構成しっかりしてるから今が一番書くの難しい。

というか受験まで時間無いので色々焦ってます。

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