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君は今日から家族だ!  作者: 秋元智也
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77話

二日目はいたってシンプルな観光が待っていた。

二条城から金閣寺を回って銀閣寺を回って南禅寺を見てあとはバス

に乗り込み、途中のパーキングで休憩しながら食事どころで途中下

車する予定になっていた。

最初は電車だっただけに帰りはゆっくりバスの景色を堪能しながら

帰る事になっていた。


変わっていく景色は綺麗でゆっくりと眺めながらバスに揺れていた

もちろん変わりゆく景色を見ている生徒はほとんど居なかった。


昨日の夜に騒いだせいで疲れて寝ている人が多かった。

もちろんぐっすり眠ったはずの静雅も、周りに流されるようにうと

うとし始めたのだった。


残りは昼食で途中下車する以外は帰るだけとなった。


「雅くん…まだ何か不安があるの?」

「伊東くん……いや、なんでもないよ。静雅くんは横で眠ってる?」

「うん、疲れたみたいだね。ぐっすり眠ってるよ。本当は横にいた

 いんでしょ?今からでも席変わる?」

「いや、いいよ。カーテン閉めておいてくれますか?」

「分かった」


まだ不安が無くなったわけではない。

いつ、そこから狙われるのかわからない。

いっそバスごとという可能性もあり得るのだ。

そんな事は口にしないが、いつだって不安は消えない。


家に着くまでは確実に安全ではないのだ。


「伊東くん、悪いんですがしばらく静雅くんから目を離さないでく

 れますか?」

「いいけど…雅くんはどうするの?」

「そうですね〜邪魔な者は排除しなくてはいけないですからね」


にっこりと笑ったが、全く笑顔に見えなかった。

表面上は笑って見えるが、いつもを知っている伊東には笑顔の裏側

の方が透けて見えた気がした。

笑顔とはいつも静雅に対して向けるもので、それ以外の女子に向け

ている作り笑いの方だった。


この区別は毎日見ているからわかるようなもので、雅をあまりじっ

くり見ていない人にはわからない違いだろう。


「分かった、いいよ。」

「助かります。すぐに戻るので…」


昼食に為に止まった場所で、皆がバラバラに降りていく。


さっき起きたばかりの静雅も例外なく、降りていた。


「伊東くん?どうしたの?」

「うん、なんでもないよ、早く行こっか」

「うん、あれ?亮太は?」

「ちょっと女子に呼ばれてて…すぐにくるから先に行っててって…」

「ふ〜ん。そっか…」


何か言いたげだったが、すぐに口を噤むとみんなと一緒に並んで入

っていく。

山菜や豪華和牛のすき焼きセットが各自スタンバイされていた。


「うわぁ〜美味しそう〜」

「確かに…先に席に座ってよう?」

「あ、その前にちょっとトイレ行ってくるね」

「あ、なら、僕もいくよ」

「…?」


不思議と静雅が言うとすぐに伊東もついていくという。

まぁ〜たまたまだろうと思い一緒にトイレへと向かった。


その途中学生以外にも客がいる事を知った。


「ここって貸切りじゃないんだね〜」

「あれ?今日はこの時間は貸切りって書いてあってような気がする

 けど…」


確かバスから降りた時に入り口に修学旅行で本日貸し切りとあった

はずだった。

だったら、さっきの通り過ぎた客はなんだったのだろう。


気になってスマホを取り出すと雅にメッセージを送っておいた。


「女子は結構トレイ並んでるね。僕らは人が少なくて早く戻れそう…」

「荒川くん、ちょっと一回戻ろう?」

「ん?すぐに終わるからちょっと待って…」

「そうじゃなくてね…なんか……」


トイレの前にきて伊東は足を止めた。

さっきの見知らぬ客の男は確かトイレから出てきた。


そう目の前のトイレからだ。

何か嫌な胸騒ぎがする。

父が亡くなった時のこんな胸騒ぎがしたっけ…


「やっぱりここを使うのはやめよう!別のところにもあるし、そっち

 行こう」

「え?なんで、空いてるじゃん…?」


雅のいないところで嫌な予感がするのは怖くて仕方がない。

伊東の勘は意外と当たっていたのだった。

静雅の手を掴むとすぐにその場を離れた。


不思議そうに聞いてくる静雅を無視して別のトイレを探そうとした瞬間

中からいきなり爆発が起こったのだった。

タイミング的にトイレの中に入っていたらきっと今頃は…


ちょうど駆けつけてきた係の人の誘導でまずは安全が確保されるまでバス

での待機を言い渡されたのだった。

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