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君は今日から家族だ!  作者: 秋元智也
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21話

保健室で真面目に勉強に励んでいると、いきなりノックされて入り口

を眺めた。

今、保険医の和泉先生は留守にしている。

何かあったのかと顔を覗かせると、ちょうど指をぱんぱんに腫らせた

生徒が入ってきていた。


「誰かおらんのかいな…マジか…」

「大丈夫ですか?すごい腫れてるね、ちょっと待ってて…確か湿布が

 ここにあったはず…」

「なんや保険委員なんか?」

「違うけど、先生が戻るまでだと痛いでしょ?ちょっと待ってて、す

 ぐに貼るから」


戸棚の箱をとってくると湿布を取り出した。

指に軽く触れてみる。

少し熱を持っていて、ちょっと軽く押して動かしてみた。


「痛いっちゅーねん!なにしとじゃっ!」

「ごめん、でも骨には異常はなさそうだから多分湿布で腫れが引けば

 大丈夫だとおもう、一応医者には行った方がいいよ」


組の人間がよく傷を負ってくるので、簡単になら処置できるようにな

ったのだ。

テキパキと湿布を貼ると、抑えるためにと包帯を巻きつけた。


「これでよしっと」

「慣れてるんやな?」

「まぁ〜ね…」

「さんきゅうな!いい奴なんだな!名前はなんていうねん」

「あ、僕?荒川静雅」

「そうか静雅か、可愛い名前やな?まるで女みたいな名前やな〜」


ムスっとする静雅見てすぐに訂正してきた。


「すまん、すまん、ちょっと思った事言うてまったわ。俺は波戸崎駿。

 駿って呼んで〜な!」

「駿くん?」

「そやっ。またな、静雅ちゃん!」


騒がしい人だった。

最初は怖い人かと思ったが、気さくな人らしい。

最近はずっと緊張していたから、ちょっと和んだ気がした。


奥から伊東くんが様子を伺っていたが、波戸崎が出ていった後でこっ

そり顔を出した。


「大丈夫だった?」

「大丈夫って何が?」

「えっ…荒川くん、知らないで話してたの?さっきの人だよ。悪い噂

 が多い人なんだよ?なんかガラの悪い連中とつるんでいるってもっ 

 ぱらの噂で、誰も話かけないんだよ?」

「そうなんだ〜別に平気だったけどな〜」

「荒川くんは凄いんだか、臆病なんだかわからないなぁ〜、でも、気

 をつけた方がいいと思うよ…」

「うん、ありがとう。心配してくれたんだ〜。」

「当たり前だろ?友達なんだから」

「…」


その言葉に胸が熱くなっていくのを感じた。

友達っていいもんだなっと感じたのだった。




その頃、校舎裏では石田健大の姿が見るも無惨な姿へと変わっていた。


ー数分前ー


校舎裏にいた石田の前に見覚えのある人物が近づいていた。


「お前誰だ?」

「豚に名乗る必要があるか?」

「おい、お前俺が誰だか知ってるのか?」

「知らねーよ、豚に名前でもあるのか?孤児院育ちの親に見捨てられ

 た分際で人間の言葉をしゃべるな…」

「貴様〜、3年にむかって生意気な口を聞くんじゃねーよ!お前一年

 だろ?んん?お前この前静雅と一緒にいたやつか?」

「その薄汚い口でその名前を呼ぶなっ、口もきけねーようにした方が

 いいか?」


さっきの分の怒りが込み上げてきていた。

流石に女子を殴るわけにも行かないので男なら丈夫だし、多少殴って

も問題にはならないだろう。


殴りかかって来たところをそのまままともに受け止めた。


「なんだよ、弱ぇ〜じゃん。さっきの威勢はどうした?」

「はっ……これで正当防衛だよな?」


立ち上がると側に置いておいたスマホを取り上げた。

そこにはさっきの映像が映っている。


音声は聞こえない。

だが、近づく亮太の後ろ姿と、いきなり怒鳴って殴りかかる健大の姿

はしっかりと映し出されていた。


「じゃ〜反撃と行こうか」


拳を握り締めると一気に殴りかかっていた。

いくら体格がいいと言っても当たらなければ意味がない。


まるでサウンドバッグのように殴られ続けると、顔ばかり狙われたの

だった。


見るも無惨に腫れ上がって来たせいで目も見づらくなって来た。

ぶくぶくに膨れるともう、誰かすらわからない。


「これに懲りたら、大人しくしてるんだな…これ以上何かしたら…親

 ごと路頭に迷う事になるからな」


もう聞いてはいなかった。

意識はとっくになく、夢の中でもしばらくは悪夢をみる事になったの

だった。



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