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第14話:厳徳さんとのお話②

渡された資料には、今までダンジョンで起きた死亡事故者数やダンジョン外のでのモンスターに襲われて死亡・重症を負った人たちの内訳が記されていた。


「非公表だが、現在確認されているだけで数百人が死亡しているんでな、おいそれと外には出せんのじゃよ、しかもその殆どが半グレや、やんちゃ坊主達でな、小遣い感覚でダンジョンへ潜り、モンスターを倒そうとして返り討ちになってるのだよ」


「それって止められないんですか?」


「正直難しいのう…彼らは一応正式な資格を得て探索に入っておる」


「でも認定試験を受けて合格しないとダメなんじゃ?」


「それについてはまだ詳しく決まってないのだよ、しかしそれも手探り故、許可を出した者が無謀な事をするのを止めるのは難しいのだ。それに締め付けが厳しくなればなるほど、国内では潜らず海外に渡航してダンジョンに潜ろうと考える者も出るという者が出ることを危惧をしている訳じゃよ」


「それは…そうなりそうですね…」


向こうの世界でも許可を厳しくしたり法外な入場料を取ったりした国があり。それを嫌った探索者達が非公認で潜ったり他国での探索して国内にある特定のダンジョンからモンスターが溢れる、通称ダンジョンスタンピードが発生して国が無くなったという記録が残っていたのだ。


「まあそれもあり、国としては厳しい締め付け出来ないからな。それに加えて近年の少子化問題もあるからのう、だったらもう才も金もある男に複数の女性を娶ってもらいつつしっかり仕事をしてもらいその問題を解決しようという事なんじゃ」


「大ざっぱですね…」


「まぁ指標なんぞ大ざっぱでいいんじゃよ、それを皆が知恵を出して行きちゃんとした形にしていくという物よ」


「それで自分の孫とその夫に旗頭になってもらおうってことですか」


「良く言うと孫の希望を叶える為、悪く言うとそうゆう事じゃな」


「それって巴ちゃんには?」


「一応話はしたぞ、巴も元々の相手は政略結婚だから気にしないとは言っていたよ」


「そうですか…しっかりしてますね」


「まぁどっかの誰かに相応しい女になりますと!息巻いてたと、ばあやから教えてもらった時は驚いたがな」


「そう言われると、くすぐったいですね」


「フン!調子に乗るなよ小僧!」


「いえいえ、調子に乗らせてもらいますよ、厳徳さんの自慢の孫の旦那なんですから」


「言いおるのぉ…小僧め…」



◇◆◇◆

「そうだ、厳徳さんにお願いが」


「なんだ?聞くだけ聞いてやろう」


「今日夕食会に居たメアリーって名前の女の子が居たじゃないですか」


「あぁ…あの金髪の娘っ子か」


「はい、その子ですね」


「んでその娘っ子がどうした?」


「まぁ、彼女…海外のいわゆるヒットマン的なやつなんですが、そのまま返すわけにもいかないし。もし出来たらでいいんですが、その組織に話とかってつけれます?」


「それをワシにどうにかしろとか、かなり無理難題じゃね?」


「やっぱり無理ですよねー」


「まぁ待て……」


そう言うと厳徳さんはスマホを取り出して何処かに電話を掛け始める。


『おぅ、ひさしいのぅ…いきなりですまんが調べて欲しい奴がおってのう……なに?酒じゃと?わかったわかった、今度孫婿にもってかせるわい』


「小僧、メアリーなにだっけか?」


「メアリー・アーリンストンですね」


「そうじゃったそうじゃった」


そう言うと又通話に戻る。


『メアリー・アーリンストンと言うおなごじゃい、どうやら裏の仕事をやっとるらしくてな』


「小僧、他に特徴は?」


「おかしな頭巾被ってましたね」


『珍妙な頭巾を被っとるそうじゃぞ』


『何かわかったら連絡をくれ』


そう言って厳徳さんは通話を切った。


「とりあえず知り合いの情報屋に連絡をしたからその内調べてくるじゃろ」


「ありがとうございます」


「ほれほれ、尊敬しなされ」


「突然感謝したくなくなったなぁ…」


「まあこれから背負わせるものが大きいからのうそれ位は面倒見よう、それに裏の仕事やっていたならボディガードにも良いじゃろ」


「でも、倒したの俺ですよ?」


「ほれ…不意打ちとかあるじゃろ」


「まぁ…でもほぼ防げますよ?」


「お主何者じゃい!」


「やだなぁ~、一般人ですよ~」


「そんな一般人おってたまるか!」


「まぁそうですね、そこいらの一般人よりは強いですよ」


「まぁいいか、深く考えるの止めておこう……だが、お主が死ぬと巴も悲しむから無茶はするなよ」


「えぇ承知していますよ」



◇◆◇◆

「とりあえず、お主の公的な重婚約の公表は法案を通してからでいいか?」


「いつでもいいですよ、どうせばれてくると思いますし」


「うむ…そうじゃのう人の口に戸は立てられぬからな、なるべく早めに動くようにしよう」


「でも本当に良いんですか?」


「どの道お主がハーレム作ろうが、この法案は考案されていたんだ。だったら上手く利用してこちらに利の有る奴が使うのがいいんじゃよ。さて…ワシもラウンジで飲むかのう…」


「じゃあ俺もそろそろ帰る準備を…」


「あれ?お主聞いてなかったのか?」


「何をですか?」


「今日はお主らの部屋を用意してあるのでな、そこに泊まっていくと良い」


「良いんですか?」


「良い良い、娘っ子たちも今頃はたのしんでおろうて、邪魔するのも悪いしの」


そういって厳徳さんは部屋の外に出て行った。

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