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第11話:五色の華と夕食会③

それから皆と合流しばあやさんに連れられ、夕食会の会場へ入るとそこには巴ちゃんのご家族が居た。


ひげを蓄えた60代位の男性、恐らく巴ちゃんのお爺さんだろう、隣に居る男性は30代位の男性、これはお父さんだろう、その隣に居る女性は20と言われても通じる程の美人である、お母さんだよね?巴ちゃん姉妹いないって言ってたし。


その三人より射貫くような視線で見られ背中と足の裏にじんわりと汗をかいてくる。


(シド様に睨まれた時とおんなじ位の圧力なんですが…なつかしいなぁ…)


そう考えていると後から入って来た冬華が「あっ!厳徳おじーちゃんだ!おひさしぶり~」と空気をぶち壊す様な声を上げる。


その声に途端にデレっとし始める厳徳さん「おー冬華ちゃんおひさしぶり~元気だったかい」と猫なで声になる。


「厳徳さんこんばんは、御無沙汰しております」


「春華ちゃん、いつも言ってるだろうそこまでかしこまらなくても良いんだよ?おじいちゃん悲しくなるよ」


「あはは…」


緊張した空気が壊れたせいか巴ちゃんの家族が纏っていた雰囲気がふと柔らかくなった。


「それじゃあ軽く挨拶でもしようか」


そう言って巴ちゃんのお父さんが立ち上がる。


「私はつむぎ 方厳ほうげん、巴の父親で代議士…国会議員をやらせてもらってるよ、そしてこちらが妻のかんざし、そして奥で偉そうにしているのが私の父、巴のお爺さんの紡 厳徳げんとく一応日本有数の資産家だよ」


「方厳…お主言うようになったのう」


「あははー何の事でしょうかww」


「チッ、まあいい今日の本題はそこの小僧だからな」


どうやら今回の目的は俺らしい、一体何だろう。


「おう、小僧。お主名前は何という?ワシ達に紹介だけさせてお主は名乗らないのか?」


「あっすみません、私は上凪 優希と申します」


「おう、まあぶっちゃけ調査済みだから意味ないけどなwww」


「えぇ…ってか調査済みって何ですか」


「そりゃ愛しの孫の旦那になるんだから調べもするわ」


「よく言いますね御当主様、それが原因で未だにお嬢様に口きいてもらえないんですから」


「ばあや…それは秘密だと…」


「それでいて巴のご機嫌取りに上凪さんに迷惑を掛けようとしているんですもの」


「か…簪まで…」


巴ちゃんのお母さんが厳徳さんをばっさり切る、どこのご家庭でも女性のが強いんだね…うちも尻に敷かれるだろうし人の事言えないけど。


「ごめんなさいね上凪君、貴方の意思も確認しないでお話を進めてしまって」


「あっ…はいなんか凄い爆弾発言が聞こえたんですが…」


「それは本当よ?あの子見合い相手を投げ飛ばして貴方と結婚するって言ってきたらしいわ」


「えぇ…まじですか…」


「マジも大マジよ」


「あの巴ちゃんが、そんなことするとは思えないんだけど…」


「ですねぇ…」


「そうだねー」


「そうね…」


「それで、お相手は大丈夫だったんですか?」


「大丈夫ですよ、何でも《《自称天才》》探索者とのことらしいので、ねえばあや」


「そうでございます、奥方様。それに女性に乱暴しようとする男性でしたし良い薬かと」


しれっとすまし顔で言うばあやさん、言葉の端から少し怒ってるニュアンスが見て取れる。


「ま、まあわかりました、そうしましたら三人に確認を取りますのでまってもらっていいですか?」


「ほう…噂は本当だったか…」


「噂?」


「お主が、女たらしの屑野郎という事だ」


「まあ、そういわれれば。世間的にそう見られても仕方ないですね」


すんなり肯定したのが拍子抜けだったのがその場でずっこける厳徳さん。


「自覚はあるんかい!」


「そりゃありますよ、こんな可愛くて美人な嫁を3人貰ってるんですから、それに日本の法律じゃ重婚は禁止ですから…」


「そうじゃのう、それでお主はどうするんだ?」


「どうしましょうかね、実は全く考えてないんですよ。法律がひっかかると言われたのはつい最近ですし」


「なぁ、春華ちゃんに冬華ちゃん、そんな男でいいのか?」


「「私は…」」


「「でも、冬華(春華)が幸せならオッケーです」」


「「と言われました」」


「それに、書類上の『妻』になれなくても」


「それが、優希おにーちゃんと一緒に居ない」


「「理由にはならないもんねー(ですから)」」


(そっか…二人はそんなことまで考えてたのか、俺ももっとしっかりしなきゃだめだなぁ…)


「ありがとう、二人の気持ちは嬉しいから、どうにかできるように考えようか」


「水を差すようで悪いが、どうするつもりだ?」


「そうですね。場合によっては国を出ても良いですし、それなりに今の俺には価値があるみたいですし」


正直確証はないが、出任せのブラフで話し始める、さっき植野さんに聞いた事を混ぜつつだ。


「うぐっ…成程、それなりに世間は見渡せる様だな」


「俺としてはまだ全然ですけどね」


だって只のブラフだもん!適当だもん!足の裏の汗やばいよ!


「いいだろう…まずは合格だ」


「ありがとうございます」


なんだろう合格とか…よくわからん。


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