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第9話 :五色の華と夕食会①

先に夕食会が行われる部屋の近くの待機部屋にて、俺は他の皆を待っていた。


「上凪様、皆様がお揃いになりました」


植野さんがノックして入って来た。


「あっ、はいありがとうございます」


スマホをポケットに入れ部屋の外に出ると…絶景でした。


まず目に飛び込んできたのは、メアリーで

金色の髪に、鮮やかなライトグリーンのナイトドレス、顔立ちは美少女というより美人といった感じ、本当に一つ年上ですか?

「じロじロ見ないデ下さイ、見らレ慣れテナいのデ恥ずカシいです」


見ていたら顔を真っ赤にしていくメアリー、そういえば顔がしっかり見えてるな。


「あぁ、ゴメンゴメン。隠してた顔がめちゃくちゃ美人でびっくりした、グリーンのドレスも良く似合ってるね」


そう褒めると更に白い肌が首まで真っ赤になり綺麗なコントラストを彩る。


「ねぇねぇ!優希おにーちゃん!私達は!?」


そう期待を込めた視線で待っている春華と見せつける様にくるくる回る冬華、春華は桜色、冬華はターコイズブルーのドレスだ。

二人共今回は対になる様にサイドテールで纏めている。


「二人共今日はサイドテールなんだね、いつも見ない髪型だからとっても可愛いよ、ドレスも春華はレースにあしらった刺繍が桜なんだね凄く似合ってるよ。」


「あっ、ありがとうございます!」


「冬華は……そうか、全身に細かくスパンコールと雪模様の刺繡が服の色と同色でちりばめられてるのか、流石お洒落な冬華だ似合ってる」


「えへへーあったりー」


そうして最後に後ろに控えていた耀を見る。


「うん、宵闇を思わせるドレスにスパンコールが星のように光ってるね、胸元のコサージュは黒い薔薇か、中央の黒真珠も凄く綺麗に映えてるね肘まであるレースの手袋も耀の肌の綺麗さが際立ってとっても美しいよ」


率直に伝えると頬の赤みが増して牡丹の様になる。かわいい、もう一度言うかわいい。


「見たまんまの感想だろうけど、やるようになったわね…」


「上凪様…本当に女性の扱いが上手いですね…」


「ばあやさん、何言ってるんですか!?」


「いえいえ、見目麗しい四輪の華が皆牡丹の様に赤く色付いてしまわれるくらいですので、その調子で当家のお嬢様もたらしていただければ」


「誑すって…人聞き悪いですね…俺は率直な感想を言ったまでですよ…」


「そうだ、上凪様、耀様、春華様、冬華様もしよろしければこちらを」


そう言うとばあやさんは昼間買った指輪が乗ったトレー差し出してくる。


「この後のお話で必要になるかと思いましたので、どうぞこちらを」


「それってどういう…」


「それでしたら、上凪様どうぞこちらへ、眺望のいいラウンジがこちらにありますので」


「でも時間は?」


「その位のお時間でしたら大丈夫ですので、植野さんお願いしますよ」


「かしこまりましたばあや様」


◇◆◇◆

それから場所を移し、眺望の良いラウンジへ行くと数名のお客さんが居た、皆何事かとこちらを気にしている。


「こちらでしたら眺めも良いのでどうぞ」


手早く周囲のイスとテーブルをどけてくれるスタッフの皆様、なんか滅茶苦茶緊張してくるんですが…


ばあやさんから指輪を受け取り耀の前に立つ。


「私からで良いの?」


「耀からが良いんだよ、小さい時からずっと隣に居てくれた大切な人なんだから」


「それは私の台詞だよ、いつも私の隣に居てくれて、色んな事から私を守ってくれて、私のせいでどんなに嫌な事があっても見捨てないでくれた、だから私は好きになったし、この人に愛を返そう、私に飽きて私から離れるまでその隣を歩き続けようと思ったのよ」


「そうだったね…改めて聞くと恥ずかしいな」


「そうね、だからもっと気楽に行きましょう!それが私達らしいもの!」


「そうだな。耀、今までもこれからもよろしくな」


「えぇ!任せなさい!」


耀の左薬指に指輪を通す、左手に輝く指輪をまじまじと見ていた耀だったがこちらへ向きなおり触れるだけのキスをしてきた。


「とりあえず、他の子も居るからね、これで勘弁してやろうじゃないですか」


と顔を真っ赤にした耀は後ろに下がって行った。


「それじゃ次は…」


「私です、じゃんけんで勝ちました」


そんなことやってたのか…冬華もそれでいいのか…


「大丈夫だよ~私も順番は回ってくるし!」


「ありがとうな冬華」


「ちゃんと春華とイチャイチャしてよね!」


そう言われ冬華に背中をたたかれ、春華に向き直る。


「よっ、よろしくお願いします!」


既に茹でだこを超えてもはや酢だこの様な赤さだ。


そんな春華に向き直り指輪を持って一歩前に出る。


「春華、最初の出会いは突然だったね。あの時春華と出会って無かったら今俺はここに居なかったよ。それからはすぐ話が進んで戸惑いもしたし、俺で良かったのかなと思った。でも今なら言えるよ、春華俺と出会ってくれてありがとう、俺を好きになってくれてありがとう、俺を愛してくれてありがとう、今までもこれからも春華の事を大切にするよ」


「でも私…冴えないし…可愛くも無くて…」


「それでも春華を好きになったのは俺の意思だよ、それに春華はすごくかわいい女の子だよ」


そうして左薬指に指輪を通し、こちらからキスをした。何気に春華とは初めてのキスだったりする。


「ひぐっ…わ゛わだじも優希ざんと会えて…ひぐっ良かったです、末永く大事にしてください…」


そういって上がった春華の顔は名前の通り、春を迎えた蕾が満開の花を咲かせる様だった。


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