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第8話:ホテルへ到着

それから10分程車に揺られ浜離宮の近くにあるホテルへ連れてこられた。


ホテルの入り口で降りるとばあやさんがカートを持ってきた、メアリーを乗せる用だろう。


「上凪様どうぞこちらへ」


「ありがとうございます」


そうしてそのままエレベーターへ行きそのまま上に上がる、到着した階はロイヤルスイートを備えた階だった。


エレベーターから降りるとスーツを着込んだ男性が居て、こちらに気付くと挨拶をしてきた。


「お待ちしておりました、当ホテル総支配人、私植野がご案内させていただきます」


きっちりとそれでいて見栄えが良い角度でお辞儀をする植野さん。


「お久しぶりです植野さん、総支配人とは出世しましたね」


「ばあや様、ありがとうございます。まだまだ精進の足りない身ですので日々勉強でございます」


「私が鍛えたんですから当然ですよ」


そう二人で談笑していると隣でもごもご動き始めた。


「おっ、メアリー起きたのか?」


「こレは?いったイ?動けなイ!?」


「あーごめんねー縛っちゃった♪」


「大丈夫?痛い所は無いですか?」


「とりあえず、暴れないなら拘束を解くけど?いい?」


「わかりましタ、敗者ハ勝者ニしたかいまス、にくなリ、やるなリ好きにしてくださイデス」


「煮もしないし焼きもしないし、また間違えてるし」


「んで優希はどうするの?メイドにでもする?」


「しないよ!?」


「え~しないんですかぁ~」


「冬華乗らないでくれ」


「お兄さん?しないんですか?」


「春華まで!?俺をなんだと…」


「じゃあ私達のメイド姿は見なくていいの?」


「待て耀、それは話が違うぞ。それは見たいに決まってるだろ」


「うわぁ…」


「潔いわね」


「私は構いませんが…」


「それはちょっと引きまス」


「お前普通にしゃべれるのか」


「そンなコトはナイデスヨー」


まあいいか後で問い詰めるし。


「まあいいや、とりあえずもう暴れたりしないか?」


「フッフッフッそれはどうかナデス」


「次は容赦しないよ?」


「ハイスミマセンデシタ、モウシマセン」


「よろしい」


春華ちゃんが文具用のハサミを持っていたので強化魔法をかけて切っていく。


「痕になってるな…ヒール」


「ふぇ?あれ痛くない?」


「まあさっきメアリーの骨折も治したんだえけどね…」


「そうイえバ、そうでシタ、痛くないデス」


「さっきはごめんね、取り合えず治しちゃったけど大丈夫?」


メアリーは腕をぐるぐると回すと目を細めて「ありがとうございます」と言ってきた。


「やっぱりカタコトじゃなくしゃべれるじゃん」


「ヤラカシマシタ…」


「ちょうど話が終わったみたいだし、じゃあ立っていこうか」


手を差し出すとメアリーは目をぱちくりさせた。


「コレは?」


「立つんでしょ?はい」


「あ、ありがとうごじゃいます…」


そういっておずおずとメアリーは手を取って立ち上がる。


振り返ると三人がめちゃくちゃニヤニヤしていた。


「何か言ったらどうなんだお前達…」


「いえー」


「何でもないよー」


「何でもないですー」


「おやおや上凪様はとんだプレイボーイで」


「ばあやさん!?」


「上凪様、彼女はどうなされますか?」


「メアリーはどうしたい?」


「私ハ…」


「まあいいや、ばあやさん食事もう一人分用意できますか?」


「大丈夫でございます」


「じゃあメアリーの分お願いします、それと彼女の着替えもお願いします。お代は俺が持ちますので」


「かしこまりました、お召し物はレンタルドレスで大丈夫でしょうか?」


「お願いします、それと耀達の分も頼みたいです」


「かしこまりました、上凪様にもご衣裳を用意させていただきます」


「え?」


「ご衣裳に関しては水城様達でお話していただきますので…」


「え?」


「かっこいいの選んであげるね!」


「え?」


「いや~可愛いのもありでしょ~」


「え?」


「私は王子様系が…」


「え?」


これは悪い予感が………



◇◆◇◆


そうして植野さんに連れられて俺はドレッサールームへ通されていた。


「上凪様、どうぞこちらを」


そういって植野さんが差し出してきたのは手触りから上質だとわかる白地に金糸の刺繍があしらわれたスーツとイヤリングみたいな装飾品が渡された。


「あのーすみません、植野さん」


「どうなされましたか?」


「スーツは着方がわかるんですが…この装飾品の着け方がわからないんですが」


「そうでしたか、申し訳ございません、高校生では着ける事がありませんでしたので失念していました。こちらはカフスボタンという物になっておりまして、内側に着た袖口の部分を留めるアイテムでございます」


見せてくれたシャツの袖口はボタンが無く穴が開いているのみだった、そこに植野さんの手によってカフスボタンが取り付けられた。


「この様な形に留める事が可能でございます」


「凄いですね、ありがとうございます」


「お後は何か使い方のわからない物はございますでしょうか?」


「大丈夫だと…思います」


「かしこまりました、衝立の向こうで控えておりますので何かありましたらお声掛けしてください」


「はい、ありがとうございます」


それから、いそいそと着替え始めるのであった


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― 新着の感想 ―
主人公君、隠す方針を捨て去ったな まあ今更感は酷いけど
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