第6話:世界、変わりました。【改稿版】
理解が追いつかず圧倒されているが置いてあるY○giboに似たクッションに座る。
このクッションやべえ……耀の家にあるY○giboレベルの座り心地の良さだ。あ、これY○giboのタグがついてるわ。
「どうだい、座り心地は?」
「はい、凄く良いです。まるで駄目にされそうな感じの座り心地です」
「気に入ってくれて何よりだ、わざわざ君の世界から通販で取り寄せた甲斐があったねよ!」
「通販届くんですかここ……」
「一応世界中に仮住まいの場所はあるからね、そこに届けてもらうのさ。それでね、早速本題に入りたいんだけど……大丈夫かな?」
「は、はい……というか今の俺に何が起きてるんですか?」
「良かった、それじゃあ話をさせてもらおうか。君の疑問にも答えられるからね♪」
「はい、お願いします」
ルンルン気分で上機嫌の神様が紅茶を注いでくれる。
「まず、君の一昨日みた夢は現実だよ。君は向こうの世界で5年を過ごしたんだ」
「でも、それじゃあ体の年齢が合わないんじゃ……」
「そう、だから向こうの世界の君はあそこに保管してあるんだ」
神様が指差すとそこには、成長した俺が眠っていた。
「本当は加護の力とかは元の世界じゃいらないものだったからねその力を分離して保管しておいたんだ」
「そうなんですか……せめて身長だけは欲しかった……」
「あはは! 大丈夫大丈夫、身長に関しては5年後でも成長してるから!」
「そうなんですか?」
「うん、まぁ筋トレや適度な運動をして身体を構築してほしいけどね」
「うっ……わかりました……」
運動苦手だけど頑張ろう……異世界の訓練に比べればこっちの世界はトレーニングもしやすいし。
「それで、記憶はすぐに戻せたんだけど。君の力自体は身体が出来上がらないと発揮できないからね」
「そうでしたね……もしすぐに戻すとどうなります?」
「止めといた方が良いかなぁ……肉体が出来上がってないと出力の調整が効かないから肉体が壊れちゃうんだ。初期のヒ〇アカの主人公みたいにね」
「そうなんですね。というか神様って漫画とか読むんですね」
「読むよー面白いもん。それで話を戻すと、こっちの世界の君の体に。異世界で過ごした身体を少しずつ混ぜて行き、力を馴染ませてるんだ」
「それって、やっぱりこっちの世界にダンジョンが発生したからですか?」
そう問いかけると、ニッコリと笑う、年下に見えるのに凄く母性を感じさせる笑みだ。
「いいや、それは違うよ。君は向こうの世界で僕の望みを叶えてくれた、そのご褒美だよ。元々決めてた世界のルールで、向こうの世界の物は持ち帰れない。けど君の……《《君自身》》が頑張って得た力は失くしちゃいけないと思ったんだ」
「神様……」
神様の心遣いに、胸が暖かくなってくる。
「それに、こっちの世界にダンジョンが出来たのは、偶然じゃないんだ……」
「えぇっ!?」
「向こうの世界で邪神を倒してくれた時なんだけど、悪あがきで邪神の魂が2つに別れちゃって。悪い方の魂が君を召喚した際の力を辿って向うの世界とダンジョンを繋げて、こちらの世界に逃げたのさ」
唐突にとんでもない事を言う、世界が繋がってる!?。
「それじゃあ邪神はまだ生きてるってことですか?」
「いや、既に〝処理〟したよ……片割れは今僕の元で良き存在に生まれ変わる途中だよ」
そう言って、神様は寂しそうに微笑む。
「それでこちらの世界にダンジョンが?」
「そうなんだよね……、2つの世界が繋がってしまったんだよ」
「それって? 俺が行った異世界ですか?」
「そうそう」
「切り離すのは無理なんですか?」
すると、神様は凄く疲れた顔になる。
「物理的には繋がってないんだ、でも世界の根源的な所で繋がっちゃってて、すぐには切り離せないんだ」
「よくわからないんだけど、厄介なんですね……」
「そーなんだよぉ~! 邪神は全てを賭して権能を使ってね、少なくとも正常に戻すには、後1000年以上かかっちゃうんだよぉ~」
「せ……千年……」
「ごめんねぇ……」
申し訳無さそうに神様は言う。
「その代わり僕も力をかなり使ってこちらの世界に対抗策を授けたんだ」
「それが皆が得たあの【ジョブ】ってことですね」
「正解! だけどね、全世界の人達だから皆、〝君ほど〟の加護にはならないんだ、一部元々能力の高い子も居るけどね」
「そうだったんですね」
というか、神様ブ○ーチも読むんですか……
「あれ面白いよね~」
「思考に返さないで下さい……」
「ああ、ゴメンゴメン、ちょっとまだ力が不安定で……ふわぁ~」
「大丈夫ですか?」
神様は突然大きなあくびをして、船を漕ぎつつ眠そうにし始めた。
「ゴメンね突然……大丈夫なんだけどーそろそろ時間切れー。力をぎりぎりで使ってて……ここに呼んで話すのも結構力使うから……電池切れみたいな感じ……だよ……うん……休むね………また……呼ぶ……Zzz——」
神様はフラフラしながらベッドへ倒れ込む、すると俺も意識を引っ張られる感覚がする。
(あぁ、俺も目覚めるのか……)
引っ張り上げられ意識が浮上する感覚がした。
作者です。
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