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エピローグ:なあ、コイツ埋めないか? よし埋めよう!!!

「では!新たな二人の門出を祝って!かんぱーい!」


「「「「「かんぱーい!!!!」」」」」


掛け声と共に皆が各々持ったグラス同士ををぶつける、プラスチック製なので「カツン」と小さな音しかしないけど。


人形の館と呼ばれる事となった不明ダンジョンの救出作戦を終えた翌日、俺と耀はクラスの送別会(カラオケ)に参加していた。


「それにしても二人が探索者かぁ…」


「そーそー意外だったよねー」


「おーい、料理届いたぞー」


注文した大皿のたこ焼きやフライドポテトや唐揚げが次々届く。


「ああ、お前レモン勝手にかけるなよ!」


「嫌ならあっちのかかってない方食べなさいよ!」


「はーい飲み物追加するひとー」


「俺コーラ」「あっ俺も」「俺も」


「俺オレンジジュース」


「私チャイ」「チャイって何?」


「マンゴージュース」「あっ私もそれが良い!」


「えっと…ウーロン茶8個で」


「おい!面倒だからってとりあえずウーロン茶みたいにするなよ!」


「じゃあ自分達で頼みなさい!」


流石高校生、早速カオスの様相を呈していく。


「いやー凄かったな…上凪のあの技!」

「そうそう!何十メートル離れてるかわからない相手をこう…ズバッと」

クラスの名も無き(名前覚えてないだけ)男子Aがちぐはぐな風切の真似をする。

「いやいや、違うってこうだって!」

またまたクラスの名も無き(ほぼ面識無い)男子Bが傍から見ると滑稽な風切の真似をする。


「あはは…はぁ…」


本当なら耀のオマケ…もとい耀を狙う男子にとってはお邪魔虫としかなかった俺は見知らぬ男子達に囲まれていた、こいつらホントに同じクラスの奴らだよね…?


「ねえねえ上凪君、君ってあの双子とどうゆう関係なんだい?」


そこに割り込んできたやたらでかい、確かラグビー部の男子だったかな?あまり面識が無いが席が近くに居たのは覚えてる。


「いや、友達…パーティーメンバーだね」


「紹介してよ、頼む!」


「えっ?」


「あっ、てめえゴリ助抜け駆けするな!なあ俺にもいいだろ二人居るんだしどっちか紹介してくれ」


「そうだぞ、お前酒池肉林のハーレムでも作るつもりか?」


そのタイミングでスマホのバイブが鳴る、勝手に紹介してもらえると思った男共が騒ぎ始めてるのでスマホを確認する。


差出人は冬華だった、そして開いた事を後悔した。

『来週、入学式の後に優希おにーちゃんと耀おねーちゃん、春華と私でデートに行きませんかー?おにーちゃんに新しい服選んで欲しいんだよねー』


「なっ…上凪…てめぇ…水城さんだけに飽き足らず美人姉妹もだとぉ…」

「許せん…許せんぞてめぇ…」

「なぁ…コイツ埋めね?」

「そうだ…埋めよう…」


段々男子達が黒く怨嗟の声が漏れ始める。


そう思っているとクラスメイト?の女子(教室で見たこと無いかつ記憶にございません)に囲まれる。


「ねえねえ上凪クンって意外とかわいい顔してるよね!」

「あーそれ、ウチも前から思ってた!」

「ちょっと先輩!やめてくださいよー私も実は狙ってたのに」

いやなんで先輩が居るの!?ここクラスの集まりだよね?


「やめなよー、本妻に怒られるわよー」


そう言って耀へ囃し立てる女子


「耀ーいいの?旦那が鼻の下伸ばしてるよー」


「あー大丈夫ー優希は私にゾッコンだから、それに婚約もしてるし」


ニヤニヤしながら耀が爆弾発言を落とす。


「一瞬室内がシーンとして皆が固まる」


「「「「はあああああああああああああああああああ!?」」」」


部屋が揺れたしかもマイクがハウリングしてキイィィィィィンとなる。


「進んでるとは思ってたけど…まさかそこまでとは…」


「いやいやホントなの?」


「えープロポーズはどっちから?」


「ぢぐじょゔ…ぐやじぐなんがないぞ…」


「涙拭けよ…」


「うわぁ…」


「あわよくばとか、思ってたんだよ…」


「流石にないわぁ…」


ガチ泣きしている男子に途端にドン引きし始める女子達。


そのカオスっぷりとは別に、テレテレしながら耀はプロポーズの時の事を語って別の女子とキャーキャー言っている。


耀の事もありクラスメイトとの間に壁を作ってた俺も悪いのだが、今迄接して来なかったのが少し悔やまれる。


「ゴメン…ちょっとトイレ」


囲まれてる為談笑してる所悪いが、流石に2時間近く質問攻めにされるとトイレにも行きたくなる。

周囲にそう断り抜け出す、一息ついていると委員長が話しかけてきた。


「やあ有名人、気分はどうだい?」


「委員長、それ喧嘩売ってる?」


「いやいや、僕の名前を覚えてない君には言われたくないぞ」


「その節はすみませんでした」


「いいよいいよ、どうせ上凪君はまだ僕の名前を憶えてないだろうしw」


「うっ…それを言われると」


「まあ君は良い意味でも悪い意味でも水城さんしか見えてないからねw」


「あーあはは…」


「だから君はあれだけかっこいい事が、出来たんだね」


そう言いながら委員長はスマホの画面を見せてくる、そこにはお姫様抱っこで耀を運ぶ俺の姿が映っていた。


「ちょっと待ってくれ…それいつ撮ったんだ?」


「あぁ、インターネットの掲示板」


「掲示板!?」


「君のスレ立ってるよ」


「うへぇ…マジか」


「テレビでの速報や中継もネットに出回ってるからね…そこで提案なんだけど」


「ん?提案?」


「そうそう、お節介焼きから損はさせない最高の提案」


「まあ話だけは聞こうじゃないか」


「それはね…」


◇◆◇◆

「「「指輪?」」」


「そう、皆に婚約指輪をと思ってね」


「どうしてそんな急に?」


「私達は嬉しいですけど…」


「私も欲しい気持ちはあるけど…おにーちゃんの負担になりたいわけじゃ…」


「いやいや、今日ね、クラスの送別会があって色々言われたんだよ」


「あぁ…あの時の事ね」


「何言われたんですか?」


「いや…二人を紹介しろとかね…」


そう、トイレから戻った後はちょくちょく紹介しろだ譲れだ言われたので二人はやらないと言ってしまって、堂々の三股宣言!とか公認浮気!とか美少女ハーレム許すまじとか言われたのもあり、己の中の独占欲が鎌首をもたげてしまった、そんな事があり皆に買おうと思ったのである。


「ん?春華?冬華?どうした?」


「えーっと…優希さんから直接「俺のもんだ」と言われてしまった感じがしまして…むず痒くなっちゃったんです…」


「なんかおにーちゃんの言い方が珍しくて…」


「そっか…わかった、俺の婚約者と周りに示す為。今度の買物の際に買いに行くって事で大丈夫か?」


「「「はーい!」」」


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