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第29話:救出作戦決行③

「助けてええええええ」


その叫びと共に子供達が部屋に飛び込んできた、背後にはモンスターが複数見える。


「春華盾を!耀、冬華は戦闘態勢!神楽坂さん達は子供の保護を!」


「「「はい!」」」「任せて!」


敵は…レイス5体にマーダードールが8体、これは初撃での全滅は不可か…なら。


「春華!耀と冬華を守ってくれ!冬華はあの人形を!耀はあの幽霊型モンスターに魔法攻撃!属性は任せる!」


「ちょっと優希はどうするの?」


「一当てしてくる!耀この戦いは耀が要だ確実にレイスを倒してくれ!」


「冬華!俺が撃ち漏らした相手を頼む」


「任せて!お兄ちゃん!」


「春華!ここは任せた!」


「任せて下さい!必ず護ります!」


「神楽坂さん達は子供の確保後は耀たちの後から出ないでくれ!」


「わかったわ、皆しっかり子供達を守るわよ!」


他のメンバーの返事を聞くことなく全身に張り巡らせた身体強化魔法で踏み込む、足元の床が砕ける音がした。


投擲用のナイフを2本取り出し魔力を込める、次の1歩で投擲を決める。


その投擲で1本目は回避をしようとしたマーダードール腰部を貫通して2体目の頭部に刺さる、2本目は1体の核を砕いた、後2歩の距離、刀を抜き魔力を込めた一閃をする、『見様見真似小鳥遊流刀剣抜刀術——閃刀』。


「ギギャアアアアア」


手応えは3体内2体は核を両断した、1体は頸を落としただけだ。


返す刀で仕留め損ねた1体の核を斬る、その瞬間すぐ横を冬華の矢が翔け抜けた、振り返ると2体のマーダードールは跡形もなく砕けていた、あっ後ろで何か崩れた音がする…怖。


春華は最後の1体の攻撃を往なし、身体強化した俺の目で捉えられない速度で相手の核を貫いていた、強くね?


後は耀に向かうレイス2体だ、視線を向けると丁度詠唱が終わった様だ、氷の剣を2本作り出しレイスを串刺しと両断する、レイスは魔法攻撃や魔法を纏わせた攻撃に弱いのでそれだけで倒せてしまう。


「—————————!?」


腰部が砕かれた最後の1体は悠々と残った耀の剣で核ごと串刺しにされ消滅した。


「振り返ってみると圧倒的だったな…特に冬華の弓の威力と春華の1対1の強さ…あれ俺でも躱せないな…」


戦闘終了後戻ると、冬華に抱き付かれ、春華と耀に頭を撫でるのを所望されていた。


その状態で神楽坂さん達の所へ行くと怪訝な顔をされた。


「貴方、いつもそんな状態なの?」


「お恥ずかしながら…」


「なんだとー我々の愛情表現が恥ずかしいというのかー」


「そうだそうだー我々はたいぐうの改善をもとめるーほらっ春華も」


「もっ…もとめるぅー」


「春華付き合わなくていいぞ…」


「はぁ…割と大きな事件が先程あったのだけれど…なんか緊張してるのが馬鹿らしくなっちゃった…」


仕方ないわねーとでも言いそうな苦笑いをしながら神楽坂さんは溜息をつく。


「とりあえず今あったことは綴さんに報告をしよう、子供達の容態は今見てもらってるから簡潔に報告をするね」


「お願いするわ、私は子供達の様子を見て来るわ」


「とゆう訳だからちょっと静かにしてて」


「「はーい!」」「はいぃー」


「綴さん聞こえてます?」


「はいはーい聞こえてるよーいやー凄いね…なんか映画見てるくらいの派手さなんだけど…」


「あーあはは…」


「とにかく子供達は何人居るの?」


「そうですね7人居ます…容態に関しては今神楽坂さんに見てもらってるので後で聞いてください」


「了解、それで今入ってきた情報なんだけどね、今回の失踪した子供達、全員で50人程みたいなのよ」


「えぇ!?それって情報が今入ってきたんですか?」


「そうなのよ…しかも情報の出所がその…SNSなのよ…」


「ええっ?何で?」


「どうやら失踪した子の親がインフルエンサーに取り上げてもらったからみたいなのよ、この感じだと何処かで情報が意図的に止められてたと思うの」


「それって…」


「十中八九、この指令を出してて来た人が関係してるわね」


「ともかく子供達をこのまま継続して探します、ドローンは戻れそうですか?」


「今の所は戻れているわ、ただ戻るのは1本道になるわ」


「わかりましたちょっと方針を考えます」


「わかったわ、決まったら連絡して頂戴」


通信を終え神楽坂さんの方へ向かう。


「神楽坂さん、どんな感じ?」


「ちょうどいいところに…子供達は全員無事よ、ただ聞く限り既に数人の子は犠牲になってるようなの」


「マジか…」


「それと、子供達は最奥までのルートを知ってるみたいなのよ」


「じゃあルートを聞いて、その通り進もうか」


そんな話をしていると1人の少年がこちらへ歩いてきた。


「あっ、あの!」


「ん?どうした?」


「道案内は俺に任せてくれませんか!」


「それはどうしてだい?」


「そっ、それは…」


顔を赤くして途端にもじもじ仕出す、なんとなく理由はわかったけど…どうするかなぁ。


「理由が言えないなら判断は出来ないかな?」


「幼馴染が捕まってるんだ!だから一緒に行かせて下さいお兄さん!」


勢い良く頭を下げる少年に、俺は返す言葉を迷っていた。


(ルートさえわかってしまえばこの子を連れていく必要は無いし、もし間に合わない場合もある、その際はこの子の心が壊れてしまうだろう)


「良いんじゃない連れて行っても、おにーさん」


「耀、あんまり無責任な事言ったら…」


「でもお兄さんもその状況なら助けに行きますよね?」


「うっ…」


「だったら私達も目が届くところが良いんじゃない?おにーさん」


「わかりました、俺の負け…勝手に着いて来られても困るし、同行を許すよ」


「ありがとうございます!ありがとうございます!」


「わかった、わかった、これから一緒に行動するんだ、俺達の言う事を聞くこと」


「はい!」


「じゃあ自己紹介しよう、俺は上凪 優希、君の名前は?」


俺の自己紹介に目を丸くする少年。


「えっ、えっと俺の名前は端詰はしづめ 勇輝ゆうきです!」


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