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【第12回ネット小説大賞 受賞】【コミカライズ化決定】異世界から帰ったらこっちの世界にダンジョンがあるんだけど!?〜モテたいのでダンジョンで頑張ります〜【祝200万PV突破】  作者: ふぇありす
第8章【転生陰陽・現代聖女編】

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第10話:晩餐会終了

地獄の辛さを味わった後は一転、甘みの強い魔族領の甘いお菓子だ。


「本日は来られておりませんが魔王様より送られました品で『蜜珠の雫』と呼ばれる果実を魔法で結晶化させたお菓子でございます」


出されたお菓子は金平糖の様なお菓子、一口食べてみると外側はパリパリとした飴の食感、だが内側はゼリーの様な弾力と柔らかさがあり、溢れ出た果汁が口の中で次々と変化する。


これは初めて食べるお菓子だな……。


「すみません、これって見た事無いお菓子なんですけど。魔族領のどこら辺の物なんですか?」


控えていたメイドさんに聞く、するとメイドさんはメモを取り出す、どうやら詳しい説明はそこに書いてあるようだ。


「えっと……魔族領南西部の砂漠地域にある『パダ・デュ・ガナコ』という樹に成る実で、加工は魔術学園都市で行こなわれているそうです」


南西部っていうと一度だけ行ったんだけど……そんな果物あったんだ?


「ありがとうございます、後で魔王様に数が用意できるか聞いてみようかな……」


用意できる数によってはメニューに入れられるかな?


そんな事を考えてる内に次の料理が運ばれて来た、お皿の上にある蓋(クローシュ)を開けられるとそこにあったのはハンバーガーだった。


「こちらは、我が国で最も好まれている『ハイルブーグ』という料理で皆様の世界で言う『ハンバーガー』でございます」


「「「「「…………」」」」」


そりゃ黙るよなぁ……俺が食べたくて作った料理だし。どこからか伝わったのか、何故かブームになって貴族たちが嬉々として食べてるんだよ。


「皆様には馴染みがあるかもしれませんが、こちらの料理は我が国の庶民から貴族まで自由に食べられる様に、王国のどこでも作る事の出来る料理なのです」


パンさえあれば干し肉でもソーセージでもミンチ肉でも食べられるからね、騎士団の糧食としても大人気だし。


「ただ、今回は素材にこだわらせていただきました。ですので皆様一度食べてみて下さい」


アルファエルさんの言葉で皆、ハンバーガー掴み食べ始める。


「俺も、んんっ!?」


シンプルな塩と肉汁が溢れの小麦の甘味に胡椒の香りとピリ辛が調和をまとめる。


「なんだこれ……すっごい美味い……」


「うんうん、シンプルなのに何でこんなに美味しいの!?」


「肉汁凄いのに、しつこさが全然ないよ!」


クラスメイト達ががっつき少し大きめのバーガーがスッと消える、確かにこれだけ肉汁が出たら脂っこい筈なんだけど……そんな事ないし……。


「こちらは、全てユウキ様の領地で育成されている品でお作りさせていただきました」


その言葉で俺への視線が一気に向く。


「え、えっとぉ……本当に?」


「えぇ、小麦もお肉も塩も胡椒も全てユウキ様の領地ですよ」


「知らなかった……」


エアリス達の方を見るとニコニコと笑っている、この無言の意思表示は忙しいのはわかるが領地に目を向けろって事だよなぁ……。


「と、とりあえずこれが出せるのであれば量は確保できそうなの?」


「えぇ、十分に確保しておりますわ。それとお野菜も作っておりますのでもしよろしければそちらを挟んだものもご用意できますが?」


「あっ、はい、お願いします……」


それから一回り小さめな野菜入りの方も食べると流石に、皆もお腹がいっぱいになって来た様だ。


「皆様、本日はどうだったでしょうか? 学園祭アイディアのお力添えにできれば幸いだと思います。この後はお風呂のご用意がありますのでこちらでご案内させていただきます」


アルファエルさんの号令で男性は執事、女性はメイドに連れられ部屋から出て行く。


「さて、俺は……」


良い時間だし、急いで小鳥遊家へ向かわないと。


「優希様、急いでどこに行こうというのですか?」


にっこりと笑うエアリスが背後に立っていた、話しがあるという顔をしている、恐らく俺の領地についての事だろう。


「あーえっと……。これから春華と冬華の所……というか小鳥遊家に……」


そう言うと、きょとんとした顔になる。


「春華さんと冬華さんのお宅ですか、急ですね?」


「あーあの件か。姫様、今日は許してやってくれ」


いつの間にかこちらに来ていたガリウス、恐らく俺が捕まるのがわかってたみたいで頭を掻きながら擁護をしてくれる。


「ガリウス陛下は知ってらっしゃるのですか?」


「あぁ、俺の方でも手伝う事があるからな」


「そうですか、仕方ないですね……本日は戻ってらっしゃいますの?」


上目遣いで言われる、可愛らしいその顔に頷きそうになる。


「それは、鷲司さん次第かも……改めて時間を取って説明するね」


「わかりましたわ、後日必ず領地についてお話させていただきますね」


「わかった、お手柔らかにお願いします」


納得したエアリスが離れていく、どうやらユフィ達を連れてお風呂へ向かう様だ。


「ガリウス、助かった……」


「忙しいのはわかってるが、領主である以上民の暮らしがあるんだからな。ちゃんと考えてやれよ」


ガリウスに釘を刺される、こう見てガリウスは国の経営が上手いからなぁ、半分くらい腕っぷしだけど。


「わかった、今度しっかり時間を作るよ」


行って来いと背中を叩かれ、小鳥遊家へ転移するのだった。

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