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【第12回ネット小説大賞 受賞】【コミカライズ化決定】異世界から帰ったらこっちの世界にダンジョンがあるんだけど!?〜モテたいのでダンジョンで頑張ります〜【祝200万PV突破】  作者: ふぇありす
第8章【転生陰陽・現代聖女編】

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第6話:第一回・クラスメイトの異世界旅行

「十五…十六……よし、全員揃ったね。後はエアリス達だけだ」


今日はクラスメイト達が初めて異世界に行く日だ。


「それじゃあ、約束事項ね。勝手にどっかいかない、はぐれない。何かを買いたい時は俺に言う、危なくなったら渡したお守りの紐を引っ張ってね」


浮足立つクラスメイト達を前に俺が言う、気もそぞろだが返事は帰って来る。


「あと、リーベルンシュタイン以外、言語は通じないから気をつけて」


リーベルンシュタインは俺が長い事居たというのもあって、日本語を話せるメイド・バトラーが居るので大丈夫だけど、フィルレイシアとノーブルブラッディは日本語ほぼ通じないのだ。


話し合いの中で召喚術式を応用した転移呪文に翻訳魔法を組み込むか話し合ったんだけど双方のお義父さん達にはあまりいい顔をされなかった。理由としては話せてしまう事は余計なトラブルに巻き込まれてしまう可能性が高いとの事だ。


『最近、他の小国のスパイが紛れ込んでてね……異世界人の知識を狙ってるみたいなんだ』


『あぁ、こちらでも確認しているよ。だから言葉を話せない方が彼等にとってはリスキーな分、無価値に等しいからね』


『まぁ、二国の王たる君の周辺に手を出す馬鹿な輩は居ないと思うけどね』


『だけど、異世界人はこちらの言語を話せないと印象付ける方が良いからね』


と、許可取りの会議で言われた事だ。


「でも、上凪君は言葉通じるんですよね?」


「うん、俺の場合はちょっと特殊で翻訳魔法を異世界の神様から授かったからね」


「なんかそれ……ズルくね?」


その言葉がクラスメイトの口から出た瞬間、影から出て来たシアに組み伏せられナイフを突きつけられる。


「貴様……僕の旦那様を愚弄する気か!?」


凄く目が血走ってるんですが、というかそこまで怒らなくて良いのに。


「ああん! 何か言ってみろよ!! あぁ!?」


グイグイと刃が口の中に進んで行く、流石に止めないとな。


「はい、シア一旦中止。ナイフを口の中に入れちゃ喋れないでしょ?」


頭を優しく撫でながら担ぎナイフを取る。


「あうぅ……すみません……」


「怒ってくれるのは嬉しいけど、シアの力でやると簡単に死んじゃうからね」


「は、はい……」


小さく縮こまるシアを撫でながら笑うと俺の顔に胸を埋める、それを見ていた女子二人がキャーキャーと興奮し始める。


「さて、『回復魔法ヒール』大丈夫だった?」


「あ、あぁ……」


腰を抜かしたクラスメイトの草柳君に回復魔法をかける。


「まぁ、ずるいと思われるかもしれないけど。良い思いだけじゃないからね。暗殺者に命を狙われたり、悪落ちした国王に命狙われたり、吸血鬼のお姫様に命狙われたり、魔王として命狙われたり……俺って命狙われ過ぎじゃね?」


「あうぅ……すみません……」


縮こまるシアに気にしてないよと言いつつ更に頭を撫でる。


「ちなみに、この子。俺を狙った暗殺者の1人、異世界の暗殺者はこの位の強さだからヤバいと思ったらお守りの紐を忘れずに引いてね」


そう言って笑うと、皆が頬を引き攣らせる。


「それに、その時の召喚は目的を果たさないとこっちに帰れないし。下手するとその場で一方的な契約破棄とみなされて、存在が消失させられそうになったしね」


あの時は帰るに帰れなかったから大変だったなぁ……。


「それと、一番きつかったのは数カ月……数年はこっちの世界に帰って来れないって事かな」


意気揚々と異世界に行ったはいいけど、何年も向こうで過ごしているとホームシックが出て後悔したり、こっちの快適性が恋しくなるんだよなぁ……。


「そういえば上凪君って年齢が23歳なんだっけ?」


「そうだね、今から行くリーベルンシュタインでは5年過ごしてたからね」


「私だったら耐えられないかも……」


その言葉に他の皆も頷く。


「すまなかった、俺も軽率に楽したなんて言っちゃって……」


「仕方ないよ、何も知らない人が見たらそう見えちゃうし、俺も少しずるいよなぁとは思ってるからね」


話していると、ドレス姿のエアリスと騎士服のミュリが現れた。


「優希様、皆様。お待たせいたしました」


「すまないな、クリーニングに出していたのを忘れていて時間がかかってしまった」


二人の服はいつも着ているドレスや騎士服と違い、食事会やパーティー用の服である。


「二人がパーティー用の服なのに、俺は普通の服で良かったのか?」


俺は皆と同じ制服である、パーティー服で行こうとしたら止められたのだ。


「今回、私達が王家側ですので気にしないで下さい、優希様は日本側の代表ですので制服で居て下さい」


「わかった、細かな所任せちゃってごめんね」


「いえ、大丈夫です、殆どをお父様が決めて下さったので。私のお役目は当日のおもてなしだけですので」


「そうなの? でも大変だと思う……ってみんなどうしたの?」


クラスメイト達はどうしてか呆けている。


「いや、元々エアリスさん達って、すっごく綺麗なんだけど……」


「本当のお姫様過ぎて……」


「圧倒されてます……うん……」


そういえば、クラスメイト達の前で、エアリスが本気のお姫様モードを出したのは初めてだったな……。

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