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【第12回ネット小説大賞 受賞】【コミカライズ化決定】異世界から帰ったらこっちの世界にダンジョンがあるんだけど!?〜モテたいのでダンジョンで頑張ります〜【祝200万PV突破】  作者: ふぇありす
第8章【転生陰陽・現代聖女編】

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第69話:当てが外れた件

「主殿、見てきましたが奥は塞がれておりました」


与一が人の姿に戻り目の前に傅く。


「そっか、ありがとう。鬼一の方はまだみたいだね……」


鬼一の行った方角を見る、地下の小部屋から出ると道が左右に分かれていたので与一と鬼一を喚んで索敵に行ってもらっている。


「鬼一殿の方は崩落していないと良いのですが……」


「そうだね、収穫が無いのも困りもんだしね」


それから10分程した所で上がざわざわし始めた。


「どうしたんだろう?」


「主殿、私見てまいります!」


烏の状態で飛んでいく、穴から出てぐるりと1回転すると戻って来る。


「どうだった?」


「はい、鬼一殿が戻られました」


「へっ? 入り口の方から?」


「はい、こちらは私が見ておりますので主殿は上へ」


人形に戻った与一にジャンヌ達を任せ外へ出る、そこでは入り口の所で軍人さん達に止められてる鬼一が居た。


言葉が通じないので軍人さん達を押しのける訳にもいかず、どうしようも無さそうである。


「おお主! 今戻った!! すまないが言葉が通じないのでな……」


「そうだね、今説明するよ。すみません皆様、彼は私の式神なので無害ですよ」


そう言うと軍人さん達が湧く、「シキガミ!」とか「オンミョウジ!」とか言って興奮している。どうやらそう言った日本文化は知っている様だ。


「すまない主、助かった」


「いや、大丈夫だよ。それよりも、どうして聖堂の入り口から?」


他に入り口があったのかな?


「あぁ、それなのだが、どうやら中には妖術……魔法とやらがかけられているようでな、迷わされてしまったので崩れた壁をぶち抜いたら部屋があってな、そこから階段を上ったら似たような聖堂に出たんだ」


「似たような聖堂……どこだろう?」


もしかしたら何か手がかりかもしれないので先程の司祭さんにここ以外に大きな聖堂が無いか聞く。


「聖堂ですか……それでしたらサン・マルクー聖堂がそうですが……塔はいくつありましたか?」


「塔?」


「はい、1つですとサン・マルクー聖堂ですが2本になるとサン・トゥアン修道院と判別が出来ますので、そちらがわかれば力になれるかと……」


「わかりました、聞いてみますね」


鬼一に聞くと、塔は2つとの事だ、なのでサン・トゥアン修道院に絞られた。


「そうでしたか、他にお力になれそうな事はおありでしょうか?」


そこに出たという事は、何かしらその場所はジャンヌに関係のある事があるのだろう。


「えっと……不勉強で申し訳ないのですが、サン・トゥアン修道院とジャンヌ・ダルクって何か関係があるのでしょうか?」


もしかしたらそこが凄く重要な事があるかもしれない。


「はい、関係があります。それも、かなり重要な」


顔を顰めながら言う司祭さん、何があったのだろう。


「聞いても、大丈夫そうですか?」


恐る恐る聞くと、ゆっくりと話し始めてくれる。


「はい、ジャンヌ・ダルク様はコンピエーニュの戦いで敵軍の捕虜となりました、そして占領下にあるこの街で幾度かの裁判にかけられます、その中で最後の裁判……つまりジャンヌ様の死刑判決が決定した所です」


憎々しげに言う司祭さん、それなのに教えてくれたのは有難い事だろう。


「ありがとうございます、助かりました」


「いえいえ、今の時代知らない方も増えてまいりましたので、興味を持っていただけるのは嬉しい事です」


そう言って頭を下げられる司祭さん、これ以上は時間が惜しいのでサン・トゥアン修道院へ向かわないと。


「いえ、これでもう一度ジャンヌ・ダルクが国を救えます」


「それはどういう……まさか?」


「ついでなので床直して行きますね」


与一と鬼一に呼びかけジャンヌ達を連れ出してもらう、それから床を治して聖堂の出口へ向かった。


◇◆◇◆

「皆様に、ジャンヌ様のご加護がありますように」


入り口まで先導してくれた司祭さんが一礼をする。


「ありがとうございます」


「あ、ありがとうございます」


「言葉は通じませんが、感謝を頂いてるのはわかります、ありがとうございます」


「応! ありがとうな!」


恥ずかしそうに答えるジャンヌと式神たちがお辞儀を返す、聖堂から出て再度軍人さんに頼み車に乗る。


「さて……って鬼一。もう少し小さくなれない?」


「もう少しか……あい分かった!」


すると見た目が縮み、15歳位の少年に変化した。


「うむ、これなら問題は無かろう」


「そ、その姿は?」


「応! この姿は幼き時の牛若じゃよ。記憶の中で明確ある幼子と言うと牛若くらいしか思いつかなくてな!」


そういってからからと笑う鬼一、声も渋い声から声変わりしてない少年の声だ。


「なんか……ユウキさんの周辺って何でもありですね……」


ジャンヌちゃんが驚き半分呆れ半分といった感じで呟く。


「俺も知らなかったし、いつの間にかこんな事になってて驚いてるよ?」


「その割には、驚いて無いですね」


まぁ、〝驚い〟てはいるけど、これくらいじゃ〝動じない〟ってだけかも。


そうして話をしている間に車はサン・トゥアン修道院へ到着した。

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