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【第12回ネット小説大賞 受賞】【コミカライズ化決定】異世界から帰ったらこっちの世界にダンジョンがあるんだけど!?〜モテたいのでダンジョンで頑張ります〜【祝200万PV突破】  作者: ふぇありす
第8章【転生陰陽・現代聖女編】

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第54話:ジャンヌへの説明とリーベルンシュタインへの相談

「という事でジャンヌ。明日はジャンヌちゃんが指揮する予定の皆の前で歌ってもらうから」


リーベルンシュタインに戻って来た俺は、ジャンヌに割り当てられた部屋へやって来た。


「へっ? それってどういう?」


「えっとね、ジャンヌちゃんは最前線で戦えないしだからといって吟遊詩人の能力を十全に生かさない手は無いじゃん?」


「そうですね、でもそれがどうして私が指揮するという事に!?」


『恐らく、私の能力ですよね?』


気付いたであろうジャンヌが出てくる。


「そうだね、元々ジャンヌ自身の才能なんだろうけどそれが元々ジャンヌちゃんが持っていた吟遊詩人としての素質と混じって、指揮した人達に能力の判定が広がったのかなって考えてるよ」


「ほえー、それって……凄いんですか?」


「『凄い(わ)よ』」


俺とジャンヌ、二人の反応が被る。


「そうなんだ……」


「という事で、ジャンヌちゃんは明日までに歌詞を覚える事。今日は地球に返っておばあちゃんを安心させてあげな」


『そうね、それに私もジャンヌのおばあ様と会って話をしたいしね』


「うぅ……恥ずかしいけど、どの道顔を合わせないといけないしね……」


そう言って立ち上がるジャンヌちゃん、いつの間にか入って来ていたメイド長が片付けに加わる。


「ユウキ様、国王様より手が空いたら来て欲しいとの事です。それと片付けはこちらで引き継ぎさせていただきます」


「わかった、じゃあジャンヌちゃんを送ったら戻って来るよ。ジャンヌちゃん行こうか」


「はい!」


メイド長に一礼をして地球へ戻る、そしてジャンヌちゃんを家に送り届けてリーベルンシュタインへ転移する。


「お待ちしておりました」


書類仕事……というか何かの仕分けをしていたメイド長が立ち上がる、というか何で俺の部屋で……。


「ユウキ様がいつ戻ってきても良いようにこちらでお仕事をさせていただいておりました、それとこちらが我が国や諸国の貴族達から来ているお誘いの手紙です」


「うわぁ……それと、考えてた事に回答しないで下さい」


しかし凄い量の手紙と書類だ、というかエアリスや巴ちゃん宛の書類もあるし、後はユフィやミュリ宛の手紙も分けられている。


「凄い量だね、これ持って行っても良いの?」


「はい、よろしくお願いいたします」


空間収納アイテムボックスにしまいメイド長と共に部屋を出る。


「この時期の手紙だと、お披露目や子供のお祝いか……」


「そうですね、この時期のお手紙の大半はそう言った御用件ですし、ユウキ様に子を抱いてもらえる貴重な機会ですからね」


リーベルンシュタインの風習で北部地域の寒い冬が終わり花々が咲き乱れる時期に子供のお祝いや時代当主のお披露目会等がある、その為俺への参加を打診している様だ。


「確か、厄払いの意味があるんだっけ?」


「はい、それにユウキ様は勇者様でいらっしゃいますから」


「うん、わかった。出来るだけ参加するようにするよ、悪いんだけど転移用の目印を持って行って貰っての事になるけど大丈夫そう?」


「はい、大丈夫ですよ」


「助かります」


そしてシド様の執務室に到着したのでノックをして入る。


「シド様、お待たせしました。呼ばれたので来たのですがどうしました?」


中に入るとかけていた眼鏡を置いて立ち上がる。


「随分早かったな、てっきり嫁達といちゃついてもっと時間かかるかと思ってたんだが……」


「いや、呼ばれたんでそれなりには急ぎますよ……」


ソファーに座り直しメイド長が出した紅茶を飲む、日本の紅茶だが相変わらず淹れるのが上手いな……。


「それでシド様、用事の内容は?」


「なんじゃ、せっかちじゃのう……まぁいい、昨日お主が伝えて来た住民避難の件じゃ」


「あぁ、お願いしたやつですか」


奪還戦や、緊急時の退避場所としてリーベルンシュタイン郊外の草原を一時的な避難場所として借り受けられないか聞いていたのだ。


「その件じゃが、どのくらいの人数になるか?」


「うーん……わかんないです……」


「いや、大体でも良いのだが……」


「そうですね……大体ですが少なくて数百人。多くて数万人ですね……」


「ユウキ殿らしくも無いな……」


「いや、本当にわかんないんですよ、魔物に蹂躙されている状態なので……」


政府からもらった航空写真を出しながら答える、敵で黒々とした地を見て顔を顰める。


「酷いな……」


「ですので、この大軍を相手にするには被害がどれだけ出るかも……救助者がどのくらいいるのかもわからないんですよ」


「そうか……出来るだけこちらで準備もしよう、こちらの兵は出さなくて良いのか?」


「有難いですが……正直厳しいと思います。敵は銃で武装してる場合もありますし、リーベルンシュタイン兵の武装じゃ叶いませんから。その代わりに復興のタイミングで力を借りたいです、畑とか耕すには人手が足りませんから……」


「わかった。その際は手配をしよう」


「ありがとうございます。それと先程メイド長とも話してた事なんですが――」


話しを終えて地方参りの相談をしていくのだった。


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