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第23話∶綴さんへの報告と春華と料理

耀と交代でシャワーを浴びた俺は先に出て涼んでいた耀と共に布良さんの運転する車で小鳥遊家へ向かっていた。


高級感のある皮張りの車内で耀は眠っている、涎垂れてるぞ…


ハンカチで耀の涎を拭い窓の外を見ていると。


「そういえば、優希様。綴様がいらっしゃっております」


「そうなんですか、早かったですね」


「ええ、大急ぎで来られたと言っておりました」


大変だなぁ…あの人も。


「それで何か言ってましたか?」


「今は小鳥遊様のお家で午睡になられてます、昨夜も遅かったみたいでしたので」


「そうなんですか…大変ですね」


「短い間でしたが元上司でしたのであの方の忙しさはわかります、あの部署も立ち上げたばかりで混乱が多いですし」


そう言ってため息をつく布良さん、大人って大変なんだな…


「優希様はお休みになられないのですか?」


「うーん、ではお言葉に甘えて」


「はい、お休みなさいませ」


布良さんの言葉にふかふかの座席に身を任せると睡魔にやって来て眠くなった。



◇◆◇◆

「んーよく寝たぁ!」


車から降りて耀は「んーーーー」っと伸びている。


「それでは、私は里菜様の様子を見てまいります」


「送迎ありがとうございます」「美魚さんありがとうございます」


そうして一礼して布良さんは武道場の方へ行った。


「優希、私もう少し魔法の練習してきていい?」


「良いけど、練習場所の許可貰ってないよ?」


「じゃあ鷲司さんに聞いてくる!」


そう言ってダッシュで耀は武道場の方へ行った。


「元気だなぁ…さて、綴さんは起きてるかな?」


そうして本邸の扉を開けて「ただいま戻りましたー」と声を掛けると中から姫華さんと綴さんが現れた。


「お帰りなさい優希君、先に手洗いとうがいしてらっしゃい」


「おかえりー優希君、ゆっくりでいいわよ~」


「わかりました」


それから手洗いうがいをして戻ると、紅茶とベイクドチーズケーキが用意されていた。


「お帰りなさい優希君、さあ食べてみて今日焼いてみたの」


そう促されて一口食べてみる、うまっ…中身トロトロでチーズの味が濃厚、しかも表面の焼き色からは想像できない甘さが口の中に届く。


「これ、美味しいですね初めて食べました」


美味しくてフォークが止まらない。


「姫華さん、これホントに美味しいですね…」


「あら、綴さんはもっと美味しいケーキ食べてるかと思ったんだけど…」


「あーあははっ…最近残業続きで碌に食事もとれないんです…」


「そうなの?じゃあ今日はゆっくりしていってね」


「うぅ…女神や女神がここにおる…」


なんでエセ関西弁なんですか…北海道の人ですよね綴さん…


二人がわいわい雑談してる間に食べ終えてしまったので、紅茶に砂糖とミルクを入れかき混ぜる、うん美味しい。


そうこうしてると綴さんも食べ終えたので本題に移ることにする、姫華さんは夕食の準備中だ。


それから綴さんとダンジョン内で録画した動画を見返す。


「ダンジョン内部についてはモンスターの遺骸が早く消える事は私達にも伝えられているけどここまで消えてないのは初めて見たね」


「そうなんですよ、今までの事とは違うので気になったんです」


「それでこの、胸の部分に剣を差し込んでるわね、これはどうして?」


「前に止め刺すために心臓部分を刺したら何か硬いものがあったんですよね、それで開いてみたら石みたいなのがあったんですよ、俺は核って呼んでるんですが」


「つまり優希君の呼んでいるその核って奴を破壊したら消えるのかな?」


「だと思います、スケルトンなんかも同様でしたので…」


「あースケルトンは確かに見える位置にあるね、写真で見ただけだけど」


「あんな感じのが他のモンスターにもあるんじゃないかと…」


「それをすればオーガとかも比較的楽に倒せるのかな?」


「オーガはやっぱり体表が硬いですし、なにより人間と同じ骨格でしょうから、胸骨の部分がとても固いと思うので難しいんじゃないかな」


「そうよねぇ…安易に倒せたら苦労しないわよね…」


「ですねぇ…」


「まあ、なんにしてもこの件は探索者への通告が必要な事よね…動画はもらって大丈夫?」


「だいじょうぶですよ」


「じゃあタブレット持ってくるからお願いするわ」


そう言って綴さんはリビングを出ていった。


◇◆◇◆

それから綴さんのタブレットに動画を移し替えていると姫華さんが夕食の準備を手伝ってほしいとの事だった。


「おまたせしました、何を手伝えばいいですか?」


手を洗いながら姫華さんに聞くと、丁度色とりどりの野菜を切り終えた所だ


「お手伝いありがとうね、今日はバーベキューだから串打ちをお願いしたいの」


「バーベキューですか!いいですね!楽しみです!」


「はい優希君用エプロン、具材はこっちに切ってあるからどんどん刺して行っちゃってね。」


そう言って持ってきた野菜やお肉はとんでもない量だった。


そしてエプロンの柄は世界的に有名なピューロなランドの看板キャラの猫の女の子である…俺のって言ったよね、まあいいか着けとこ。


「出来た串はコッチの大皿に置いておいてね…あー疲れた…」


姫華さんは肩を回しながらキッチンを出ていった。


さて、やりますか…具材は、かぼちゃ、鶏肉、めっちゃ高そうな霜降り肉、ピーマン、赤黄パプリカ、海老、ホタテ(殻は取ってある)、ソーセージ、玉ねぎ、人参、ズッキーニ、とうもろこし、エリンギ、椎茸位かな?

じゃがいもとさつまいもがあるけどホイル焼きのが良いね。


何を刺していくか考えていると、春華がキッチンの扉からこちらを見ていた。


「春華お帰り、どうしたんだ?」


「いえ、優希お兄さんが夕食の準備をしてるとお母さんから聞いたので、お手伝いに来ました」


「それは助かったよ、じゃあ一緒にやろうか」


「はい!」


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