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【第12回ネット小説大賞 受賞】【コミカライズ化決定】異世界から帰ったらこっちの世界にダンジョンがあるんだけど!?〜モテたいのでダンジョンで頑張ります〜【祝200万PV突破】  作者: ふぇありす
第8章【転生陰陽・現代聖女編】

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第27話:チンピラと借金

ジャンヌが立ち上がると共に、扉が乱暴に開くガラの悪い男が4人程入り口でこちらを見ている。


「なんだ、いるんじゃねぇか」


「リシャールさん今は!」


「うるせえな、お前がさっさと金を返せば済む話だ。客人が居ようが居まいが関係ねぇ、それともその客人を俺達に差し出すか?」


その直後、背後にいた男達が騒ぎ始める、どうやらエアリスやミュリ、それからリアさんをみて下卑た顔になる。


「そんな訳無いだろ!」


「じゃあ、今すぐ返すんだな」


「だってあと数日あるじゃないか!」


「関係ねぇ、俺が返せと言ってるんだ」


「でも、家賃だってまだなのに!!」


「しらねぇよ、とっとと返さねえと……やれ、お前達」


その言葉にミュリがリアさんのジャンヌの前に立つ男との間に割り込む。


「俺はこっちの女を貰うぞ!」


意気揚々と手を伸ばすチンピラの手を遮る、止められると思ってなかったのか額に青筋を露にする。


「何だクソガキ、俺様の邪魔をするってのか?」


「いやいや、人の女に手を出そうとしてるんだ止めない訳がないだろ?」


流暢なフランス語で返すと、東洋人が話せると思わなかったのか驚いた顔をされる。


「それに、お前達みたいな烏合の衆にくれてやるほど安い女はここには居ないからな、さっさと帰った方が良いぞ」


「何だと……このクソガキ!!」


振りかぶる手を押さえ膝を踏む、体勢が崩れたらそのまま掌底で打ち上げる。


「ひぎゅ……」


1発で意識を奪う、それから他の仲間を巻き込んで背後に倒れ込む。


「あでででで!?」


ジャンヌ達の方へ向かった男もミュリが腕を捩じ上げる。


「もう一回言うよ、今日は見逃してあげるからさっさとお家に帰りな、坊ちゃんたち」


そう言うと、リシャールと呼ばれた男が憎々しげに伸びた男を蹴り上げて吐き捨てる。


「しかたねぇ、今日は見逃してやる、次は金を用意しておけ!」


伸びた男を皆が担ぎそそくさと出て行った。


その後、扉を修理しながら与一を呼び出す。


「今男を担ぎながら移動してる男達が居ると思うんだけど、そいつらを追跡してくれない?」


「御意、目印はありますでしょうか?」


「俺の魔力の一部を目印に付与してるから、わかると思う」


「御意」


烏の姿になって飛んでいく、それを見送って扉の修理を完成させるのだった。



◇◆◇◆

「さて……ジャンヌ色々と聞きたい事があるわ」


「はい……」


腕を組んでじろりと彼女ジャンヌを睨むリアさん。


「貴女借金もあるのかしら?」


沈黙を貫くジャンヌ、だが視線に負け大きく頷いた。


「は……い……このドレスを買ったり、生活の為に……」


「はぁ……確かにああいったお店は普段の服じゃ歌えないものね」


そう言ってドカッと座るリアさん。


「それより、さっきは助かったわカミナギさん、これで貴方には二度も助けられてしまったわね」


ニコリと笑いかけてくるリアさん、あの場じゃ助けないなんて選択肢は無いし……。


「あーでも、そっち側助けたのミュリだし、俺はエアリスに手を出そうとする奴を倒しただけだからさ」


「それでもよ、感謝するわ。さてジャンヌ、カミナギさんも帰って来た事ですしちゃんと説明していただこうかしらね」


「はい……実は……」


ジャンヌは少し気まずそうな顔で話し始めた。


◇◆◇◆

ジャンヌ達との話を終えた後、俺は郊外の少し寂れた倉庫の前に立っていた。


「主殿、こちらです」


「ありがとう、助かったよ。戻ってて良いからね」


与一を一撫でして送還する、それから重く錆びた扉を開けていく。


「こんばんわ~」


「誰だ! って貴様ぁ!!」


チンピラの集まりに顔を出す、先程俺が気絶させた男もすっかり目が覚めている。


「止めろ、ヴァルソ。一度お前は負けただろ」


「うるせぇ! あんなもの不意打ちを受けただけだ!」


「それでもだ、お前の身体を打ち上げられる男だ、むやみやたらに戦っても勝てないぞ」


「うぐっ……」


どうやらリシャールと呼ばれる男は大分冷静らしい。


「それで、お強いあなたが何をしに?」


「まぁ、一言で言うとこれ以上あの子に係るな」


「へぇ、じゃあアンタが金を返してくれるとでも?」


「そうだね、はいよ」


10000ユーロ分の札束を投げる、驚いた顔をしつつも受け取り数えていく。


「ふむ、確かにあるな、利子分くらいはおまけしてやろう」


「そりゃどうも、じゃあこれ以上はあの子に近づくなよ」


「約束しよう」


振り返り1.2歩進んだところで振り返る。


「あぁそうだ、証文あったよな?」


「チッ……これだっつ!?」


懐から出した証文を魔法で燃やす、それから倉庫の騒ぎを無視して外に出る。


「さて……宿に戻らないとな……」


頭を掻きながら飛んで宿に戻るのだった。


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