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【第12回ネット小説大賞 受賞】【コミカライズ化決定】異世界から帰ったらこっちの世界にダンジョンがあるんだけど!?〜モテたいのでダンジョンで頑張ります〜【祝200万PV突破】  作者: ふぇありす
第8章【転生陰陽・現代聖女編】

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第22話:狂う予定と移動

昼食後は観光と撮影再開……という事になるかと思いきやどこに行っても人が多くそれどころではない。


「メアリー、どうだった?」


「はイ、聞く所によるト。いくつかの美術館や公共の建造物も数日間は営業を早めに終了そうでス。それと凱旋門やエッフェル塔のライトアップも最小にするそうでス」


「まさか、電力の問題がもう出てるのかな?」


「どうなのでしょウ、メンテナンスの為と発表しておりますガ、本当の所は不明ですネ」


「ありがとうメアリー」


「はイ、では私は一度耀さん達の方へ説明しに行きまス」


お辞儀をした後はすたすたと耀達の方へ向かい同じ様に説明をしている。


「むぅ……これじゃあ撮影できませんね」


「仕方ないね、休みならば撮影出来ないし。とりあえず外観だけでも撮っとこう」


「(こくこく)」


「今日のスケジュールは移動の時間だけですから、撮影も出来なくなると考えると、潰れてしまいますね……。宿はイベント運営さんが取ってくれていたので問題は無さそうですが……」


「問題は、イベント開催が出来るかどうかだよね……」


「そうですね……」


少し暗めな話をしていると巴ちゃんが電話を終えて戻って来た。


「すみません、シェフから教えてもらった仕入れ業者さんに連絡をした所、2週間ほど前から起きていたそうで、その時は1~2日は問題が無かったそうなのですが。ここ3日は完全に止まっているそうです」


「そうなのか……」


「それ同時に森に大きな砦の様なものが現れたり送電塔が破壊されているそうです」


「それって……ダンジョンの影響だよな……」


「はい、私もそう考えます。でも鉄を集めるモンスターなんて居るんですか?」


「鉄を食べるモンスターならいるけどなぁ……」


「何にしても、今政府の方々が調査に出ているので私達の出番はまだ先かと……」


「……出番あるの?」


「逆に無いと思います?」


ため息交じりに言う巴ちゃん、だろうなぁ……。


「だよねぇ……」


いつまでもここに居る訳にはいかないし、少し早いけどイベントの行われる街へ向かおう。


「皆~移動するよ~」


振り返ると、人混みが出来ていた。


「Laissez-moi prendre une photo ! C'est comme un personnage d'anime !(写真を撮らせてくれ! まるでアニメのキャラクターだ!)」


「Tellement mignon~ Je me demande si ces oreilles sont réelles ?(かわいぃ~ この耳は本物なのかしら?)」


「Yamato Nadeshiko est si belle, si tu le souhaites, tu veux du thé ?(凄く美しい大和撫子だ、もし良かったらお茶でもどうかな?)」


「Tu ressembles à une princesse d'un livre d'images!(貴女、まるで絵本の中に出て来るお姫様ね!)」


人が多くいるという事はかなり注目されるという事だ、自然と周囲と違う服装の皆が老若男女問わず注目されるのは当然だろう。


後、ナンパ野郎は処す……。


「いつの間に……」


「優希さん助けないと!」


「そうだった!」


それから割って人ごみに割って入りながら引き剥がしていく事が出来た。その隙にバスに乗って離れるのだった。


◇◆◇◆

それから2時間、バスに揺られ到着したのはイベントの行われるランスという街。ここはパリにもあるノートルダム大聖堂が存在していてこちらも世界遺産に登録されている。


「ちなみにこちらのノートルダム大聖堂ではジャンヌ・ダルクに関わり深いシャルル7世やマリーアントワネットで有名なルイ16世の戴冠式が行われた場所です」


夕暮れの光によって赤く染まる大聖堂を指差すメアリー。


「意外と知ってる名前が出てくるんですね……」


「受験の為に名前と事柄は覚えましたが、詳しい場所などは覚えて無いですし。結構教科書に出て来る人達に縁のある場所なんですね」


「そうだね~実際に訪れると印象変わるわね~」


「うっ……受験かぁ……嫌な事思い出しちゃった……」


嫌そうな顔をする天春あまがすさん、そこに夏風かふうさんが釘を刺す。


「はぁ……菫はもう少し勉強しなよ? アイドル一本じゃ将来厳しいよ……」


「えー私は探索者も出来るしダンスも得意だからね~」


「うっ……この体力お化け……翠も何か言ってよ……」


「うっ、菫ちゃんちゃんと勉強しよう?」


上目遣いで言う冬爪ふゆづめさん


「むぅ……良いもん良いもん! 最悪は優希さんに養ってもらうもん!」


「へっ!?」


「優希さんなら、どこかに良い伝手ありますよね? それともお嫁さんとして貰ってくれていいんですよ?」


「い、いや……伝手は無いし、お嫁さんにするには耀の了承を得ないと無理だからね。それに俺ポンポンとお嫁さん増やしてる訳じゃ無いし……」


「「「「「えっ!?」」」」」


全員が驚いた顔をする、え?俺ってそんなポンポン嫁増やすような、だらしない男だと思われてたの!?


「えぇ……心外だよ、これでもちゃんと断ってたりするんだよ?」


「またまた~冗談を!」


「おにーちゃん、来るもの拒まずだったし……」


「なぁなぁでお嫁さんにして貰っちゃった僕が言うのもなんですが……冗談ですよね?」


「でも、ユウキ様は押しに弱いですし……」


「ん、それでいて何だかんだ責任をしっかり取ろうとしてる」


「でモ、簡単に女性はお持ち帰りされますよネ?」


「メアリー! 流石にそれは誤解が!?」


「確かにお持ち帰りになってたわね……縄で縛ってましたし」


「縛ってましたね……」


「縛ってたよねぇ……」


と俺の過去(黒歴史)が暴露されたのだった。


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