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第52話:京都観光①(二条城編)

着物を選び終えた俺達は、三条さんのお店から近い二条城へ来ていた。ここは昨年、本丸御殿の長年かけた補修工事が終わった事で来たのだった。


「そういえば中学生の頃は京都に来たけど、二条城は来てないわね」


隣を歩く耀が言う、中学生の頃は京都タワーや清水寺、太秦映画村なんかが基本だったし翌日の大阪にあるユニバーサルな遊園地の方が魅力的だったもんな。


「確かに、というか京都の事はあんまり記憶にないな……最終日の遊園地に気もそぞろだったしなぁ……」


あの時は某魔法使いの映画のエリアでわいわいしてたけど、まさか本当に魔法が使える様になるとは思いもしなかった。


「そうね、しかその時に優希や班のメンバーと魔法使いのエリアのギミックに興奮してたわよね。まさか数年後、本物の魔法使いになるなんて思いもしなかったけど……」


耀も同じことを考えていたようで、耀の方を向くと目が合い笑い合う。


「まーたお父さんとお母さん、いちゃついてるよ……」


「幼馴染はやっぱり強いですね」


「ん、強敵」


「いいなぁ……私も幼馴染というものが欲しいですわ……」


「リリアーナ様、それは王族には厳しい願いですわ……」


「それにしても、日本の城にしては低いな……」


「そうですね、これだけなら簡単に攻めれそうですね」


「ミュリさんユキちゃん、それはこのお城が作られた時期にも関係してるんですよ」


三条さんから貰ったチケットで門をくぐる。いつの間にか皆仲良く話していたり、里菜の二条城についての講義を聞きながら歩いていく。


「ここの二条城は家康の時代に作られたもので、室町幕府の将軍、足利義昭の時代に作られた二条城は別の所にあるのよ」


「えっ、そうなの?」


「そうなんですよ、旧二条城は今の京都御所の一部に重なるように作られていたんです」


「へぇ……知らなかった」


「でも、天守まで作られたのは今の二条城だけですけどね」


「「「「「へぇ~」」」」」


聞いていた皆が声を漏らす、道行く人も聞いていたのか感心した声が出ている。


「それで、この二条城はだれが住んでいたんですか?」


優羽が里菜に問いかける。


「それは当時の幕府の将軍ですね、江戸時代ですと天皇は皇居ではなく京都御所に住んでいましたから」


「そうか、だから平和な時期ゆえ、城壁が低いのだな」


「そうですね、でも内堀の城壁は高いですけどね」


「ほう、勉強になるな……」


何やら写真やらメモを取っているミュリ、近衛騎士団だしお城に興味あるのかな?


「エアリス様、ユウキの城はここをモチーフにしようかと思いますが、どうでしょう?」


「そうですね、日本式でしたらユウキ様もリラックスできると思いますわ」


ん? なんか今俺の城とか言ってないか?


「あの? ミュリ、今俺の城って……」


「あぁ、近々ユウキの貰った領地にある港湾都市の再整備を行う事になってな。上下水道の整備と新しくリーベルンシュタインでの活動拠点になる城を一つ作ろうという話しになっててな」


「え? それで作るの? 城を!?」


「ユウキ様は今リーベルンシュタインとアストラの王位継承権を持っているんです、それは覚えていらっしゃいますか?」


「えっと……リーベルンシュタインはエアリスをお嫁さんにする上で理解はしてるけど……アストラってどういう事?」


全く思い当たる節が無い……。


「ユウキ様、ガリウス様を公の場で倒しましたよね?」


そう言われて思い出す、半年位前にやった武術大会を。


「でもあれって、正式な継承戦じゃ……」


「その後、決闘都市で『ガリウス様の代わり』を名乗りましたね?」


確かに言ったけど……あの時は里菜のご両親助けるためのブラフなんだけど。


「それはその場の勢いで……それにブラフだし!」


そう言うと、ため息をつくエアリス。


「はぁ……ブラフとは言っても、多くの観衆が聞いていましたから有効なのですわ」


「マジか……」


「はい、ですので二国の王位継承者が住む邸宅として、下手な物は作れないですから」


「あはは……はぁ……」


諦めよう、もう既に向こうの国々では動いてるだろうし、公共事業だから取りやめにすると各方面に迷惑がかかるだろうからなぁ……。


「それに、2領の緩衝地域だからなあの都市は。ユウキの威光を示す必要もある」


あーそんな事も言ってたなぁ……。


「わかった、城と領地の事は諦める……けど俺の邸宅は大きくしなくて大丈夫だからね?」


広い家は使いづらいし、出来れば小さな一軒家でも良い位だ……。


「いやいや、大きくしないと駄目よ」


「そうね、大きくしないと困るわね」


アミリアと耀が振り返る。


「え? どうして?」


「「だって優希ユウキはすぐにお嫁さん増やすでしょ?」」


二人の声がハモる、反論できない致命的な一撃だ。


「ですので、諦めて下さいねユウキ様」


エアリスににっこりと止めを刺された。

作者です。

現在優希が持っている王位継承権や家督相続権まとめ。

1.リーベルンシュタイン(第一継承権)

2.アストラ(第一継承権 ※ガリウスを倒した為)

3.ノーブルブラッディ(第一継承権)

4.フィルレイシア(第一継承権)

5.宝石獣の里(里長)


家督相続権

紡家(巴に弟妹きょうだいが出来るか、巴とその子供が優先ではある)

鳳家(里菜に弟妹きょうだいが出来るか、里菜とその子供が優先ではある)

小鳥遊家

上凪家

紡・鳳・小鳥遊の三家には各ヒロインとの間に長男が生まれたらそちらが家を継ぐというのが取り決めになっている。

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