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第39話:一条家の式神使い

◇一条家当主side◇

(用事があるからと本家から呼び出されて来てみては【六条家】の自尊心高めな孫のわがままに付き合わされるとは……)


控室でスマホを弄りながら時間を待つ、流石に八条と九条の合作の重装甲部隊には勝てないだろう、明日も朝から神事があるので帰りたい。


「失礼します、華組の皆様。準備の方をお願いします」


淡色の水干を着た三条家の者が入って来る。それよりも、呼びに来ると言う事は負けたというのかあの重装甲部隊が。


「待て、私が出る」


そう言って立ち上がると、控室に居た皆が目を見開く。


「貴殿達は呼ばれた身、終いをつけるなら一応十条の者でないとけじめがつかんからな」


正直な話、さっさと倒して早く帰りたい。


護符を持って控えから出る、すると通り道に一匹の式神が居た。


「三条のか、どうした?」


口に咥えた筒から手紙が見える、どうやら私宛の様だ。


「ふむ……」


要件はこうらしい……私が相手をする者はとてつもなく才に溢れた者で見たら気に入るとの事だ。


後は六条家に唆されているという旨だった。


「ほぅ、あの女狐がお墨付きをつけるとはな……」


手紙を袖にしまい、歩き出す。


「そこまで言わせるのなら、少しは期待をしよう……」


薄暗い小径を進み、相手の待つ庭へ向かうのだった。



◇◆◇◆◇◆◇◆

回収班の人達がひぃひぃ言いながらジャガー○ート集団を片付けた後ザ・陰陽師と言う風貌の人が入って来た。


「ふむ、貴殿が……」


入って来ると同時にジロジロと値踏みをされる。


「貴殿は式神の心得はあるか?」


満足したのか、見終えるとそう聞いてくる。


「えっと……三条さんの所で習いました」


「そうか、式神の契約は?」


「してありますけど……どうしてですか?」


そう聞くとニヤリと笑う陰陽師さん。


「陰陽師とは、式神と共に戦うもの。貴殿の実力見せてもらおうか」


なんか話が通じない人が式神を出す、犬から3メートル程の大蛇、それに数匹の烏が現れる。


「貴殿も出したまえ、実力が見たい」


「あ、はい……来い! 与一!」


水魔法で水鏡を出して、それを扉として呼び出す。


「はっ、主殿!」


「「!?」」


確かに与一の声がした、したけど……なんか人間出て来たんだけど……。


執事服を纏った濡羽色の長髪、金色に輝く瞳は確かに烏のものだ。


「どうなさいましたか主殿?」


「いや……与一お前、何で人間に?」


自分の身体を見る与一、たっぷり時間を使った後、目を見開く。


「なんですかこれはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


驚く与一、お前も知らんのか……。


「はっはっはっ! 三条が言うだけあるな……。良いだろう! 行け皆の者!」


命令を受け飛び出した式神が与一へ向かう。


「与一、武器は!?」


「わかりませぬ! 主殿がこれならというものを!」


「わかった! 翼の様な双剣!」


そう言うと与一の手に鋭い翼をモチーフにした双剣が握られる。


「かぁ!」


(あ、鳴き声は烏なんだ……)


烏とは思えない様な動きで瞬く間に斬り捨てる。


「凄いな……」


「主殿! これが人の身なんですね!」


あっという間に戦闘を終えた与一は喜ぶ。


「凄いな! その様な人の姿になる式神は……」


「うん、今回が初めてだからびっくりしてますけどね」


陰陽師さんが嬉しそうな声音をしている。


「それでは、この者達ならどうでしょうか! かくぎょう!」


呼び出されたのは、身の丈が3メートルはあろうかという、【鬼】と言うに相応しい姿の式神だった。


「この二人は古くから我が家に仕えている鬼人オニビトでね! さぁ、頼んだ!」


「がぁう!!」


「がぁぁぁ!!」


打ち合う与一と赫・曉の二体、入り乱れる攻撃で与一が追い詰めれられる。


「与一、片方受け持つよ!『——マルバス!!』」


「主殿!?」


魔装を発動した俺が一人の攻撃を正面から受け止める、オーガクラスの戦闘力はありそうだ。


「がぁう!?」


驚いた顔をする鬼人、感情があるかな?


「へぇ、まるで人間みたいな反応をするんだね」


「ぐぁう!」


対格差で押し潰そうとしてくるが、こちらはびくともしない。


「ごめんな、こんな奴は昔の時代にも居ないよな!」


「ぐぎゃう!」


飛び上がりながら顎を蹴り飛ばす、その威力に巨体がぐらつく。


「と言う訳で、寝ててな!」


そのまま畳みかけて、かかと落としと共に地面に蹴り埋める。すると、召喚が解除されて消えていく。


「さて、与一はっと……」


与一の方を見ると、傷を負いながらも善戦している。


「ぎゅるう!?」


短い断末魔を上げて式神が消える、それと同時に与一も膝をつく。


「すみません主殿……」


「仕方ないさ、今は休んでて。その内鍛えてあげるからさ」


頭を一撫ですると消えて行った。


「あははは! 凄い、凄いよ! ここまで戦える者は久しぶりだ!! 俄然興味が湧いてきました!!」


この人……式神が関わるとなんか人が変わるな……。


「ありがとうございます、それで終わりで良いですか?」


あれだけ強い奴出したし、流石にネタ切れだろう。


「ふふふ、まだ終わりじゃありませんよ! 来い!大百足おおむかで!!」


そう言って一番大きな門へ行き、巨大な百足を召喚した。

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