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第33話:割とすごく重要な、緊急事態が発生してた件。

優羽を送り届けた先の小学校で俺は教頭先生から、とても重要な事を聞かされた。


「うむむ……どうしよう……」


「どうされました優希さん」


昼休み、隣の席の巴ちゃんが首を傾げながら聞いてくる。


「それがね優羽の事で問題が起きててさ」


「優羽ちゃんの? 一体どうしたんですか?」


「うん、今日土御門さんを迎えに行くついでに優羽を学校に送って行ったんだけど。そこで教頭先生に優羽の授業参観や3者面談の際に俺達が来てない理由を聞かれてね……」


「ちょっと待って下さい、私もそれ初耳なんですが……」


「そうなんだよね、学校側は授業参観は来られない事があるのは、共働きのご家庭だと仕方ない事だとは言ってたんだけど、3者面談については優羽の進学の事もあるしご両親と話したいと言ってたんだよね……」


教頭先生はプリントの配布をしているから伝わっているはずと言ってたんだけど……。


「それは……一度お話しないと駄目ですよね……」


「うん、でも三者面談の日程がねぇ……」


聞かされた日は御前試合の日なんだよなぁ……。


「それは……どうしましょう……」


「とりあえず放課後、三条さんと四条さんに御前試合の日をずらせないか聞いてくるよ……」


出来るかわからないけど、まずは話してみないと始まらないし。


「それって、出来るんですかね?」


「最悪、夜にずらしてもらえれば大丈夫かな?」


三者面談は放課後とは言ってたし、終わってから即戻ってくれば問題無いかなぁ……。


「それと、この事は他の皆さんは?」


「一応メアリーに伝えたら、俺が学校に行ってる間に耀達には伝えに行ってくれるって」


メアリーも気付かなかったと落胆してたし、少し慌てながら皆のとこに行く準備してたからね。


「そうですか、皆さん驚くでしょうね……」


「だよねぇ、そして耀のお説教だろうなぁ……」


各方面にお詫びを入れつつ今日の訓練をどうしようか悩んでいると異世界で合宿中の細川君を除く華組の皆がやって来た。


「あぁ皆、今日の訓練メニューだね、まだ考えてて無いからちょっと待っててもらえるかな?」


そう言うと西園寺さんが口を開く。


「上凪さん、お話は結菜さん聞きましたわ」


「水臭いです……そういう時は私達よりも家族を優先して下さい」


「お二人に話したら、今日は自主訓練で良いそうです。無論私もやれることは少ないですが自分で出来る訓練を行いたいと思います」


「三人共……わかった。練習メニューは書いておくから頼んだよ」


「こちらに何かあった際困ると思いますので、私はこちらに残ってオンラインで参加します」


「わかった、ありがとう。それなら練習メニューを皆にメッセージアプリで送信するからお願いするね」


「「わかりました(わ)」」「任せて下さい」



◇◆◇◆

それから授業を受けつつ今日の訓練内容を纏め終え、三条さんと四条さんに連絡を取って学校近くのカフェに来てもらった。


「どないした? 上凪殿から連絡なんて珍しい」


「ほんとでありんす、何か問題が起きたと言ってやしたがどうしんした?」


注文の品が到着して、三人口を付けた後に話を切り出される。


「それがですね……」


俺に子供が居る事、その子供が孤児だという事や今小学校に通ってる事。その小学校での三者面談が御前試合の日という事を伝える、二人は最初驚いていたがちゃんと伝えると二人共笑い出す。


「ははは、上凪殿も人の子ぉ……いや人の親どすなぁ!」


「ほんとでありんす。頼み事と言うから、どんな無理難題を言われるかと思ったら。そんな事とは思いもしんせんでありんした」


「これでも俺、普通の人ですよ? ちょっとすごい力を持ってるだけで」


心外だなぁとぼやくと二人共笑いを止めて向き直ってくれる。


「そうかそうか、せやったらひと肌脱ぐのん。日程をずらす事は出来ひんけど開催を遅うする事は出来んで」


「そうでありんすねぇ、半日くらいでありんしたら遅らせられんすわ」


「ありがとうございます、助かります!」


「えぇえぇ、それよりも娘の所に向かわんとええんか?」


「遅れると、頼りありんせんお父さんと思われんすよぉ」


二人が揶揄う様に言う、悔しいけどその通りだ。


「それじゃあ、ありがとうございます!」


お詫びに支払おうと伝票と掴もうとしたら三条さんにひょいっと取られてしまった。


「これこれ、恰好うらい付けさしたらええのに。一番若いのんが支払うたらみっともないやん」


「それなら、私もお言葉に甘えんしょうか」


二人が目配せをする、お辞儀をしてお店の外に出ると、自宅へ転移をした。



◇◆◇◆

◇結菜side◇

物理的に飛び出して行った優希さんを見送って早一時間、送られて来た訓練内容にぎょっとした。


「何なんですか……この龍脈から魔力を取りだして魔法を使うって……」


わたくしはクラスメイトの投げるお手玉をひたすら回避……」


「わたしは、デッサン人形でダンス……」


「明日成果を見ると言ってますね……」


書いている内容がシンプル故、先行き不安な感じもするが優希さんの事だ、必死に考えてくれてのだろう。


そう思うと、少しやる気が出て来た。

作者です。

補足で、優羽の通っている学校は私立の小学校で受験を受ける形で入学してます、優羽は元々地頭が良かったのもあり余裕で授業にもついていけてます。


ただ、優希達の世界は法改正等で中学の時点で探索者カリキュラムのある新設学校への進学を選ぶ事が出来る形になりました。

※但し基本は義務教育なので体育の授業や放課後に特別講座を受ける事が出来る形になっている。


なので保護者との面談が行われたりします。


ちなみに高校での探索者カリキュラムは体力・戦闘訓練から法律・確定申告のやり方を学びます。

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