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第20話:形代と憑代と壁

「それでユウキよ、この後はどうするのだ? わら……私はそろそろ明日の公務があるので帰るのだが……」


「この後は、一旦向こうの世界に行って皆の外泊申請をしてから。土御門さんの武器作りですかねぇ、上手くいけば良いですが……」


「人間は面倒よな……わかった、それではまた来るのでな、今日は馳走になった」


そう言って竜化した劉英さんは街の方へ飛んで行った。


「なんか、今度は目隠し用の装置作ってあげないと、目に毒だな……」


「妾たちはそんなの気にせんけどなぁ……」


「いやいや、こっちが気にするんですよ」


「人間は面倒じゃのう……」


そう言いながら細川君を軽々持ち上げて戻っていくのだった。



◇◆◇◆

「とりあえず、軽く実験をしてから、日本に戻ろうか」


「はい……では、なにをいたしますか?」


「うーん、まず土御門さんのその技についての情報を整理しようか」


「はい、とは言っても私、この技については詳しくわからないんですよ。気付いたら出来てたんで」


「そうなんだ、じゃあそこから整理していこうか」


「はい!」


それから、幾つかの予想していた事を試しつつ、土御門さんから聞いた上で色んな事を試した結果、現時点でわかった事を纏めていく。


「まずは、形代に憑依って言っても完全に乗り移ってる訳じゃ無いんだね」


「はい、本体……私の身体には一応意識はあります。ですが深い夢を見ているような感覚なんです」


「それで動かしている実感はないと?」


「そうです、それで各々の形代が戻って、初めて私に情報が共有される感じです」


「ふむ、じゃあ形代と本体同時に触ったらどうなるのかな?」


頭に浮かんだことを呟く、すると顔を真っ赤にした土御門さんがこっちを見ていた


「んなっ!? 何を言ってるんですか!?」


「ん? 戦闘時に意識がなくなる訳だし、攻撃が来たら危険だから……ね……」


うん、意味が分かった! 触るってすげぇやらしい事言ってるわ!


「言い方悪かった……」


「ううん! 気にしないで! それでお試しだね!」


寝転がってすぐに形代が動き出す、近寄って来た形代の手の部分を触り、逆の手にあたりそうな部分で握手をする。


そして、1~2分で戻る、目を覚ました土御門さんと視線が合う。


「そ、そのですね! 触られた感覚はありませんでした。ですが自分から触ってる感覚はありましたね!」


「ふむ、それじゃあ物理干渉は可能だね。これなら上手く使えば物理攻撃も可能になるか……」


武器を持たせられれば……だけどね。


「いや、武器を持たせた、憑代よりしろを作れば行けるか?」


「憑代……それに武器をですか?」


「うん、武器を持たせればドローンみたいに攻撃できそうじゃん」


「それは……どうなんですかね……」


「使い方次第だけどね、魔法を使える形代と近接で戦える憑代よりしろを使えれば面白く戦えそうじゃない?」


まさに一人パーティが出来るだろうし、華組の皆との兼ね合わせも強いだろう。


「それには、いくつか越えてもらいたい壁があるんだけどね」


「壁ですか?」


「うん、まず一つ目は形代と憑代を起きた状態で使用できるようにするって事かな」


「いきなりハードル高いですね……」


「次に魔法を使える様になってもらう」


「うん、もう富士山レベルですね」


「そして最後は起きた状態で、戦闘を行う」


「ハードルの高さはエベレストですね」


遠い目をしている……そこまで難しく言ったつもりは無いんだけど……。


「その前に、そういうって事は優希さんは出来るんですか?」


ジト目で見て来る、確かにやってみせるのは必要だよな……。


「うーんと……俺独自で良いなら……」


適当に負った折り鶴を数個用意して魔力を通わせる。


「うそぉ……」


浮かせて、視線で移動、魔法を使い近場の岩を攻撃する。


「ふぅ……こんな感じかな?」


「本当に規格外ですね……」


呆れた顔をされた……心外な……。


「まぁこれは土御門さんの形代に憑依する感じとは違うんだけどね」


「そうなのですか? 同じに見えましたけど……」


目を見張って不思議そうな顔をしている。


「魔法で形代との間を繋いでるんだ、糸で繋いでるみたいに有線式なんだ」


「ジオ○グですか」


真顔で言って来た。


「まぁうん、そう言われればそうだね……話が通じるなら早いや」


「つまりはそれが出来れば私もNTに!!」


なんか予想と違う方向でやる気だしてる……。


「ともかく、前にやっていた訓練の魔力を流す訓練の応用で出来るからそこから始めようか」


「はい!」


「という訳で、今日は一旦帰ろうか」


時計を見るともう九時を過ぎてしまっている、流石に帰らないと不味いだろう。


「もうですか? まだ私なにもしてないんですけど……」


不満そうな顔をしている、そうは言われもなぁ……。


「じゃあこうしよう、明日の準備があるから30分程なら練習してて良いよ、それ以上は今日は無し」


「わかりました」


「じゃあ行ってくるよ」


土御門さんから離れ、細川君の元へ向かうのだった。


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