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第4話:転入初日とクラスメイトの頼み

翌日はしゃぎ過ぎた結果、二人そろって寝坊しかけたが気合で起きて学校へ行く、今回は巴ちゃんも一緒に転入だ。


「それでは、上凪さん、紡さん、自己紹介を」


「はい、上凪優希です。この度は知見を広げる為に、こちらの学校に一時転入させていただくことになりました。短い期間ですがよろしくお願いします」


わたくしは紡巴です、この度は優希さんと共に学ばせていただく為に一時転入という運びになりました。短い期間ですが、皆様よろしくお願いします」


――パチパチパチ。


「はい、では二人は後ろの席に質問等は休み時間に。では授業を始めますよ」


そう言って授業が始まった。



◇◆◇◆

「それで、お二方。何か不自由などはございませんか?」


お昼休みの時間になり、宿泊している宿でいただいてきたお弁当を食べ終えると、西園寺さんが声をかけて来た。昨日、花山院さんに言われた俺達を気にかけて欲しいという言葉を守ってくれてるみたいだ。


「あぁ、大丈夫だよ。まだ半日だし、進みも同じくらいだからね」


「そうですの、でも紡さんは一つ下と伺っておりますが……」


心配そうに言う西園寺さん、そういえばと思い、巴ちゃんの方を見ると意外とケロッとしていた。


「はい、既に3年生迄の学習は済ませてますので……」


ふにゃりと笑う巴ちゃん、初耳なんですが……。


「さんっ!? 凄いですわね……私でも年間通しての予習が精一杯ですのに……」


「はい、卒業後は優希さんの為に会社を大きくしたいので!」


「会社ですの? そういえば、上凪さんが異世界からもたらす新技術に関する会社を作ると一時期、政財界で話題になっておりましたわね……」


「はい、優希さんはどうしても異世界でのお仕事や、世界中を飛び回りますので会社の基盤を紡グループで行う予定なのです。そこから将来的には独立した会社になり、エネルギーからインフラまで行う予定ですので」


嬉々として語る巴ちゃん、俺そんなの聞いて無いんだけど!?


「ちょっと待ってそんなの聞いて無い……」


「え? もう既に魔石燃料の飛行機はユフィさんが試作してますよ?」


そんな、さも当然のように……というかユフィさんは何作ってるの!?


「魔石……燃料?」


西園寺さんが不思議そうな顔をする、というか良いのかな? 社外秘じゃ無いの?


「えっと、これですね、簡単な蒸気機関ですが。魔石を填めると……」


小石サイズの魔石を填めると、シュッシュッと蒸気と音を立ててピストンが動き歯車が回り出す。


「これは……凄いですわね……」


西園寺さんがまじまじと見る、確か西園寺さんがの家、今は自動車関係を主流にしてたはず……お酒飲んでたからそこらへん曖昧だけど……。


「はい、これより一回り大きなサイズの魔石ですが、ラジコン模型に搭載されたエンジンを6時間なら動かせていますね」


「ろくっ……」


「でもこれ、実は未加工の状態なんです。加工してある、【魔力補充型魔石(電池式)】であれば、半永久的に動きます……条件はありますけどね」


「はんっ!? それだと従来のエネルギーが後進的になってしまう様な……」


とは言ってもね、原子力にはほど遠いし……家庭の電気を全部賄うのは無理に等しいしねぇ……。


「いえいえ、従来の物から規格を変えるには数年じゃ済みませんから、何十年もかけての以降ですよ」


「良ければ、我が家の事業でも一噛みさせていただけませんか? お父様にもお話を通したいと思いますので」


「はい、我が家は自動車事業には弱いので、是非ご協力出来ればと思います!」


なんか俺のあずかり知らぬ所で凄い物事が動いてるけど……巴ちゃんがイキイキしてるしまぁ良いか。


「あの……すみません……」


そんな二人を見ながら見ていると、声をかけられた。


「はい、どうしました?」


初対面の人なので努めて出来の悪い笑顔で返す。


「うおっ……上凪さんの笑顔まぶしっ……」

「目がぁ!? 目がぁ!?」

「あの笑顔……強力過ぎるわ……」


あ、あれ? 昔はこれで良かったはずじゃ……。


「ねぇ……紡さん、貴方の旦那様は。ご自分の顔の良さを理解して無いのかしら?」


「みたいですね……でも、ああするのは耀さんから聞いた話だと。昔から耀さんの事でやっかみを受けてて笑顔で躱す様になったかららしいですよ」


うっ……耀にはバレてたのか……でもまぁ殆ど2~3年の出来事だったし、笑ってればやり過ごせたから気にしなかったんだけどなぁ……。


「そうなのですね……でもあの笑顔は勘違い起こす方が増えそうですわね」


「ですね……鈴香さん達がアイドル化も一時期考えたらしいですが、あの笑顔相手じゃ自社の男性アイドルも喰われてしまうからと、言ってましたね……」


何それ、聞いて無い……というか人前に出るの苦手なのにアイドルとか無理だからね……。


「そ、それでですね。上凪さん、お願いがあるのですが……」


「お願いですか? 俺が出来そうな事なら……」


「はい、実は……」


最近、自分の戦闘技術が足りず。敵に苦戦する様になっているらしい、そこで体術や剣術を学ぶにはどの流派や西洋剣術の剣と盾の戦い方を学びたいとの事だった。


「そうだね……次の時間って実習の時間だよね?」


「はい、ですが定期ダンジョン掃討の実習で……」


定期掃討とは毎週学校指定のダンジョンで行われている実習でモンスターの数やスタンビートが起きないようにやっている奴だ。


「あぁ、それなら夜にでもやっとくよ、理事長先生にも言っておくし」


「良いんですか!?」


「あぁ、その代わり教えるのは大変だぞ?」


「うっ……わかりました……」


「あ、あのぉ……上凪さん?」


西園寺さんが話しかけて来た。そうか、元々こっちをメインで教える約束だもんな……。


「うん、大丈夫。西園寺さん達『華組』の事は忘れて無いよ」


「いえその……そちらではなく……肉弾戦を教えるなら師事したいのですが……」


「え……っと、そうだったね……でも、先に西園寺さん達はやる事あるから」


そう言うと露骨に残念そうな顔をする。


「大丈夫、覚えればスタミナも戦闘力も格段に上がるから」


「わかりましたわ!! 楽しみです!!」



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