表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

51/715

第12話∶ダンジョンへ行こう!②

とりあえず、布良さんが車を取りに行ってる間に今日の予定確認が鳳さん主導で始まる。


「では、本日は魔法についての上凪さんの講習と耀さんの実習ですね、私はその護衛ということで参加させて頂きます、大丈夫でしょうか?」


「はい、お願いします。その間、鳳さんに試してもらいたい事もありますので」


「試してもらいたい事でしょうか?」


「実は……」


小鳥遊姉妹の双方が身体能力強化を任意で発動していたのだ、ダンジョン内外で発動出来るか試してもらいたい旨を伝えると。


「身体強化ですか…わかりました、やらせていただきます」


そう言うと某ゲーム製作会社アニメの主人公のように「がんばるぞい!」と言っていた、お嬢様なのにアニメとか見るんだ…


「はい!優希先生、しつもんです」と耀が手を挙げる。


「どうした耀?」


「身体強化って私でも使えるのかな?それよりも、私魔法使ったこと無いけど…」


少し不安そうに耀は聞いてくる。


「大丈夫大丈夫、優希先生にお任せなさい」


座る耀の頭を撫でながら答えるとみるみる笑顔になる。


軽くいちゃついてると綴さんがめっちゃニヨニヨしながら見てくる、近所のお節介おばちゃんみたいな顔してる。


「綴さん…その近所のお節介おばちゃんみたいな顔はやめて下さい…美人が台無しですよ…」


「え、私そんな顔してた!?」


「はい…割とだらしない顔を…」


「最近忙しくてね…ドラマとか全然見れてないのよ…お酒も飲めてないのよ…家の掃除も……ぐすっ…」


そう言い出すといじけ始めてしまった…助けて!二人とも!


助けを呼ぼうと振り向くと、鳳さんは何故かボーっとしていて、耀は何か考えているようだった。


どうしたもんかと考えていると布良さんが「お車の用意が出来ました」と準備を終えて戻ってきた、何か背後にでかいバスが停まってるんですが?


気を取り直して「綴さん!ほらバスが来ましたよ!」と返すと目に涙を溜めながら立ちあがる、いや可愛いなこの人。


そうしてとぼとぼとバスに乗り込んでいった、耀は鳳さんと和気藹々とバスに乗っていった。


取り残された俺もバスに乗る、バスの中身は大きなキャンピングカーの様な内装だった。


空いている椅子に座ると、座席もふっかふかじゃん……シートベルト忘れずに先にしておこう。


座席の感触に驚いているとゆっくりとバスが発進していた、布良さんは皆に飲み物を配ってる、揺れるのにすごいな…


そんな事を考えていると布良さんがいつの間にか目の前にいた。


「お待たせしました上凪様、お飲み物はどうなさいますか?」


ラミレートされたメニューを出してくる、手書きで可愛い絵柄と文字が書いてある。


「ありがとうございます、じゃあコーラで」


「かしこまりました、トッピングはいりますか?」


「トッピングですか?」


「はい、アイスを乗せたフロートやライムやレモン等もご用意がありますが?」


「そんなあるんですね…じゃあレモンで」


そう言うと布良さんは冷蔵庫からお馴染みのコカ○ーラやペ○シでは無く瓶を二本取り出す、片方は茶色いシロップの様なものともう片方はお店で売ってる炭酸水だ、その二つと一緒に半分に切ったレモンの汁を入れ少し混ぜる、飾り切りされたレモンにストローを通して出してくる。


「布良さんこれは?」


「こちらはクラフトコーラに炭酸水とレモンを加えたレモンコーラです」


一口飲んでみるとコーラの程よい甘さに喉越しのいい炭酸後味にレモンの爽やかさが纏まりをつけている、一言で言うとめっちゃうまい。


「布良さん!これ美味しいです!」


そう伝えると布良さんはニコリと笑って「ありがとうございます」言って鳳さんの近くの座席に座りシートベルトを締めた。




◇◆◇◆

バスに乗り約1時間半、奥○摩地域にある政府管轄のダンジョンへやってきた。


魔法の練習も含めるので今回はなるべく人目に付きづらい地域のダンジョンを用意してもらった。


各々バスを降りてダンジョン入り口に併設された施設へ入る。


それから各々男女の更衣室に分かれ着替える、まあ今日はそんな激しく探索に入るわけでは無いのでジャージ姿だけど。


そうして待っていると耀はジャージで登場してくる、鳳さんはコルセットの様な形の防刃?ベストを着ている、腕を回しているので動き心地をチェックしているようだ。


綴さんと布良さんはダンジョンへ入らないのでここで待機となる、そして綴さんは鳳さんの着てるベストの男性版を手に持って手招きしていた。


「綴さんどうしました?」


「優希君にお願いがあるんだけど今回探索者の標準装備にしたいこの防刃ベストを着けてもらいたいの、今試作段階でテスターの人に使ってもらって改善点を出してるのよ」


「わかりました、任せて下さい」


防刃ベストを受け取り身に着けていく、腕周りは……少し動かしづらいかな、体に密着するタイプだし仕方ないか…


それから何度か貸し出し用の剣を振り、着てる際の感覚を確かめる。


綴さんの元へ戻り少し肩周りの動きがし辛い点を報告する、慣れ次第かもしれないが人によっては気持ち悪く感じるだろう。


「ありがとう優希君、他にあったら聞かせてね」


「はい、わかりました、じゃあ行ってきます」


「気をつけてね~」


「優希様、お嬢様をお願いします」


手を振る綴さんと頭を下げる布良さんの対照的な二人に送られ俺達はダンジョンへ入るのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ