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第112話:戴冠式

「これより、フィルレイシア王国第120代国王、ユウキ・カミナギ・ノーブルブラッディ・フィルレイシアの戴冠の儀を始めます!」


レノスが緊張をした面持ちで宣言する。


そこで楽団による音楽が鳴り始め、皆が祈りのポーズを取る。


「では、ユウキ。こちらで神への誓いを」


レノスに呼ばれ神の姿を現したと言われている、ステンドグラスの前に跪く。


「我らが神アマトリウス様。我らが祈りに応え、我が国、我が民を護り、助け給え」


会場が静まり返った後に、宣誓の台詞を言う、それに応えるようにレノスが決められた台詞を口にする瞬間光が俺を照らす。


「その願い、聞き受けました。英雄・優希よ」


マリアンがステンドグラスを抜け俺の前に降り立つ、突然の事でレノスも口をパクパクさせている。


予定に無い行動に、マリアンへ視線を向けるすると脳内に声が届いた。


『えへへ~大成功です、びっくりしました? びっくりしましたよね?』


そりゃビックリするだろ、レノスなんて目線が飛び散ってるぞ。


『それはそうと、優希さん。この後の流れは何ですか?』


せめて、来るならちゃんと確認して来てくれ……。


『うぅ……サプライズになるかなって思ったんですよ』


まぁ確かにサプライズになったけど……正式な儀式中なんだから……。


『でも、殆ど形式的な式よりも拍が付くじゃないですか!』


それはそうなんだけどさ……まぁ出て来ちゃったもんは仕方ない……進行はレノスに振ればいいよ。


そう言うと、マリアンはレノスの方を向き話を振る。


「では、レノス。次は?」


「は、はい! 聖剣の授与でございます!」


そう言うとアレウスさんがこちらに来て聖剣を腰から外し、それをマリアンへ捧げる。


「アマトリウス様、こちらが聖剣です。神の元へ返し、新たなる王への授与を願います」


「わかりました、では剣を……」


そう言うと聖剣の鍔の中心に口付けをする。


「「「「「!?」」」」」


恐らくマリアンが力を注いだのだろう、いきなり光り出した聖剣に会場がざわつく。


「では、英雄・優希。次代の王である貴殿には私の加護を与えた剣を授けよう」


叙勲の時にやるように剣で肩を斬り払われれる、そして鞘に納めた剣を受け取る。


「アマトリウス様、こちらを」


レノスが王冠を載せた盆を差し出す、マリアンが王冠を持ち俺の頭へ載せる。


「英雄……いや英雄王・優希、これで君は正式なこの国の王だ。おめでとう」


そう言って微笑むと俺を立たせる。


そしてマリアンは浮かびステンドグラスの向こうへ消えて行った。


周囲を見ると、皆開いた口が塞がらないって感じでポカーンとしてる。


(うん、まぁそうだよな……)


そうして、マリアンの闖入ちんにゅうによって式は終わり、俺は控室に戻って来た。


「ユウキ殿、質問があるのだがよろしいだろうか?」


呆然としたアレウスさんに問いかけられる。


「はい、何でしょうか?」


「えっと……マリアン様はどうして来たんだい?」


「えっと……俺をビックリさせる為みたいですね……」


「そうか……従来とは違うがマリアン様による直接の戴冠だ、文句も問題も無いだろうね……」


「すみませんでした……」


「いやいや、謝らなくて良い。以前のバルダーンの治政とは違い偽王を打倒し神に認められた王として反発する者は居ないだろう。それにバルダーンは戴冠式をやらずにいたから……まぁ、次は魔族領での戴冠式だ、頑張ってくるんだぞ」


「はい、じゃあ俺はちょっと先に行ってきますね」


「あぁ!」



◇◆◇◆

「これより、ノーブルブラッディ王国第47代魔王、ユウキ・カミナギ・フィルレイシア・ノーブルブラッディの戴冠の儀を始めますわぁ」


イザノーラ伯爵の号令で戴冠式が始まる、今度は最初からマリアンに同席してもらっている。


同じ様に国と民の安寧の宣誓を行い、マリアンが返答をする。


「では次に、王笏の授与ですわぁ」


着飾ったリリアーナがマリアンに王笏を渡す、その前に跪き頭を下げる。


「魔王優希よ、君に祝福を……」


頭上に掲げられた王笏より光が降り注ぐ、身体に力が満ちる恐らくマリアンが何かをしたんだろう、後で確認しないと……。


王笏を受け取り玉座に戻り王笏を備えている兵に渡す。


そして最後の叙位じょいまでやって来た。


「では、アマトリウス様、こちらを」


「うむ、魔王・優希、魔王妃・リリアーナよこちらへ」


本来は玉座だがマリアンの身長がギリギリの為片膝をつき、冠を被せられる、今回はリリアーナも隣でマリアンから冠を授かる。


そして玉座に座り、リリアーナも隣に座ると拍手が巻き起こった。



◇◆◇◆

つつがなく終わった戴冠式の後、俺とマリアンは控室に居た。


「それで、何したの?」


「え、えっとぉ……ナンノコトカナ?」


目を逸らすマリアン、まぁ自分のステータス見れば良いんだけど……。


「マリアン、この【幼神ようしんの加護】って何?」


「えっと……わからないです……」


「え?」


どういう事? 与えた本人がわからないって?


「あーそれは僕が説明するよ~」


ヌッと理映が空間から出て来た。


作者です。


本日も読んでいただきありがとうございます!

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