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第111話:戴冠式の朝

昨日の食事会は成功を収め、今日は本題の戴冠式だ。


「しかし、2国でその姿が中継されるなんて驚きなんだけどさ……」


「そうですね私もダメ元で提案してみたんですが、出来ちゃうとは思いませんでしたよ。優希さんって人気なんですね」


早朝の段階で会場のチェックしてきたけど両国揃って会場の広場は滅茶苦茶に混雑していた。


「ホントね、俺も訳が分からない……」


「まぁ、優希さんですし、何か好かれるような事したんじゃないですか?」


「思い当たる節が無いんだよね、特に何かしたわけじゃ無いし」


「それは、ユウキ殿が両方の王都を救ったからだよ」


その声に振り返るとノクタールさんとアレウスさんが青い顔でやって来た。


「おはようございます……って、顔色悪いですね」


「あぁ、昨日ノクタール殿と話が弾んでな……っつ……」


「半分くらいは政治の話しだけどね……っう……」


仕方なさそうなので回復魔法をかける、二日酔いなのですぐに顔色が良くなる。


「ありがとう、助かったよ」


「それで、両国王様、優希様の人気って王都を救っただけなのですか?」


巴ちゃんが不思議そうに首を傾げながら質問をする。


「そうだね、他にも細々したところはあるのだがユウキ殿は良く警備隊に混じって市街の警邏に出ていたり孤児院の改修に手を尽くしていただろう? それが市民には好評なんだ、後はお風呂かなぁ……」


「おぉ、お風呂はこちら側の王都でも話題になっているな、なんと言ったかな……テルマエだったかな? 市民にはかなり好評だし貴族は家に小型の浴室を作ろうと奮闘していたな」


確かに、スラムを一掃した場所に建てたテルマエには凄い人が連日行ってると聞いている。


「元々は公衆衛生の一環で作ったんですけどねぇ……」


「あぁ、それで市政に目を掛けてくれる王として話題にはなっているな、それとユウキ殿の逸話が既に王都では英雄譚として話題になってるぞ。一夜での王都復興や、王都を悪神の手から救った者としてだったりな」


「あぁ、それなら私も小耳に挟んでいるな、剣の聖女様と共に魔王都に襲来した悪神の手先を撃ち倒しただったり、伝説に語られる宝石獣カーバンクル達の里を救った英雄と」


「そんなの聞いた事無いんですが……」


「それはそうですよ、婚約式での噂が広まるにしても優希さん、すぐに出立したじゃないですか」


「そういえば、そうだった。この半月、中身が濃密過ぎて忘れてたよ」


「優希さんらしいですね」


くすくすと笑う巴ちゃん、可愛らしいので眺めていると気まずそうな咳払いが聞こえた。


「すまないね、話を戻させてもらうよ」


「あ、はい……すみません」


「そういった事もありユウキ殿は両方の王都で大人気なんだ」


「そうなんですね……」


「だから王都を歩く時は気をつけた方が良い、多分もみくちゃにされるぞ」


「マジですか……」


「そういえば思い出した、魔王都の警備隊にユウキ殿宛の贈り物がよく届くんだ、腐りやすい食品なんかは警備隊で消費させてもらってるけど大丈夫だったかい?」


「えぇ、というかそんなに届くんですか?」


初耳だなぁ、でもどうしてだろう?


「あぁ、ユウキ殿とアミリア姫が魔王都で邪神と戦った際に、ユウキ殿が家々を修理していたと思うんだが、その修繕した家々が商家だったり食堂だったりしたんだ」


「あぁ、それで食材や贈り物が届くんですね……」


あの時は咄嗟の修復だったから片っ端から直したんだよな……アミリアが壊した様なもんだし。


「そうだ、こっちの王都でもその話題が出ているみたいでな。目ざとい貴族はもう虎視眈々と狙っているぞ」


「うわぁ……面倒ですね……」


「そう言うと思ってな、復興の返礼は無しとしているさ、だがこれから婚礼の祝いも来るだろうな……」


「そうだねぇ……こちらも今回の戴冠が終わり次第送って来るだろうし、何か考えて貰わないといけないかな?」


なんだかすごく面倒な事を聞いたなぁ……どうしよう……。


「それでしたら大丈夫です、こちらで貴族階級毎に用意をさせていただいております」


と、巴ちゃんが眼鏡をくいっとするフリをしながら答える。


「い、いつの間に……」


「えっと、残ってる貴族家を調査する際に調べて、綿貫さんに手配をしてもらえるように任せてあります」


「仕事が早いなぁ……」


「一応サンプルもミリアネ様とリリアーナ様に見て貰ったのですが、優希さんも見ます?」


ミリアネ様はアミリアのお母さんである、かなり綺麗な人でアミリアと相当似ているので並んでたら双子の姉妹に見える。


「そっか、ミリアネ様とリリアーナが選んだのなら間違いは無さそうだけど、興味はあるかな?」


「そうですね、こちらです! っとと……ありがとうございます」


空間収納アイテムボックスから今治タオルの詰め合わせとシャンプーなどのお風呂セットやゼリーや焼き菓子等が出てくる、バランスを崩しそうなので慌てて支える。


「大丈夫? 結構な量があるけど……」


「はい、これでも一番下の貴族様用ですから」


「凄いな……」


「あぁ……」


知らなかったんですか……お二方……。


それから触り心地を試したり、試食をしてたらメイドさんがやって来た。


「ユウキ様、アレウス様。戴冠式の準備が整いました」


「そうか、では行こうかユウキ殿」


「はい、じゃあ巴ちゃん、ノクタールさん、また後で」


二人に手を振り会場である玉座の間に向かうのだった。


作者です。


本日も読んでいただきありがとうございます!

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