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第96話:王都制圧戦④

 ◇セレーネside◇

物凄い音を立てて教会内に鐘が落ちる、私はそれを聞いた後屋根の上に飛び降りる。


『セレーネちゃん! 中は半分くらいが下敷きになったわ!』


マーレルさんがしたから現れ聖堂内の情報を伝えくれる。


「わかりました! じゃあ次は!」


『えぇ、協力するわ!』


額の宝石に魔力を集める、マーレルさんの補助もあり宝石と刀が魔力で繋がる。


「ここからはユウキさんに習った!!」


身体強化を纏い駆け出す、跳び上がり鐘楼の壁を駆け上がる。


「『小鳥遊流魔剣術タカナシリュウマケンジュツ——風影乱斬フウエイランザン!!!』」


風魔法を乗せた刀を屋根に叩き付ける、その瞬間魔力が弾け屋根が細切れになった。


――ガラガラガラガラ。


くるくると勢いを殺しながら全身を使って着地する。


周囲を見ると敵は全部潰れたのか瓦礫で埋まっている。


「敵は……大丈夫そうかな?」


『見て来るね! セレーネちゃんはあの通路を確保しておいて!』


「はい! ありがとうございます!!」


瓦礫に潜るマーレルさん、通路を確認してそれを背にする。


「あへぇ~凄いねぇ……」


「!?!?!?!?!?」


「あは~ごめんごめん……仕事モードだったよ~」


闇から現れたシアさんがあははーと笑っている、いつもより口調が柔らかいのは私の緊張を解こうとしてくれているみたいだ。


「びっくりしたぁ……」


「ごめんねぇ~」


「材料はありました?」


「うん、いっぱいあったよ~道具と食材もしまって今はクロコが届けてくれてるよ~」


「それじゃあ脱出しちゃいましょう!」


「そうだね、それじゃあ行こうか」


『おまたせーって、シアちゃんも戻ったのね』


「はい、おふたりのお陰で凄く楽に終わりました!」


『それは良かったよ、敵も居ないし早く戻ろう!』


「「はい!」」


シアさんと共に土魔法で作り出した階段を駆け上り外へ飛び出した。



◇◆◇◆◇◆◇◆

 ◇リリアーナside◇


「ここね……それにしても、敵が多いわね……」


はしたないとは思いながら塀の上を伝い走り抜け庭に降りる。


「うギャアアぁあああ!!」


「たすけ……ダスケ……」


「ウぎゅるるルウゥウぅぅ……」


「ごめんなさい……」


襲って来る敵を躁血魔法を使い頸を落とす、歩くたびに骸の道が出来上がる。


「はぁっ!!」


血を纏わせたレイピアで扉を斬り倒す、重厚な扉だったためか中は荒らされておらず綺麗だった。


「……人の気配が30人程……無事だと良いけど……」


感じた魔力だと一団になって集まっている様だ。


奥へ向かうと頑丈な鉄扉がありその奥から人の魔力を感じる。


「助けに来ました、こちらを開けて貰えますか?」


そう聞くと備え付けの小窓が開き老執事が顔をのぞかせる。


「だ、誰だ!!」


わたくしはリリアーナ・ノーブルブラッディ、魔王妃まおうひですわ」


「ま、魔王妃様!?」


執事の言葉に室内がざわつく、人間の軍かと思ったら助けに来たのが魔族なのだ。


「恐ろしいのはわかりますわ……ですがこのままここに居ますといつここが破られるか……」


丁度その時階下でガラスが割れる音が響いた。


「不味いですわね……敵が来たかもしれません……」


「ひぃぃぃ!? もうだめだぁ!?」


慌てて小窓から顔が見えなくなる執事、この人執事なのだろうけど大丈夫かしら……。


「仕方ないですわね……下の敵を倒して来ます、その間にどうするか考えてください」


私は踵を返し吹き抜けから飛び降り翼で勢いを殺し着地する。


「ウベぇぇエエえええぇえ」


「ぎュププぷぷ!?」


「全く、元人なのだからしっかり人の言葉を喋っていただきたいですわね」


剣で斬り裂く、優希様謹製の剣は驚くほど綺麗に両断でき、斬った相手が塵と化す。


「普段より剣が軽い! これならすぐに終わりますわね!」


屋敷の中を駆け抜けながら倒していく、壁を蹴り、天井で跳ね入り込んだ敵

倒す。


「思った以上に敵の数が多いですね。早く逃げないと囲まれ手遅れになりますわね」


屋敷の中でこれならば屋敷の裏手からは酷いかもしれない……。


「はぁぁぁぁぁ!!」


最後の一体を倒し籠城部屋の前に戻る、中では言い争う声がしている。


「神でも悪魔でも、魔王でも!! 助けていただけるのならば手を借りるべきです!!」


「知った事か! ワシは得体のしれない魔族なぞ信用に値するか!!」


「窓の外を見たでしょう! この館も持たないかもしれないのです!」


「だったらお前だけで逃げるがいい! みすみす我が資産を手放してなるか!」


聞こえて来る声は先程効かなかった声だ、それに相対してるのは若い女性の声だ。


「想定以上に下らない話ですね……」


これ以上無駄な話し合いをさせる暇もない、作った時間も長くは無いだろう……仕方ない……。


「皆様よろしいですか?」


「「「「「!?」」」」」


時間も無いので外から声を掛ける、すると中の人達が息を呑む。


「時間もありません、ですので逃げる方のみ私に付いて来て下さい。決まらない様ならこの扉を破壊して強制的に連行します」


脅す様に、怒気を孕みながら声を出す、すると鍵が開き中から気品のある女性と半数以上の使用人、それと後継者なのだろう子供が出て来た。


「私はマリティニア・ダリアールです。私と息子、それと使用人で避難します、よろしくお願いします!」


「マリティニア!! 貴様!! トリアスを連れて行くな!!」


やたら吠えているご老人が一人杖を振り回している、面倒なので無視をする。


「わかりました、戦える方はいっらっしゃいますでしょうか?」


「使用人で数名、少々剣が使える者が居るだけです」


「おおい!! ワシを無視するな!!」


おうはだまっていて下さい、戦う事をしないなら栄誉あるダリアール家には不要です!!」


マリティニアさんが一喝すると翁と呼ばれたご老人は口ごもる……。


「では行きましょうリリアーナ姫、人数が多いですがいざという時は息子だけでもお願いします」


「はい、ですが皆さんを助けるのが我が旦那様より受けた〝信頼〟ですので、皆様を無事に届けますね」


わたくしはにこやかに笑い、皆さんを率いて館より出るのだった。

作者です。

遅れましてすみません!orz 

とりあえず数日分は予約しましたので更新は大丈夫です!!


本日も読んでいただきありがとうございます!

もし良かったら☆やいいねをくれると嬉しいです!!

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