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第92話:やりやがったな……。

「ごめんな、緊急事態で出て来ちゃった」


「ユウキ……どうして……」


「城の連中に薬を蒔いていたらしい、今のでここに居た貴族連中も全員邪神化させらてた」


「そんな……」


そんなアミリアの声とは違い、非常に焦った声が響く。


「きっ……貴様は!! 魔王!!」


「はーい。いや、ここは魔王らしく行こうか……やぁクソ野郎。死ぬ準備は出来たか?」


「そ、そこに聖剣の後継者がいるぞ!!」


アミリアを指差すバルダーン、何言ってるんだ?


「いや、普通に考えたらあんな言い分ハッタリだろ」


「は?」


「いや、だって……アミリアが正統後継者なのを知ってるし、そもそもこの動きを押し進めたの俺だし」


「な……なぁ!?」


顎が外れそうな位に開いたバルダーン、信じてたの? 嘘だろ?


「まぁ良いか。これ以上は諦めろ、お前の悪事は城下の民に全て知られてるさ」


先程の会話を流したスマホと拡声の魔道具を起動する、すると先程の会話が流れる。


「ぬぐっ! 貴様あぁ!!」


叫ぶバルダーンに近づき、邪神の核っぽい石を奪い取る。


「本当は俺がぶっ飛ばしたいけどね……ここからは、俺が倒すんじゃない……」


親指で俺の後を指す、そこにいるのは怒りの瞳を向けるアミリアだ


「さぁ、諦めて貰おうか、バルダーン!!」


剣を抜いたアミリアが叫ぶ、アミリアの魔力に反応して剣の輝きが増して行く。


「クソ! まだ死ねるか!!」


ドンっと玉座を叩く、すると天井が開き見た事無い肉塊が落ちて来た。


「アミリア!」


アミリアの前に転移しに肉塊が伸ばした触手を斬り払う。


「………………ア……ア……レ……ウェバアアアアアアアア!!!」


「何アレ……」


「わかんない……でもあれも邪神だと思う」


手の中にある石があの肉塊に戻りたいと蠢いている。


「優希さん!!」


その声と共に白い羽が舞う、マリアンが目の前に現れたからだ。


「どうしたマリアン?」


氾濫スタンピードです!! 邪神に汚染されたモンスターがダンジョン内から溢れ出してるんです!!」


「マジか……あの三人は?」


「中間階層で数を捌いてもらってます……でも本体を倒さないと収まらないかと……」


「厄介だな……」


あの肉塊の存在がわからない以上アミリアを置いていけない……それに邪神の核がアイツにもあるのなら三つの核を同時に対処しなきゃいけない……。


「ユウキおにーさん!!」


「クロコ!? どうしたんだ?」


「街中に邪神みたいなヤツが!!」


「街中……まさか!」


バルダーンを睨む。


「フフッ、フハハハハハ!! そうか! 城下に仕込んだのが発動した様だな!!」


「バルダーン!!」


最悪の事態を想定すべきだった……城下に居る民の数に合わせて薬は無いと思ってたけど……やりやがった!!


「優希さん大丈夫です! 城下の邪神もどきは一部が邪神になっただけです……あれ以上薬の注入が無ければ邪神化はしません! それに優希さんの力のこもった武器なら浄化も出来ます!」


「そうか……なら城下は皆に任せるよ!」


「はい!」


城下は皆に任せよう……俺は……。


「ユウキ、行って……」


「でもアミリアを残していく訳には……」


「大丈夫、私なら勝ってみせる。だって貴方の妻であり、この国の……お父様の遺志を継ぐ娘なのだから!」


俺を押しのけて前に出るアミリア、その背中は負けないという強い意思を感じさせる。


「わかった……任せたよ」


「アミリアちゃん……良いの?」


「大丈夫です、これは私の手で終わらせ無いといけない事だから……」


そう言って『空喰い』(必殺の型)構えるアミリア。


「ありがとう……優希さん! 早く!!」


「あぁ。アミリア、任せた!」


「えぇ!」


「では! 行きます!!『——転移!』」


その瞬間俺の視界が切り替わり目の前に、部屋いっぱいのサイズになった邪神が現れる。


「ウググ……ガァァァァァ!!」


「『——鑑定!』レベルは2500ちょっと……マリアン! 奴にこの欠片食わせたらどの位のレベルになる!?」


「ちょっと待ってください! 今計算します!!」


「早くしてくれ!! 『小鳥遊流刀剣抜刀魔術——風影轟斬ふうえいごうざん』」


高速の抜刀二連撃で一部をバラバラに切り裂く、俺の魔力に当てられたのか蒸発音を鳴らし消滅する。


「計算でました!! レベルは5000程です!!」


「俺ならいけるか?」


「大丈夫です! でも、万が一の為に対策をします、時間を稼いで下さい! 」


「わかった! どのくらいだ?」


「ええと……2時間です!」


「2時間!?」


「はい! 理映先輩と解析作業に入ります!!」


「そうか! わかった!!」


「ゴメンね優希君、大変だけど任せたよ!」


マリアンの首元に着いたペンダントから理映の声がする。


「わかった理映、任せろ!!」


そう言うとマリアンは消えて行った。


「さて……遊んでやるよ!!」


核を投げつけ吸収させる、その瞬間歓喜に震えた邪神が活性化した。



◇リリアーナside◇


「リリアーナお姉様!」


優希様の放送が途切れた直後、クロコちゃんとレティアスが飛び出してきた。


「城下で邪神が現れました! ユウキおにーちゃんは皆に任せるって」


「わかりましたわ! セレーネ、シア行きますわ!」


「「はい!」」


「全軍、聞きなさい! 魔王様の危惧されていた事態が発生しました! これから両軍協力して住民の避難を! 全軍! 進め!!」 


「「「「「うおおおおお!!」」」」」


魔王妃まおうひ様!」


「ウルベリック卿、敵が動きましたわ、優希様の予測した通りです」


「そうみたいですね、私も露払いとして参戦します」


「よろしいのですか?」


「えぇ、妻には住民の避難場所を任せてきました、あちらも重要な場所ですので」


「わかりました、御助力感謝します」


馬を並べ城下へ突入するのだった。

作者です。


本日も読んでいただきありがとうございます!

もし良かったら☆やいいねをくれると嬉しいです!!


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