第90話:ここに帰って来たね
昨日の投稿、忘れてましたすみません!
それから全軍を集め、その前に立つ。
「皆、今までお疲れ様である、我々は王都来た! 今日これから我が妻であるアミリア・フィルレイシアの元に王権が戻る!」
「「「「「うおおおおおおおおお!!!」」」」」
「だが、皆は魔王城下での事は覚えているな。卑劣にも悪しき人間の王は我々を害そうと刺客を送り込んだ、それ故今回も仕掛けて来る事があるだろう!」
皆を見回す、前に居る人間側の兵士や魔族の兵士の顔が真剣に変わる。
「そこで皆に頼みがある! 王都でもし、惨事が起こるのなら住民を守ってくれ!」
そう言うと、双方の兵士が困惑し始める。
「何故ですか魔王様ぁ?」
イザノーラ侯爵はわかっているのだろう、ニヤニヤとした笑みを浮かべながら聞いてくる。
「それは、民は巻き込まれる側で、罪が無いからだ。それに皆は逆の立場でも助けるだろう?」
そう問いかけると、人も魔族も皆が顔を見合わせ頷く。
「私達、人の兵士も当然手伝います!!」
「いやいや、人間より俺達のが強いんだ、俺達がやる!」
それからやいのやいのと諸所で言い合いが始まる……が、あまり時間を取りたくないので静かにさせる。
「皆、強い答えをありがとう。魔族は土地勘が無い、それ故に人の部隊との混成で編成して欲しい、無論退避させた住民を守る拠点も必要だ。四天王や諸侯の皆、任せたぞ」
「「「「「はい! 魔王様!!」」」」」
「では! 皆の者頼んだぞ!!」
「「「「「うおおおおお!!」」」」」
大きく雄たけびが上がった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「お疲れ様です優希様」
アミリアとバトンタッチした俺は壇上から引っ込んだ所でリリアーナが声を掛けて来た。
「ありがとう、リリアーナそれと、彼は来てくれたかな?」
「はい、それと優希様のお洋服も渡しております」
小さく荷物の積まれた所に入ると俺と瓜二つの人がそこにいた。
「おぉ……凄い……」
「ありがとうございます、でござる」
「それじゃあレティアス頼んだよ」
「かしこまりました、でござる」
クロコと共に影に潜んでいった。
「しかし、凄いねレティアスの変装」
「えぇ、幻魔の中でも彼ほどの変化は出来る人は居ません」
「流石四天王の諜報部門だね」
そして拍手が聞こえて来たので戻ると丁度アミリアが壇上から降りてきた。
「お疲れ、アミリア」
「ありがとうユウキ」
「それじゃあ、向かうか……」
「えぇ」
「では、私は部隊を再編成した後向かいますわ」
「あぁ、頼む」
リリアーナに任せ、俺はアミリアと共に馬に乗った。
◇◆◇◆◇◆◇◆
上にローブを纏い通用門を抜け進む、教会に馬を預けスラム街へ入って行く。
暫く進み元アミリア達が暮らしていたあばら家があった場所についた。
「まさか、あの時は俺の財布掏ろうとした相手が今こうして隣に居るなんてね」
「うっ……それは……お金無かったし、レナが死にそうだったし……」
しょんぼりするアミリア、もう半年くらい前になるんだよな。
「でも、俺で良かったよ。レナちゃんも救えたし、アミリアもこうして健康になったし」
頭を……撫でようと思ったけど髪の毛はセットされてるしここは手を握る。
「ひゃ!? な、何!?」
「いやだった?」
「嫌じゃないけど……」
そのまま手をぶらぶらしたり握り返し合ったりする。
「でも、俺としてはアミリアのお陰で異世界でも寂しくなかったし良かったよ」
「私は、すっごく楽しかった。優希達との旅も、その途中で知ったの私の気持ちも、リリアーナやセレーネ、シアやクロコと友達になれた事。それから過去に飛ばされて恥ずかしい事もあったけど、一番はユウキのお嫁さんになれた事」
そう言って、正面に立ち見つめて来る。
「この短いけど、凄く長い時が私の宝物になったよ」
そう言って背伸びしてくるアミリアを受け入れる、饐えた匂いからアミリアの香りで満たされれる。
「へへっ……ここだと匂いが凄いね……」
「まぁその分、アミリアの匂いがよくわかるから悪くは無いけど……ぐふっ……」
鳩尾に全力の一撃が叩き込まれた……。
「そ、しょんにゃはずかしいこというにゃぁ!!!!」
顔を赤くしたアミリアが吠える、羞恥と混乱で舌がまわっていない。
「ごめんごめん……良い香りだったy……ぎゃんっ……」
跳び上がったアミリアのゲンコツが降って来る。
「もうやめて! 恥ずかしい!!」
「ごめんごめん。でも、俺アミリアの匂い、凄く好きだから!」
「にゃにゃにゃ!?」
威力が弱くなり、ぽかぽかと叩かれる、受け止めたアミリアが抱き付いてくる。
「変態……」
「変態で結構、それでアミリアへ好きと言える訳だし」
「もう……ごめんなさい……」
頭上から声がする、顔面に軽装鎧の胸当てが来ててゴツゴツしてるけど気にしない。
「あぁ大丈夫だよ、今もこうしてアミリアの柔らかさを感じてるし。」
「ちょ!? ユウキ!? ひゃん!?」
手を離しながらくるりと回し、お姫様だっこに帰ると小さい悲鳴が上がる。
「さて、じゃあ取り返しに行こうか!」
スラムから風魔法で羽根を生やし飛び立つのだった。
作者です。
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