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第88話:決戦前夜の様な気分だね。

アミリアとナタリアさんの仲裁をした後、俺はマリアンと共に勇者達の元へ来ていた。


「おっす、久しぶり」


片手を上げて挨拶をする、すると三人共顔を輝かせる。


「優希さん!」


「ししょー!!」


「優希様!」


「お疲れ、調子はどう?」


三人共、大きな怪我は無い様で割とピンピンしている。


「そうですね、やはりお風呂が欲しいです」


「お湯で身体は洗ってるけど、限界あるからねぇ……」


「そうだな、流石に現代の風呂を知ってると、さもしく感じるぜ」


「とりあえず風呂を作るから、そうしたら入ってきなよ」


「おう!」「うん!」「神よ!!」



◇◆◇◆

それから風呂を作り、勇者達が入ってる間に食事を作る、とは言っても大部分は保存してた食事だけどね。


『抽出』と『成形』で作った竈と網の上に肉を置く、炭で焼かれる肉の匂いが食欲をそそる。


「うぅ……焼肉か……こうなると白飯が欲しいな……」


「お米? 猛って日本人?」


「おう! とはいっても別世界っぽいけどな。俺の世界じゃ優希さんみたいな本物(ホンモノ)は居なかったけどな」


「そうだね! 僕の世界にも居なかったよ! それに日本って国は無いし……」


「私の世界もですね、地球というのは数千年前に滅びた惑星の名だと習いました」


どうやらカレブ以外地球出身との事らしい、この世界で翻訳魔法貰ったから日本語で会話も出来てたのもあって気にも留めなかった。。


「一応皆さんは異なる次元世界から呼んだのです、パラドックスが生まれない様に」


「そうなんだ」


「確かに、先走った知識の共有は文明崩壊を早めますからね……」


「え~僕は知りたいけどな~」


「まぁ、食事や生活の事くらいなら。カレブさんの世界でのエネルギー技術は他三人の世界で使ったら惑星が滅びますから」


そこまでなのか……未来技術って怖いな……。


「折角ですし、私の世界の食糧事情について話しましょうか……」


「わーい!」


「とりあえず……米あるなら少しでも貰って良いか?」


「あ、ごめんごめん。はいお米、いっぱいあるから食べていいよ」


以前に炊いた土鍋を取りだしそこからご飯をよそう、猛の目の前に出すと目をキラキラと輝かせる。


「すまねぇ……いただきます!!」


白米を口に頬張り涙を流す、うんうん分かる分かる。俺も異世界で白米を食べた時泣いたもん。


「ちょ! カレブさん! そこは話したら駄目です!! 禁則事項ですぅ!!」


「うめうめ……」


楽しそうで何よりだなぁと思い肉を焼くのだった。



◇◆◇◆◇◆◇◆

それから明日の事についての作戦会議を行い三人と別れた。ついでに数冊、引っ越しの際に処分し損ねたアレな本を置いてきた、デヴィッドがめっちゃ喰いついてて喧嘩になりかけてたけど……。


「では優希さん、明日は手筈通りに」


「あぁ、任せたぞ」


「はい!」


言葉を交わした後、マリアンと別れ皆の所に戻る、丁度夕食も終えた頃で明日の事について話していた様だ。


「おまたせー」


「お帰りーユウキ」


「おかえりなさいませ優希様」


「おかえりなさいユウキさん!」


「おかえりなさいませ、ご主人様」


「遅くなってごめんね、夕食は?」


「いただきましたわ」


「そっか、ゴメンな一緒に食べようと思ってたんだけど話が長引いて」


「大丈夫よ、それに勇者さん達はダンジョンに潜りっぱなしでしょ? そっちのが大変じゃない」


「そうですね、お風呂とか無いですし……ご飯も……」


「あぁ、それならマリアン通してご飯は比較的に出来たてを届けて貰ってたよ」


「そうなんですね、流石神様です」


「それじゃあ、お詫びと言っては何だけど……」


ダンジョンで皆がご飯中に作ってた物を出す、キンキンに冷えた容器の蓋を開けると、純白のデザートが顔を出す。


「優希様これは?」


「甘い匂いがする~」


「って事はお菓子?」


「でも、プリンと違って固そうですね?」


「クロコ、居るならおいで」


そう呼ぶとシュッと影からクロコが出て来る、何か格好が暗殺者っぽくなってる。


「どーです! 暇な時間に私が作りました!」


「どやぁー」


「うん、似合ってて良いね。シア、ありがとう」


頭を撫でると耳が赤くなるシア、最近は撫でると照れるという面白い反応が良い。


「っと……先に食べれる様にしないとね」


スプーンで掬い丸く形を整える、全員に配り終えるとまずは食べて貰う。


「溶けちゃうから先に食べてね!」


「溶ける? この間のかき氷かしら?」


「んんんんんん!? 美味しいです!! ユウキさん!!」


「ほんと……美味しいわ……帰ったらレナにも作ってあげたいわ」


「美味しいです!」


「んー!! んー!!」


皆が甘さと冷たさに目を見開く、クロコなんて物凄い勢いで食べている。


「クロコ、あんまり急いで食べるとお腹が冷えちゃうよ」


「でも、ゆっくりだと溶けちゃう……」


「アイスは少し溶けたのも美味しいんだよ」


「そうなんですね! あいす?」


「うん、この間言ってたアイスクリームだね」


そう言うと目を輝かせるクロコ。


「これが……あいすくりーむ!!」


「良かったですね、クロコちゃん」


「この間のかき氷も喜んでたし、冷たいものが好きなのね」


「美味しいです! 私、かき氷よりこっちのが好きです!!」


「そうですね、スコーンやパンケーキの上に乗せると良さそうですね……」


「「「「「それだ(です)!!」」」」」


「ねぇ、ユウキ……」


「優希様……」


「ユウキさん……」


「ご主人様……」


「ユウキお兄ちゃん……」


全員の視線がこちらに向き俺は冷汗をかく……用意はしてないんだけど……。


「えっと……用意しようか?」


「「「「「是非(お願いします)!!」」」」」


結局、夜遅くまでホットケーキを焼く羽目になったのだった。

作者です。


本日も読んでいただきありがとうございます!

もし良かったら☆やいいねをくれると嬉しいです!!


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