第65話:八方塞がりというか八方断絶だった……。
「とんでもない事になった……」
迂闊だった……足を延ばせる風呂に入るという行為に、テンション上がり過ぎてどこかでミスをした……。
そんな俺の胸中とは違い目の前に広がるのは極採色の楽園、様々な色が目の前に広がる。
アミリアの引き締まった手足と綺麗な肌、それに重力に逆らう大きな胸、それと出会った頃とは違い今は猩々緋の宝玉を思わせるほど美しくなった髪。
そのに並ぶリリアーナの薄氷をを纏った様な綺麗な肌、細い手足だがしなやかさが見て取れる、エアリスとは違う白百合の華を思わせる白髪の神々しさ。
そこに混じるはセレーネの光の角度で虹の様に色の変わる髪、それと思わず触りたくなるつややかな毛色の尻尾と耳……もふりたい……。
最後はシアの黒曜石の様な肌に黄金の瞳と髪は黒豹を思わせる、ぴんと張ったみみと体型はすらりとしていているが不思議と蠱惑さがある。
しかもそれが一糸纏わず存在するという光景に、理性が崖から紐無しバンジー寸前だ。
「ユウキ……流石にジロジロ見られると恥ずかしいんだけど……最近お肉付いてきちゃったし……」
「あっ……ゴメン……」
「私は大丈夫ですわ」
「僕も大丈夫だよ!」
「はわわわ……私も少しなら……」
身体をよじるとその豊満な胸が揺れる揺れる、隠す物が無いので目に撃毒だ。
「ご、ごめん……出来るだけ見ないようにするよ……」
「では! 私達を見て下さい!」
「ぜひぜひ!」
俺の目の前に回り胸を張るリリアーナとシア。
「二人共、流石にはしたないから止めて……」
「そ、そうだよぉ!? 流石に見てるこっちも恥ずかしいよ!?」
「いいえ辞めませんわ! いつまで経っても手ぇ出さない旦那様が悪いんですわ!」
「そうだそうだ~ついでに僕にも出せー!」
「うっ……」
それを突かれると、弱いんだよなぁ……。
「と、ともかく風呂に入ろう! そのままだと風邪ひくし!」
誤魔化す様に風魔法を使い冷たい風を吹かすと、流石に寒かったのか体を振るわせ湯船(お湯を張りなおした)に入る。
「はぁぁぁ~気持ちいい」
「ですわねぇ……」
「これは……小さいお風呂じゃ満足できなくなりそう……」
「とろける~」
「じゃあ俺も……ふぁぁぁ~」
俺含め、皆一様にとろけた表情で入り込む、この気持ち良さに誤魔化せればいいけど……。
「でも、ユウキさん。どうして私達に手を出さないんですか? 私なんて結婚式もしたのに……」
逃げれなかった……。
「そうですわね……どうしてですか?」
「僕はしがらみ無いので、いつでもウェルカムだよ!」
「シアはちょっと黙ってて……」
「ひゃい……」
八つの目がこちらを捕らえる、言わないと駄目だよなぁ……。
「えっと……俺がこっちの世界に来てから、過去含めもう少しで半年じゃん?」
「そうなの?」
「そうなのですね」
「そうなんだ」
「へぇ~驚き……」
「あぁ、この世界に召喚されて、追放された後、すぐに出会ったのがアミリアだもん」
「あーあの時ね……」
しかし、あの時のアミリアは折れそうな身体だったなぁ……。
「私が、スラムで生活してた時に、王都じゃな見ない服装をした男が居て、お金持ってそうだったのよ、あの時はレナが死にかけててなりふり構わずだったし……」
「その後はあれよあれよと襲撃者倒して、教会乗っ取って……」
「いつの間にかユウキがセレーネを連れて帰って来て」
「あの時にユウキさんカッコ良かったなぁ……」
恍惚とした表情をするセレーネ、まぁあの時はカッコつけてたしな……恥ずっ!
「そういえば、セレーネとシャリア連れてきたせいで良く聞いて無かったけど、ユウキは何をしたの?」
「えーっとですねぇ~人間に捕まった後、人間の王に対して隷属を嫌がったら、闘技場で戦わせられ続けられてね。いつまでも生き残ってる事に気に食わなかった主催者が地竜を連れて来たんです」
「それは……酷い」
「地竜なんて、かなりの強さですよね?」
「あの愚図ならそうするな……」
「それで、ユウキさんが控室まで来て私に『俺の物になれば、全て片付けてやるから』って言われたんです!」
「へぇ……」
「まぁ!?」
「いいなぁ……」
俺そんなこと言ったかなぁ? いや、あの時ってセレーネに噛みつかれたよな?
「それで、地竜を一撃で倒して、支配人にお金を投げつけ、そのままいただかれちゃいました♪」
顔を染めもじもじするセレーネ、それに対して皆がこちらをじろりと睨む。
「セレーネさんや、俺そんな事言った覚えが無いし、お金払って攫っただけなんだけど……」
「そうですか? そうかも?」
「シャリアさんも居たし! 手は出して無いからね! 手は!」
「へぇ~」
「ふーん」
「後でシャリアに確認しますね♪」
怖い怖い!
「それ以降はレギル達も含め魔王領に到着して、それからシアと出会って。そうこうしてる間に到着した訳さ」
「それで、その長い旅路を経てどうして手を出して無いんですか?」
「いやいや! セレーネは両親の元に返すつもりだったし、アミリアはノクタールさんに嫁がせるつもりだったからね! 手を出すなんてもってのほかじゃん!」
「じゃあ僕に手を出せば良いじゃん」
「私も良かったんですよ!?」
シアとリリアーナが前のめりになる、見えてるから!?
「ちょ!? 近い近い! リリアーナは病み上がりだし、シアはそもそも嫁ですら無いでしょ!?」
「うぅ……」
「ご主人様酷い! 私を雌奴隷にして、あんなに(魔力で)私の身体を弄繰り回したくせに!!」
「誤解のあること言わないで!? 弄んで無いから!! それにすぐに解除したじゃん!」
「この間またつけてくれましたけどね♪」
下腹部にある刻印を愛おしそうに撫でるシア、官能的過ぎるのでやめてくれ……。
「ま、まぁそれからは色々と事件があったりしたしそんな機会無かったからね、それに……」
「「「「それに?」」」」
「流石にまだ結婚式を挙げて無いし……半年性欲を我慢してるから、確実に歯止め聞かなくなりそうなので……」
そう、尻すぼみになりながら言うと、きょとんとされる。
「はぁ……」
「そんな事ですか……」
「魅力ないのかとおもいました……」
「ヘタレご主人……」
「うっ……」
操立ててる訳じゃ無いけどさ、耀達の知らない所でするのも悪いじゃん!
「でも、それならそう言ったお店とかあるじゃない?」
「シャリアに、そういった夢見させましょうか? 城下にはそう言ったお店で解消してるとも聞いた事ありますし……」
「強引なのも悪くないですねぇ……」
「抱き潰されたい……」
アミリアとリリアーナが悲しい生き物を見る様な気づかいを見せる。
セレーネとシアは妄想に浸ってるのか耳がピコピコしてる。
「流石にお店にはいかないから、皆に悪いし……」
「……」
「……」
「アミリア、こちらへ……」
「わかったわリリアーナ……」
何か二人が考え込んだ後、隅に向かい何か内緒話をしている。
と、思ったら固い握手を交わした後戻って来た。
「わかったわ、ヒカリさん達に許可を貰って来るわ」
「それを持って、正式な婚約発表をしましょう」
何かとんでもない事を突如言い出す二人。
「え? ちょ!? えっ?」
「セレーネ、シアもそれで良いわよね?」
「ふぁい? 何がですか?」
「僕はおっけーだよ」
「詳しくは後で話しますわ」
「という訳だから覚悟してね?」
「マジ?」
俺はそう返すしか出来なかった。
※余談※
混浴事件の二日後、耀達から許可と知識を仕入れて来た4人によって襲われました。(Y氏談)
作者です。
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