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第59話:狂信者と言っても差し支えなさそうな件

「それで、伯爵。聞きたい事があるのだが?」


「はいぃ! 聖騎士様ぁ……はぁ……はぁ……」


「真面目に答えて欲しいんだけど、俺とアミリアはどうやって伝わってるんだ?」


「はい、伝わっているのは3代目が王都奪還戦の進軍中に、悪神の手先によって命を奪われた後神の使徒によるお二人に救われたと、それ以降は心を入れ替え民に尽くしたと聞いております」


「そっか……なぁ、アミリア……話しても良いか?」


「えぇ……」


「どうしたのですか聖騎士様、聖女様?」


「実は――」


実際に当時あった事を伝え、実は俺とアミリアが一芝居を打った事を伝えた。


「そうだったのですね……」


「すまない……」


「いえ! 元を正せば王に反心を持ち、聖女様を貶めている時点で神罰が下ってもおかしくないのに、悪しき性根を正してもらった上、我が領地が今も変わらず繫栄した要因を作っていただきました! 恐らくそのままの心であれば民衆により追い落とされていたかもしれません……ありがとうございます」


「いや、まぁ……アミリアを馬鹿にされたのが許せなかっただけだし……そこまで誇大解釈をされるのも……」


「奥方様を、誹られたのでしょう? 当然ですよ! それに聖女様にそんな事言われたら私はその場で切り捨てますよ?」


目が爛々と輝いてる……怖……。


「そ、そうか……そう言ってもらえると心強いよ……」


「はい!」


「それでは、後の皆も自己紹介をしようか……」


「はい、では私は――」


それからリリアーナ達のの自己紹介を行ったが一々歓喜に咽びいたりしていた……。



◇◆◇◆◇◆◇◆

「それで、ダイバーン伯爵。我々の出発は半月後になりそうなのだけど、大丈夫だろうか?」


大体その位の時期には勇者側の鍛錬も終わりそうとの事で話をする。


「はい! 我々は近隣の平原にでも野営をしておきますので!」


「いやいや、兵士の皆さんには長期の野営は厳しいでしょ?」


「そんな事ありません! 志があればいくらでも大丈夫です!」


それ一番駄目な奴じゃん、仕方ない……。


「ノクタールさん、王都中の大工さんや木工職人を集めると、どのくらいの数になります?」


「そうだな……戸籍を半年前の戸籍で良いならおおよそ150人程度だね」


余裕で諳んじるノクタールさん、凄いよなぁ……。


「わかりました、明後日から3日で簡易的な宿泊所を作ります。それで半月過ごしてもらえれば良いですかね?」


「そ、そんな! 聖騎士様のお手を煩わせるには!?」


「うーん……本音を言うと、小さい都市を作るのをやってみたかったんだ」


結婚の際に押し付けられたリーベルンシュタインの貿易都市、そろそろあそこの領地運営も考えないといけないし、魔法で制作した1000人程度の小都市を作ってみたかったのだ。


「急拵えだから凄く簡易的なものになっちゃうけど、兵士の皆にも手伝ってもらえばすぐかなーと思って」


それにアミリアやセレーネ、クロコの魔法練習にもなるし。


「かしこまりました、我が軍にも工作の経験がある者もいますのでお手伝いの選定を致します」


「そうですか! それは有難いです!」


「はうぅ!! 聖騎士様の笑顔……尊い……」


喜ばれるのは良いけど……ビジュアルがおじさんなのは……。


「それじゃあノクタールさん、どの場所なら町を作っても良いですか?」


空間収納アイテムボックスから周辺の簡易地図を出しながら聞く。


「それだったらここが良いかな? 地下の水源がかなり深くて井戸を作るのを断念していたんだ、ユウキ殿なら造作も無いだろう?」


「うっ……でも、やってみないとわからないですよ?」


「大丈夫大丈夫! ユウキ殿なら!」


アハハと笑うノクタールさん、そんな簡単に言わないで欲しいなぁ……。


「期待しております! 聖騎士様!」


「頑張って下さい、優希様!」


「頑張れユウキ!」


「ユウキさんふぁいとです!」


「ご主人様、頑張って!」


「まぁ、皆に言われたら頑張るか……」


とてもちょろい俺だった……。



◇◆◇◆◇◆◇◆

「うーん……どうしよう……」


そして翌日、俺は予定地で唸っていた……。


ノクタールさんに指定された場所は平原に小高い丘だった。


「ここから地下水まで掘るのか……」


「どうしましょうか?」


「うーん……力技?」


「でもユウキさんの力技は……」


付いて来てたセレーネがぶるぶると震える、以前メテオを使った時の事を思いだしているのだろう……耳と尻尾がへたってる。


「あー大丈夫今回はあんな感じの馬鹿力でやるつもり無いし……多分……」


「ひぃぃぃ!?」


「ユウキ……アンタどんだけ怖い思いさせたのよ……」


「いやぁ……あれは威力というか……派手さを意識した感じだし……多分……」


「そうは言っても優希様、バルドルが『あれは神の怒りじゃ……あんなものを使ってケロッとしてる魔王様は、げに恐ろしい存在だ……』って言ってましたわよ」


「マジか……あの人もケロッとしてたし平気なのかと思った……」


「それはあくまでも四天王の一角という体裁があったからですよ……」


「そっか……そっかぁ……」


想像以上にとんでもない事だったらしい……反省しよ……。


「ま、まぁ! 今回は地面を掘るだけだし! 井戸も作るとしたらなるべく綺麗に作らないといけないからね!!」


皆から疑惑の目を向けられつつ作業を始めるのだった。


作者です。

お先に告知を一つ、現在私が連載してるもう一つの作品、【チートな催眠術を貰ったけど、エロい事には使わず、慎ましく生きようと思います!! ~青春を楽しみたいんだから、使わないって言ってるだろ!!~】が現在、現代恋愛ジャンルですが表紙入りしました!!ラブコメなのでもし良かったら読んでいただけると幸いです!


ここからいつもの↓

本日も読んでいただきありがとうございます!

もし良かったら☆やいいねをくれると嬉しいです!!


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