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第57話:秘策の準備完了と貴族の面会

ちっちゃリリアーナ騒動から二日後リリアーナは大事を取って休ませていたが今日から復帰だ。


残りの山を今日は処理してしまおう。


「それじゃあ優希様、私は念のために運搬だけにしますね!」


「あぁ、頼んだ。無理はしない様に」


「はい!わかりました!」


「よし、それじゃあ……はぁぁぁぁ!」


躁血魔法+抽出魔法で遠隔操作可能な鉄血の刃を12本作り出す、そのを纏い刃を乱舞させながら森を進む。

木を伐り躁血魔法で抑えゆっくり倒し進んでいく、案外早く行く切れるので一時間で1.5キロほど進んだ。


「ねぇ。グレイ……優希様凄すぎるわね……」


「がるるぅ……」


グレイウルフのグレイが耳をへたらせている、そんなに怖がらなくても……。


「さて、じゃあ残りをやっちゃうか!」


「わかりましたわ!」


「ワォォン!」



◇◆◇◆◇◆◇◆

準備を終えて城に戻って来ると場内が騒がしくなっていた。


「あぁ、ユウキ殿おかえり」


「ノクタールさん何があったんですか?」


皆が慌ただしく右往左往している。


「あぁ、以前言っていた貴族の分家。その家の者が来る事になってな」


「あぁ……顔見せに向かおうって言ってた貴族ですよね?」


「そうそう、その貴族。今日か明日に向かってもらおうとしたら向こうから押しかけて来たんだ」


どうやら、俺が思ってる以上に崇敬されてるらしい……。


「そうだったんですね……アミリアにこの事は?」


「さっき使いのメイドを出したよ、早ければそろそろ戻ってくるはずだが……」


ノクタールさんが向いた方向を見ると、アミリアお付きのメイド(ラティティ)さんが走って来ていた。


「魔王様ぁ! っと魔王様!?」


ラティティさんが大きく肩で息をする。


「ひーっ……はーっ……ふーっ……」


「お疲れ、ラティティ。聖女様の様子はどうだい?」


「は、はひぃ……聖女様はぁ……」


「あー、ラティティさん水飲みます?」


息も絶え絶えなラティティさんに水を差し出す。


「はい、ありがとうございま聖騎士様!?」


「あっと……はいっ、大丈夫ですか?」


驚いたのか上に放り投げたコップを躁血魔法で掴み水は魔法で空中に留める。


「は、はひぃ……すみません!?」


すぐさま土下座しそうになるラティティさん。


「あー落ち着いて下さい。はい、お水です」


「ごきゅ!ごきゅごきゅ!!……はひぃ……落ち着きました……」


良かった、良かった……最近新人で入った子なのもあって城の皆も気にかけているからな、さっきから先輩従事さん達がチラチラ気にしているし。


「それで、ラティティさん。アミリアの様子はどうでした?」


「は、はい! 今はお着替えも終えてメイクしています! もう少しで来れるかと!」


「そうか、それではユウキ殿。聖女様と共に裏の庭園に向かってくれ、私とリリアーナでお相手をしておくよ」


「ありがとうございます、それじゃあラティティさん行きましょう」


「は、はひぃ!!」


ノクタールさんに軽く行ってきますと礼をすると、ニコニコと手を振ってくれる。


それからラティティさんと二人でアミリアの部屋へ向かう。


「ラティティさん」


「は、はひぃん!? ど、どうかしましたでしょうか?!」


慌て過ぎてニュアンスがおかしくなってる。


「えっと……この仕事、もう慣れた?」


「はひゅ! ま、まだ至らぬ点ばかりで日々失敗の連続ですぎゃ!……舌嚙んだ……」


「あらら……ヒール」


思い切り噛んでしまったのか少し血が出ている所を回復で治す。


「はゆん!? ありがとうございます!!」


「大丈夫大丈夫、これ位なら気にしないで。それで?」


「は、はい! 皆さんには優しくして貰って、仕事の無かった私にこうまでしてくれる皆さんには感謝の言葉も出ません!」


「出ないんかーい!」


「ぎょひん!?」


思わずツッコミを入れてしまった。


「あぁ、ごめんごめん。思わず……」


「わやし、まだ、まぢがえまじたっど?」


「ま、まぁ……感謝の言葉は〝出る〟と〝出ない〟じゃなくて〝感謝の言葉しか、ありません〟が正しいかな、後、方言出てた」


「ひゃう!? お聞きぐるしいものを! えっと……感謝の気持ちなのにありませんですか?」


「あーうん、俺は気にしないけど、他の人は聞き取り辛いから頑張れ。それと、同じ事を、俺も昔思った……まぁ、感謝の気持ちが大きいなら〝しかありません〟と言っとけばいいよ……」


「わ、わかりました!」


ラティティさんは作戦の前段階でアミリアが拾ってきた魔族の子で、種族は純粋種の妖羊(ようじょう)族で珍しく、自然から生まれたての悪魔の子。山の中腹で埋まってるとこを見つけたのだ。


あの時はマジビビった……マリアンも「何それ知らん……怖っ」とか言ってたけど調べさせたら数千年に一度自然発生的に生まれるらしい。


しかも、生まれてすぐに言葉は話すし元気いっぱいだったけど、話す言語が魔族古語とか言う今では一部地域での超少数閉鎖部族でしか使われない言葉を話すのでわかるのがノクタールさんくらいだった。俺は翻訳魔法を通して聞こえてるけど、それが訛りのある言葉にしか聞こえなかった、それもあってか通訳しながらこの世界の言葉を教えたらめきめきと異常なスピードで覚えてしまった。


だけど、たまにでちゃうので方言って形で教えてあげてる。


「上手くやれてるなら良かったよ」


アミリアの部屋前に到着して扉をノックするラティティさん、中からシアとアミリアが出て来た、かなり綺麗なドレスを纏っている。


「お待たせ、ってユウキ!?」


「お、おう……アミリア、凄い綺麗だな……」


「ひゃう!? あ、ありがとう……」


「とりあえずご主人様、私は目に入らないんですか?」


シアが割り込んできて見上げる、シアも結構可愛いドレスを着ている。


「あーシアも可愛らしいな」


「はい! ありがとうございます!」


――ガキン!


「うぉいた!? アンタの足どんだけ固いのよ!!」


「すまん……アミリア」


アミリアに謝りながら、彼女の足にヒールをかけるのだった。


作者です。


本日も読んでいただきありがとうございます!

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