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第54話:秘策の準備

「さて……どこの山にするかな……」


山壊しの為に王都の周辺に到着した、どの山にも中腹及び周辺には民家がある。


「どの山にも人が居るなぁ……、人を巻き込みたくないからどうするか……」


どいてもらうにしても山が無くなる訳だしなぁ……。


とりあえず地図と山の位置関係を照らし合せて、後はスマホで写真を撮っておく。


「さて一旦戻るか……」


転移を使いそのままリリアーナ達の元へ戻った。


「あら優希様、お帰りなさいませ。お早いお戻りですね」


戻ると、リリアーナ達はパジャマパーティーをしていた。


「うん、ただいま。とりあえず地図の見比べと山の調査だけしてきただけだからね」


「どうだったの?」


「いやー山自体に人が居るから壊すのもどうかなーって感じ」


「そうなのね……」


「むぅ……難しいですね」


セレーネがゴロゴロと転がりながら近寄って来る。


「それでしたら、山を作ってしまうのはどうでしょうご主人様?」


「作るって……相当土や木が必要だよね?」


「はい、ですが一つ方法があるのです! カモン、クロコ!」


自身の影に呼びかけると、中からクロコちゃんが飛び出してきた。


「とうっ!(ドヤァ)」


シアちゃんがドヤ顔をしてるが、恐らく陰に潜みっぱなしだよな。


「おい、シア、こっちに来い」


「ひゃう! ご主人様激しいです!」


首根っこを掴み部屋の隅に連れて行く。


「正座」


「正座って何ですか?」


そうか、正座なんて知らないわな。


「膝立ちになってそのまま座るんだ」


「ひぎゅぅ!? こ、これはいだい!?」


自分の真似をさせ正座で座らせる、顔が白黒になっているが話を続ける。


「シア、俺が何でこんなことしてるかわかる?」


「それは、ご主人様が超がつく程の、嗜虐性癖の持ち主だからですか?」


「うん、俺の世界にはその状態で重ーい石を乗せる刑罰があるんだけど、やるか?」


「ひぃぃ!? ごめんなさいごめんなさい!」


「全く……俺はクロコの扱い方について怒ってるんだ」


「へ?」


「クロコは仕方ないとはいえウチで面倒を見る事になった、その上である程度の人道的な教育を任せてあるはずだな?」


「は、はひぃ……」


今度は脂汗を流し始めるシア、そんなに痛いのかな?


「それで。シアは今、クロコをどのくらい働かせてる? どのくらい休みを取ってる?」


「毎日睡眠時間以外は休みなしです……」


「ほーう……」


「ひいぃぃぃ!? 怖いですご主人様ぁ!?」


「俺、休みなしで働かせろと言ったか?」


「言ってないです!」


涙まで流し始めた……流石にここまで来ると罪悪感が増してきた。


「はぁ……俺もシアに任せっきりにし過ぎたのも悪いからお説教はここで終わり、立てるか?」


「うぅ……たて……ひぎぃ!?」


立てずに倒れ込むシアを受け止める、そのまま抱え上げ回復魔法ヒールをかける。


「ずびまぜん、ごじゅじんざまぁ……」


「はいはい、泣かないの……」


流石に正座だけで、ここまで泣かれるのは想定外だった。


「はい、これで顔拭いて」


「うぅ……ずびーっ、すぅぅぅ」


タオルを渡すと鼻をかんで、その後に思い切り匂いを嗅いでる。


「ずるい……」


「ずるいね……」


「ずるいですわ……」


「????」


なんでずるいとかぼそぼそ言ってるの……何がずるいのさ……。


「ともかく。シアがクロコを呼び出した理由は何だい?」


「はい(はぁはぁ)、クロコの影魔法で直接の門を作り遠方から(はぁはぁ)クロコの魔力が尽きるまで山を丸々転移させれば良いんですよ(すーっ、はぁ……)!」


おい、どんだけ吸ってる、そして恍惚してる感じを出すな。


「はい、没収! それでクロコは納得してるの?」


「あぁ、無慈悲なぁ!?」


タオルを奪い空間収納アイテムボックスに放り込む、全く恥ずかしい。


「は、はい! 私が最初に提案させていただきましたのです!」


「そうか……それでどんな感じになるんだ?」


「そ、それはですね。セレーネおねーちゃん手を貸してください」


「いいよー、こんな感じ?」


「あ、手の下にこのカップを持ってもらいまして、こんな感じです!」


手で庇を作ったとこにポットから紅茶を注ぐ、するとセレーネの手からその下のカップに紅茶が注がれる。


「「「「おぉ~」」」」


「はい! どうですか!?」


綺麗に注がれたカップを手に持ち満足そうに微笑む、確かにこれは凄く良い能力だ。


「凄いね、沢山練習したんだね」


「はい!」


頭を撫でているとなんか〝ズモモモ〟って感じで魔力が飛んで来た。


「えっと……どうしたの?」


「いや! 何でも無いですわ!?」


「なんでもないよ!?」


「なんでもない!」


慌てて、顔を赤くする皆、何があったんだ?


「ご主人様……もし良かったら皆さんの頭を撫でてあげて下さい(ボソボソ」


「え? わかった……皆、おいで」


シアに言われた通り皆の頭を撫でると、皆がふにゃふにゃになっていく。


「これは……」


「やっぱり……」


「良いものですね……」


まぁ、良かったのかな?


指通りの良いリリアーナの髪と、少し癖のあるセレーネの髪、少し硬めだが触り心地の良いアミリアの髪に満足しながらその夜は過ごした。


作者です。


本日も読んでいただきありがとうございます!

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