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第40話:優希の作戦とセレーネとのデート

「聞いてた話だと、王都には貴族の子弟が必ず入る学校があって。奥さんも王都に住まわされてるんだ」


「うわぁ、それって人質なんじゃ……。あれ? でもナタリアさんは……」


「あぁ、それはこの領が対魔族領の最前線だからね。ウルベリックさんが倒れた時にすぐ領軍で迎え撃つためにナタリアさんはここに居るんだ」


「それは……何とも言えないわね」


何とも言えないと言った顔をするアミリア。


「それが意外と有効なのが困った所なんだよね……」


「つまり、ユウキさんは奥様達の保護を考えているのですね


リリアーナが俺の画策していることをズバリ当ててくれた。


「そう、奥さん達を纏めて保護しちゃえば味方の貴族も動きやすいから」


「確かに、優希様の考え方とお力ならば容易ですわね」


「うん、だからこうしてロップルさんに色々と作ってもらったんだよ」


「そうだったんですね、納得しました!」


まぁ、他に意味もあるんだけどね。恩を売る事と、仲間になった貴族の勘所かんどころを押さえるのに、そっくりそのまま使えるし。


「さて、それじゃあ今回の目的は終わったし。明日は自由だからね」


「「「「「はーい!」」」」」


話し合いが終わり各々ベッドへ潜り込んだ。



◇◆◇◆◇◆◇◆

そして翌日。セレーネとのデートの為、宿屋の噴水で待っていると、以前警備の時に着ていた服でセレーネが現れた。


「お待たせしました、ユウキさん」


「うん、前見た時も思ったけど、セレーネの元気な感じが溢れ出て可愛いね」


「はっ、はひっ!? ああぁぁありがとうごじゃいます!」


「あはは、緊張しないで良いよ。さあ、行こうか」


慌てるセレーネの手を取り出発する。デートと言ってもあまり見るところが無いので、買い物デートとなる。


「わぁ……ユウキさんユウキさん! あの屋台なんでしょうね!」


「屋台……どれ?」


セレーネが屋台を指差すが、ここは屋台群なので右も左も屋台ばかりだ。


「あの、サンドイッチみたいなお料理を潰して作ってる屋台ですよ!」


「サンドイッチを潰す? あぁあれか……」


セレーネに言われやっとわかった、現代で言うプレスして作るホットサンドの事だ。


「名前は……ホッティランドって言うのか……食べる?」


朝食を食べたばかりなのだが、と思いながら聞くとセレーネは大きく頷いた。


「すいませーん」


「おう、いらっしゃい。獣人と人間ヒューマンのカップルとは珍しいな」


「俺達、カップルに見えますか?」


「おう、どこをどう見てもカップルだな」


「えーカップルだってセレーネ、結婚してるのに」


ぐいっと引き寄せて言うとセレーネの顔に朱が差し込む。


「ふぁい!? たたっ、確かにそうですが!?」


「そうか! すまなかったな。詫びと言っちゃなんだが少しオマケしとくよ」


「わかりました。じゃあホッティランドを5つ下さい」


「へい、って五つ!? 兄ちゃん良く食うんだなぁ……」


「いえいえ、宿に居る仲間たちの分ですよ」


「へぇ、兄ちゃん達は冒険者かい?」


俺とセレーネの服装で判断したのだろう、そう聞いてくるおっちゃんに笑って返す。


「えぇ、『せっかくの大きい街なので偶には嫁さんにサービスして来い』と言われちゃいましてね」


「そうかいそうかい、ならたっぷりサービスしとかないとな」


そう言って店主が次々と焼けたホットサンドを藁半紙わらばんしに包んでいく。


「はいよ、全部で5人前だ。三つは持ち運び出来るようにしてあるからな」


「ありがとうございます、えっと……全部で銀貨6枚ですかね?」


「いやいや、3枚で良いぞ。お詫びの分だ」


そう言って三枚の銀貨を返してくる。


「ありがとうございます、じゃあ」


「おう! 楽しんでな~」


それからお店を巡っていると、アクセサリーショップの目の前でセレーネが足を止めた。


「どうした? セレーネ?」


「ユウキさん、ここ入って良いですか」


「良いけど……アクセサリーならロップルさんに作ってもらうのは?」


「それも良いのですが、皆さんの知らないアクセサリーも欲しいなぁと思いまして」


「そっか、じゃあ入ろう!」


少し恥ずかしそうに言うセレーネを、引っ張って中に入った。


◇◆◇◆◇◆◇◆

「いらっしゃい、って嬢ちゃんまさか!?」


店の奥に居た店主であろうおじさんがセレーネの姿を見てカウンターを飛び越えて来た。


「おおお、お嬢ちゃんはまさか宝石獣カーバンクルなのか!?」


「きゃっ……」


「何ですか? いきなり失礼じゃないですか?」


詰め寄られるセレーネとの間に割って入り俺が応答する。


「あ、あぁすまない、つい興奮してしまった……」


威圧を込めて睨むと顔を青くして下がる。


「それで、何の用ですか?」


「す、少し待っててくれ!」


カウンターの裏に下がり背後の棚を漁っている。


「セレーネ、どうする? もし嫌なら出ちゃおうか」


問いかけると、ふるふると首を振る。


「わかった、何かあったら言ってくれ。いつでも逃げれる様にしとくから」


「はい、ありがとうございます。でも、大丈夫です」


「そう? わかった」


腰の剣に手を置きながら待っていると店主が奥から厳重な箱を持ってきた。


作者です。


本日も読んでいただきありがとうございます!

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