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第4話:俺死なないよね?

 それから家に戻った俺は春華に連絡をした所「私のお父さんもお話したかったと言ってました」と聞かされ背中に冷たい物が流れた、「俺死なないよね?」と返すと「あーそれは…お父さんも流石に殺人までは…」と返された、今日退院したんだけどな…と思う。


 その後春華ちゃんより聞いた住所に車で向かう、今日は土曜日なのでちょっとした旅行状態だ。


「S県N市か、大分昔に行ったっきりだよなー」と父さんが運転席でしみじみ言う。


「そうね、結婚前に行ってましたね」と母さんも助手席でしみじみ言ってる。


「セイゴさんN市はどんなところです?」


「N市はね海産物が有名で山を一つ越えると温泉が沸いてる所が多いんだ」


「温泉!私温泉大好きですよ!」


 と誠吾さんとエリナさんは楽しそうにしてる。


 一方俺は隣に座る耀に心配されていていた。


「優希…大丈夫?」


「アア、ウン、ダイジョウブダヨー」


「全然駄目そうなんだけど!?」


 特に渋滞などの問題も無ければ、後2時間程で俺の命の危機が待っている。


 車窓で流れる素敵な景色も…トンネルばっかりだなオイ…


 景色で思考を誤魔化そうとしたけど無理っぽい。


 こうしていると悪い結末ばかり堂々巡りとなる…景色でも…うん、トンネルだわ!


 そう顔を顰めていると隣の耀が「骨は拾ってあげるね!」と言うので救いは無いんだなと遠い目になった。


 ◇◆◇◆


 それから昼食の時間なので高速を降りていく、父さん達曰く休日のSA(サービスエリア)はおちおち食事も出来ないし大人数で席も座れないから高速降りてでも別の場所で食べた方が満足感が高いという。


 因みに本日行くお店はO市にあるお店で地魚海鮮丼が有名なお店だ、既に予約済みとの事。


 高速を降りて一般道へ入る小さいジャンクションを抜けると地元で見るより大きな富士山が見えた、夏の富士山なので雪は無いが同じ県内とはいえここまで大きく富士山が見えるのは驚きだ。


 それから予約してあったお店に行き、海鮮丼を注文するサラダやから揚げもおいしいとの事で注文をした。


 注文した海鮮丼が届くと「うお…でっか」と言ってしまうほどのボリュームであった、上に載った様々な魚の切り身は大きく持ち上げると重さを感じるほどである。サイドで頼んだから揚げやサラダも量が多く食べ切るとお腹が一杯になってしまった。


 美味しそうに食べる耀の写真も撮ったので待ち受けにしておく、頬を少し膨らまして海鮮丼を頬張る耀が可愛いのなんの…エレナさんにも写真のデータを求められた。


 それから再度車に乗り2時間行かないくらい走ると、大きな塀が道路を挟んで対面になっている区画に出た。


 それから進んでいくと5メートルくらいある門構えのある家が見えて来た、春華ちゃんにメッセージを送ると門下生らしい男性の方が大きな門を開いた…観音開きで。


 案内された場所に車を止め車を降りる、すると正面に大きな道場と弓道場の様な施設、それから門下生の方が出入りしている合宿所の様な建物、それから2階立ての普通より少し大きい一軒家が見えた。


 その施設の大きさに呆けていると一軒家の扉が開く。いや、引き戸なのかよ。めっちゃ西洋風の玄関扉じゃん!そうしてその中よりこの数週間で見慣れた瑠璃色の髪が見えた。


 めっちゃ走って来てるな…おいおい耀さんやそんなに離れんでも…父さん達もかい!


「優希おにいちゃああああああああん!!!!」


 世界新記録狙えそうなスピードで冬華が飛び込んでくるので抱きとめつつ反動を殺す、よくアニメで見るくるくる回るやつを…目が回るわこれ。


 そのまま玉砂利の上に冬華と共に倒れこむ、胸に頭を押し付けぐりぐりしてくる。


「すうううううううう」お前もか冬華、コラッ匂いを嗅ぐな。


「優希の匂いって落ち着く匂いだよね~」と耀がしみじみと言う。


「そうだよね!耀おねーちゃん!」とふごふご言いながら冬華が賛同する。


 そう二人が謎のタッグを見せていると、家から春華が出てくる。


 髪色に合わせた大き目のワンピースにレギンスとサンダルが映えるコーデである、因みに冬華はその色違いだ。


「こら冬華!いきなり飛び込んだら危ないでしょ!」めっ!っと効果音が出そうな感じで諌める春華。


「春華もどう?優希おにーちゃんすごい良い匂いだよ?」


「えっそうなの?」そう言ってしゃがみ込んで首筋の匂いをスンスンと嗅いでくる。


「春華ステイステイ、近い近い」と羞恥に耐え切れなくなった俺が言うと春華は顔を真っ赤にして慌てて立ち上がる。


「すっすみません!つ、つい!」顔を真っ赤にしつつ悲しそうな顔をする。


「うん、恥ずかしいから程々にしてくれれば禁止とかはしないから…」


「あっありがとうございます…」


「えー私は」「春華だけずるいー」と詰め寄ってくる二人。


「二人は言わなくてもやってくるでしょ!」


 とわちゃわちゃやっていると玉砂利を歩く音と咳払いが聞こえた。


 顔を上げるとそこには厳しそうな顔をした鷲司しゅうじさんとすっごい満面の笑みでニヤニヤしている姫華ひめかさんが居た。



(あぁ…遺書を書いてくるべきだったか…)


 そう思い俺は天を見上げた……青空キレイダナー


因みに今回のお店は実際にあるお店で引っ越すまで週4くらいで通ってたお店です、久々に食べたいなーとか思いながら書いてましたw

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― 新着の感想 ―
最後の姫華さんのは満面(まんめん)の笑み、ですね。
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