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第22話:空喰—そらぐい—

翌朝目が覚めると日は高く昇っていた。


「ふぁぁ~もう日が高く昇ってるのか……」


隣のベッドに寝ているアミリアを起こさないように天幕の外に出る。


昨日は夜遅くまで兵士の蘇生と治療を行っていた。


「うーん、流石に判別不可能な程複数人で損傷しちゃってた遺体は無理だったし、復元はかけたけどなぁ……」


300人超えたあたりであらかたの蘇生が終わったのだが蘇生が不可能だった人たちは100人ちょっと。


「本当は、全員助けたかったんだけどな……」


王様とオッサンで話し合って、戦死者の家族に対しての保障がをたくさんしてもらえる様になったのが救いかな。


憎いくらい綺麗に晴れた空を見て呟くと、背中に柔らかな重さが加わった。


「ユウキ……」


背中にあたる感触的にアミリアだと思ったらアミリアだった。


「どうした? アミリア?」


「ユウキが寂しそうにしてたから……どうしたの?」


「いやね、助けられなかった人たちの事を考えてた」


「そう、ユウキは優しいね」


アミリアの抱きしめる力が強くなる。


「アミリアだって優しいだろ? 俺の気持ちを察してこうやって癒してくれてるんだから」


「うー!!」


「いでででででで!!」


わき腹を抓られた、照れ隠しなのだけど結構痛い。


「全く、わかってるなら言わないでよ……」


「すまんすまん」


「全く……この人は……」


背中にぐりぐりと顔を押し付けてくる、背中が熱いなぁ……。



◇◆◇◆◇◆◇◆

「今日は第一砦の周辺に居る大型の敵を排除してきます」


「「「「「!?」」」」」


「ちょ!? ユウキ!?」


「あの大物をか……」


「いや、聖騎士様ならば」


「だが! 遥かに大きな相手だぞ!?」


「あー、すみませんが。倒すのは俺じゃないですよ」


「「「「「は?」」」」」


「倒すのは聖女様です」


「「「「「えぇぇぇぇぇ!?」」」」」


アミリアも唖然としている。


「いや、アミリアには朝食の席で説明したじゃん……」


「だって、本気だとは思わないわよ!?」


「大丈夫大丈夫、アミリアなら出来るって」


「いやいや、無理無理!! どうやってあんな大きな相手倒すのよ!?」


「簡単だよ? 心臓の部分に核があるからそれをぶった切るかぶち抜くだけだよ?」


「そりゃユウキにとっては楽勝だろうけど!?」


うーん、昨日の戦闘を見る限り身体強化もがっつり上達してるから行けると思うんだよね。


「ちょっと練習してからだから、大丈夫大丈夫!」


「えぇ……」


ありえないという顔をしている。


「それじゃあ行こうかアミリア」


「うぅ……優しくしてよ……」


差し出した手をしっかり握ってくれたのでそのまま天幕の外に出た。



◇◆◇◆◇◆◇◆

「よし、昨日闘っててわかったんだけど。アミリアの身体能力ってとんでもなく上がってるんだ」


「確かに、練習で打ち合ってた時よりも速く剣が振れたし、移動も思うよりしやすかったわ」


「だから今から見せるのは俺の刀剣の師匠、えっと……春華と冬華のお父さんなんだけどその人がやってる技のアレンジ版なんだ」


20メートル程離れた場所に家建てる時に出た廃材を立てる。


「ふぅ……『小鳥遊流剣術——喰抜くいぬき!!』」


全身のばねで飛び込み木材を貫き、切り上げ、返す様に振り下ろす。


――――バキバキバキバキ!!。


「うわぁ……」


木材は刺突した場所から上下1メートル程の斬撃痕が残っている。


「まぁこれは魔力を込めないでやったから、真っ二つにはならなかったね」


「いや、十分なくらいの威力なんだけど……真っ二つって……」


「それで魔力を込めるとぉ!!」


魔力を込めた喰抜を使い木材を両断する。


「うわぁ……」


再度ドン引いてる。


「アミリアにはコレを覚えて貰うから」


「無理!」


両手でバツを作って言う。


「言うと思ったから。魔力を込めた状態で、刺して斬り上げるだけにしよう」


「それなら……何とか?」


「それじゃあまずは、魔力を込めた剣で貫くとこから始めようか!」


「こうなったら、やってやるわよ!!」



◇◆◇◆◇◆◇◆

「それじゃあ、行こうか! 露払いは任せて」


練習後昼休憩を挟みしっかり休憩した後アミリアをかかえ出発する。


「ねぇユウキ!! 道中の敵はどうするの!?」


目の前に敵の集団が迫ってきてる。


「それはね! こうする!!」


「えっ!? ひゃぁぁ!?」


魔力を込めた跳躍と蹴りで敵陣を駆け抜けていく。


「ギャアアアア!?」

「ギイイイイイ!?」


踏み砕き、蹴り砕く、武器も蹴り壊し進むと、目的の相手が見えて来た。


「じゃあ行くよ!」


「えぇ! 任せて!!」


右手に乗せたアミリアを投げる。その瞬間風魔法を発動させたアミリアがくうを踏み翔ける。


「ギャアアアアアアアア!!」


「行くわよ!! 『空喰そらぐい!!』」


咆哮をする巨大な敵の核に剣を突き立て勢いのまま斬り上げる、余剰の魔力が衝撃波となって胸から上を吹き飛ばす。


「やった!!」


そうして落ちて来るアミリアを空中で、お姫様抱っこしてキャッチする。


「ありがとユウキ!」


「カッコ良かったよ!」


「へへっ! 惚れ直した?」


「そりゃね、あれだけカッコよければ!」


「ギャフッ!?」


「グギャッ!!」


敵を踏みつけながら、次に見える大型の元へ駆け出す。


「さあ、この調子で行くわよ!!」

作者です!

新しく強化されたアミリアのステータスです!!

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【アミリア・フィルレシア】 性別:女 年齢:17歳 種族:人間

ジョブ:召喚聖女 Level:432

所持能力スキル:【体術】【小鳥遊流剣術(優希アレンジ)】【回復魔法】【剣術】【潜在強化Lv.8】【聖魔法】【空間魔法】【元素魔法】


称号:国王の遺児・聖女・優希に恋する少女・孤児院のヒーロー・耀の弟子・エアリスの弟子・春華の弟子・召喚された聖女・優希の嫁(仮)・聖剣の聖女・優希の弟子。


備考

・潜在強化は覚醒すると身体強化、魔力強化等が発現する。

・優希のアレンジして使っている小鳥遊流剣術を体で覚えている(技名は知らない)。

・聖剣は優希製、神様の血が混じってるので魔力が神性を帯びている。

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